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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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56.知りたく無い事もある。でも、知ってしまったらどうすればいいの?

<天空城>

「では、いきますよ」
「お手柔らかに…」
プサンが瞳を閉じて瞑想状態に入っていく。
それと同時に俺の頭の中にゴールドオーブに関わるビジョンが鮮明に浮かび上がる。


ゴールドオーブは天空城の床に出来た穴から落ち、見覚えのある古ぼけた城へ落下する。
懐かしのレヌール城だ!
そして月日がたち、二人の男女の子供がゴールドオーブを拾い持ち帰る。
「って、これ俺じゃん!やっべー、フレアさんにあげちゃった!」
「リュカ!ビジョンの方に集中して下さい!まだ続きがあります」
いかん!集中!

ゴールドオーブを持った俺は、サンタローズの教会の前でフレアさんと旅の男と話をしている。
「そう言えば、あの男が『誰にもあげるな』って言ってたっけ!何かアイツの言う通りにしておけばって思うのがムカつく!」
「リュカ!集中を!」
集中、集中!!

ゴールドオーブをフレアさんに渡している俺が見える。
フレアさんはゴールドオーブを大事に保管してくれてた様だ。
するとサンタローズにラインハット兵が攻め込んできた!
無抵抗な人々が兵士達によって殺されている!
神父様もフレアさんの目の前で殺された!
そして…フレアさんが大勢の兵士達に犯されている…
代わる代わる何人もが何度も何度も…
ぐっ………これ以上…見たくない…

「リュカ…目を逸らさないで下さい。ゴールドオーブの行方に集中して下さい」
……………
性欲を満足させた一人の兵士がゴールドオーブに気付き、自分の懐へ入れ王都へ帰って行った…
ラインハットへ帰った兵士は、仲間の兵士達にゴールドオーブを見せびらかしている。
そこへ太后が現れ…いや、偽太后が現れてゴールドオーブを没収して行きやがった…
「ここまでしか追跡出来ませんでした…」
「じゃぁ…ラインハットにあるのですね!行ってきます!」
俺は直ぐさまルーラを唱えた。



<ラインハット城>

「ヘンリー!」
「お!?どうしたリュカ…血相変えて」
「偽太后が接収した財宝類は何処にある!?」
「分かる限り持ち主に返したが…分からないのは城の保管庫にしまってある」
「今すぐ見せてくれ!その中に大切な物があるんだ!」
俺は殆ど脅しに近い状態でヘンリーに詰め寄った!
「わ、分かった、分かったから…」


保管庫には無造作に財宝類が山積みになっていた。
まぁ…一つ一つ梱包されていたら探しにくいのだが…どれもこれも、キンキラ光っていて探しにくい。
あの時オーブを手放さなければと思うと、何か焦るね。
「なぁ…リュカ…何を探しているのか教えてくれないか?」
うるせぇーな…今忙しいのに…

「ゴールドオーブ。金色の宝玉だ!」
「これか?」
ヘンリーは別の所から、ゴールドオーブを取り出した。
「全部ここにあるんじゃないのかよ!何で別にしてあんだよ!財宝の山を探し回ったのは無意味かよ!」
「す、すまん…マリアが、これには魔力が籠もっているからって言うから…別にしておいた」
「もっと早く言えよ…てか、もっと早く聞けよ、何探してるかを!」
「ま、まぁ…見つかった事だし…ほら!………ところで何なんだ、それ?」
「説明がめんどいから、今度ゆっくり説明する!じゃ!」

俺はゴールドオーブを受け取ると、一目散に引き返した。
途中、マリソルとすれ違い何か言おうとしていた様だが完璧に無視した。
今度来た時に謝らないと!



<天空城>

天空城(笑)へ戻ると一目散にプサンの元へ行き、ゴールドオーブを手渡した。
プサンはゴールドオーブをしげしげと観察すると、
「これはゴールドオーブではありません。偽物です!」
「あ゛?何言ってんの!?ビジョンで見たじゃん!その通りにラインハットにあったじゃん!」
お前が見せたんだぞコノヤロー!

「どうやら途中ですり替えられた様ですね。あまりにも良く出来た、魔力まで帯びている偽物だったので騙されました」
「ふっざけんなよ!じゃ、何処にあんだよ!」
何だったの?この無意味な時間は?
子供達、待ちくたびれて寝てんじゃん!

「リュカ。貴方がゴールドオーブを手に入れてから他に誰が触りましたか?多分、その人がすり替えたんです!」
「え~と…あ!ビアンカ…は、触ってねーや………あぁ、フレアさんに渡した………いや!その前に、あの男が勝手に触りやがった!」
「きっと、その人でしょう!」
「あの野郎!フレアさんを奪っただけでなく、ゴールドオーブまで奪いやがったのか!」
「ちょっと!リュカ!フレアさんを奪うってどういう事?」
ドリスが何やら怖い顔でツッコンでくる。
「え!?いやぁ…ワ、ワスレテクダサイ。…ってか、今はそれどころじゃないでショ!」
狙ってました、なんて言えないでショ!

「で!プサン!あの男は何処へ行ったんですか?」
「それが…どうやら、あの人は別の次元から来たらしく…追う事が出来ません…多分、この世界にはゴールドオーブは無いのでしょう…」
何だよ別次元から来たって…

じゃぁ…何だったんだよ!
あんな胸くそ悪いビジョン見せやがって!
「じゃぁ、この城は水中城って事でいいですね!」
ちょいギレ気味で言い放つ。
「いえ…まだ方法はあります。エルフの女王に頼みます」
エルフの女王?
それって、もしかして…

「それはポワン様の事ですか?」
「リュカはエルフの女王に会って事があるのですか?」
やっぱり!
「以前に…」
「では、話が早い!この宝玉を持ってエルフの女王の元へ赴いて下さい」
「どうやって?」
「………以前に会ったのでは?その時はどうやって?」
………………………………………………………………………………………………………
どうやって?



 
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