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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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247部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその八


第二十一話 劉備、友を選ぶのことその八

「誰なのかしら」
「見たところ一軍の将ですけれど」
「だから公孫賛だ!」
 たまりかねた声で二人に返す。
「何故忘れる!前に話したばかりだぞ!」
「公孫賛?」
「やっぱり知りませんわね」
 二人はそう言われても首を傾げさせるばかりだった。
「何処かで聞いたことがあるような」
「けれどそれでもどうしても」
「幽州の牧だ。しかもこの先陣は殆どが私の軍だぞ」
 たまりかねた声になっている。
「幽州の軍二万だ。何故忘れる」
「だから幽州には牧はいないわよ」
「それでどうして二万もいますの?」
「何度言っても何故覚えてもらえないのだ」
 公孫賛もいい加減困り果てていた。
「全く。これはどういうことだ」
「まあまあ白々ちゃん」
「白蓮だ」
 劉備はいつもの様に慰めるが真名を間違えていた。
「ここで間違えるか」
「あれっ、間違えていたの?」
「間違えている。まあいい」
 流石に今は言い返す気力もなかった。
「しかし。この戦いまずは勝利を収めて何よりだ」
「けれど。数が少ないわね」
「そうですわね」
 曹操も袁紹も烏丸の軍について話した。
「十万近くいたそうだけれど」
「何処に行きましたのかしら」
「残りは何処かに行った」
「それが問題なのだ」
 関羽と張飛も怪訝な顔になる。
「本軍に向かったか」
「嫌な予感がするのだ」
 張飛は顔を曇らせて述べた。
「鈴々達にとってとてもよくないことが」
「それは一体何だ?」
「まだよくわからないのだ」
 関羽に問われても暗い顔のままだった。しかしその時だった。
 孔明達がいるその桃家荘にだ。突如として敵が来た。
「大変!何か来たよ!」
「えっ、敵ですか!?」
 孔明は馬岱の声を聞いて驚いてベッドから出て来た。
「だとするとこれは」
「何!?盗賊!?」
「そんなものじゃありません!」
 孔明は慌てて城壁の方に向かいながら共に来る馬岱に対して告げた。
「これはですね」
「うん、これは」
「烏丸の軍です!」
 それだというのだ。
「それです!」
「えっ、けれどそれは」
 それを聞いてだ。馬岱は驚きの声をあげた。
「大将軍達の軍と戦闘中なんじゃ」
「烏丸の武器はその速さです」
 機動力だというのじゃ。
「ですからこうして桃家荘にも兵を送ってきたのです」
「兵をって」
「こうして後方の基地を陥落させて補給を絶つつもりです」
 孔明はそこまで読んでいた。
「それが彼等の戦術です」
「じゃあまずいんじゃないの?」
 馬岱は孔明のその言葉を聞いて暗い顔になった。
「この桃家荘もかなりの物資が集められてるし」
「はい、ここを陥落させられるとかなり危ないです」
 孔明もこのことはよくわかっていた。
「戦全体に大きな影響を及ぼします」
「そうだよね、それに」
「はい、私達には数はあまりありません」
 このことも話した。
 
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