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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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195部分:第十七話 孔明、推理をするのことその四


第十七話 孔明、推理をするのことその四

「私は孫家にお仕えしているのだぞ。しかもだ」
「わし等と冥琳の次に入ったからのう」
 ここで黄蓋が言ってきた。
「幼い頃からな。河賊からなってな」
「そうだ。その私が何故だ」
 怒った声での抗議だった。
「私は揚州の者だ。その私がだ」
「同じ場所にいれば様々なことがあるでしょう」
 だがそれでも孔明は言うのだった。
「感情のもつれ、意見の相違、その他にも考えられます」
「貴様・・・・・・」
 甘寧の怒りがさらに高まっていた。これは周囲の誰もがわかることだった。
 あかりもそれを見てだ。眉を厳しくさせた。
「まずいで、あれは」
「ああ、甘寧も気が短いしな」
 ダックが彼女のその言葉に応える。
「何が起こってもな」
「あの娘、斬られるかもな」
「それだけは止めるぜ」
「ああ、それはな」
 漂とビッグベアも真剣な顔になっている。
「それはな」
「止めるか」
 二人だけではない。十三とタンもだった。
「いざとなれば」
「行くとするか」
「はい」
 周泰も彼等の言葉に頷く。
「若しもの時は」
「ああ、やろうか」
「七人おれば流石にのう」
 止められると見ていた。そのうえで展開を見ていた。
 そしてだ。甘寧はまた言うのだった。
「私がその様な感情を持っているというのか」
「あくまで可能性だけです」
「それはない」
 孫権が甘寧を擁護してきた。
「思春、いや甘寧の忠義は揚州の者でも随一だ」
「そうですよねえ」
「はい、思春さんは」
 陸遜と呂蒙も孫権の言葉に頷く。
「私達よりもまだ」
「凄い忠誠心ですから」
「ですが可能性は否定できませんね」
 孔明はあくまでこのことを指摘する。
「そうですね」
「貴様・・・・・・」
 甘寧の怒りが遂に沸点に達した。
 そしてだ。その剣を抜いたのである。
「このままで済むと思っているのか!武人の誇りを愚弄してだ!」
「待て!」
「朱里はやらせないからな!」
「その通りよ!」
 趙雲と馬超、それに黄忠がまず出ようとした。
 続いてキング達もだ。周泰やあかり達も出ようとする。
 しかしだ。ここで孔明は周りにも言うのだった。
「大丈夫です!」
「何っ、だが」
「けれどよ」
 趙雲と馬超も思わず足を止めた。孔明のその言葉に、いや剣幕にだ。それは彼女が普段見せることのない凄まじいまでのものだった。
「安心して下さい。何があっても」
「私は本気だぞ」
 甘寧はその剣をだ。孔明の顔先に突きつけていた。今まさに斬ろうとしている。
「それでもか」
「はい、若し私の言っていることが御気に召されないなら」
 甘寧を見据えての言葉だった。
「その時はです」
「覚悟はしているのか」
「今武人と仰いましたね」
 孔明は今度はこのことを問うてきた。
「そうですね」
「それがどうした」
「武人の誇りと」 
 このことも言ってみせた。
「そうですね」
「そうだ。私とて武人」
 甘寧はこのことも告げた。
 
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