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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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254部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十五


第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十五

 そこから烏丸の兵達を手にしている槍で縦横無尽に突き崩す。少なくともそれで孔明達は助かった。
 そして彼女だけではなかった。他の面々もだ。
「はああああああっ!!」
「たああああああっ!!」
 関羽と張飛がだ。それぞれの得物から衝撃波を出してそのうえで投石器を一撃で叩き潰したのである。
 それからだ。馬超もだ。
「あたしだってな!」
「翠、出せるか」
「ああ。星、そっちはどうだ!」
「いけるぞ!」
 こう馬超の隣に来て言うのである。
「私もまたな」
「そうか、それならな!」
「やるぞ!」
「愛紗達と同じくな」
 二人もそれぞれの槍を大きく振った。それによってだ。
 凄まじい衝撃波を出してだ。彼等もその投石器を粉砕したのだった。
「何っ、投石器が!?」
「一撃でか!」
 烏丸の兵達もこれには唖然となった。
「まさか、あいつ等」
「化け物か!?」
「化け物ではないわ」
 黄忠は馬上から弓を放っていた。
「ただ」
「ただ!?」
「何だってんだ?」
「虎よ」
 それだというのである。
「そう覚えておくといいわ」
「人が虎だって!?」
「どういうことだ、それは」
「それぞれが虎の強さと誇りを持っている」
 言いながらだった。黄忠は最後に残った投石器に弓をつがえてだ。そうして。 
 放った。するとそれは衝撃波そのものとなって投石器に突き刺さった。それで一撃で粉砕してしまったのである。
「これでよし、ね」
「紫苑さん、お見事です」
 これには孔明もこう言うだけだった。84
「これで投石器は全てですね」
「ええ、そうみたいね」
 黄忠もその言葉に頷いた。
「これで」
「そうだな。後は敵の掃討だけだ」
 関羽は周囲を見回して述べた。
「それで終わりだな」
「よし、行くぜ!」
「皆でやっつけるのだ!」
 馬超と張飛が叫んでだ。そのうえで周囲の敵を倒していった。
 桃家荘での戦いは劉備達の援軍により彼等の勝利となった。そして烏丸本軍との戦いもまた勝利を収めることができたのである。
「勝ちましたわね」
「全く。今回もやってくれたわね」
 曹操が勝ち誇る袁紹の横で溜息をついていた。
「どうしてそう前線に出たがるのよ」
「ですから戦ですから」
「全く。命知らずとかそういう問題じゃないでしょ」
「全くです。何というか」
「何かあってからでは遅いのですが」
 夏侯惇と夏侯淵もこれにはぼやいてばかりだ。
「麗羽殿は血気にはやり過ぎます」
「我等から見てもです」
「あら、前線で指揮を執るのは当然でしてよ」
 まだ言う袁紹だった。
「それは」
「だから。総大将が出てどうするのよ。しかも」
 曹操の溜息と共の言葉が続く。
「この戦いはそこまでする戦いじゃないでしょ」
「そうでして?」
「そうよ。まあとにかく戦いは終わったわ」
 曹操はそのこと自体はいいとした。
「これでね」
「そうですわね。ところで」
 袁紹はここで話を変えてきた。
「劉備さんはどうでして?」
「ああ、あのおっとりした方ですか」
「そういえばあの方は」
 夏侯惇と夏侯淵も言われて思い出した。
「下手をすれば命令違反になりますが」
「どうしたものか」
「それならいい考えがあるわ」
 しかしここで曹操が言った。
 
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