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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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160部分:第十四話 袁紹、お宝を探すのことその九


第十四話 袁紹、お宝を探すのことその九

「お宝を探すのは好きですけれど」
「はい」
「ですから今も」
「しかしですわね」
 田豊と審配だけではなかった。五人を見ながら言うのであった。
「最も大切なものはそれではありませんわね」
「といいますと」
「それは?」
「民と。そして」
 そしてここからの言葉は。
 微笑んだ。そして。
「いえ」
「いえ?」
「いえ、ですか」
「何でもありませんわ」
 思わせぶりな微笑で言うだけであった。
「別に」
「えっ、何ですかそれ」
「ちゃんと言ってくれないと困ります」
 文醜と顔良がすぐに文句を言う。
「とりあえず麗羽様が御無事で何よりですけれど」
「他にあるんですか?」
「ないですわ。それにしてもここなんですわね」
「はい、そうです」
 沮授は袁紹に対しても述べた。
「この辺りなんですけれど」
「では探しますわよ。ここなら」
「はい、あの巨大な熊もいませんし」
「すぐに」
 田豊と審配が応える。こうしてすぐに周囲を探しにかかる。そこには袁紹も加わっていた。彼女も自分からも探しにかかっていたのである。
「何か麗羽様って自分がやらないと気が済まないんですか?」
「戦いの時でもそうですよね」
「美羽とは違いましてよ」
 こう文醜と顔良に返す。言葉を返しながらそのうえで小川のほとり、小石の場所を見回している。特に大きな岩が集まっている場所を見回している。
「自分から動かなくてどうしますの?」
「ですがあまり前線に立たれますと」
「それは」
 田豊と沮授がすぐに言う。
「危ないですから」
「何かあったら」
「華琳もそうしていましてよ」
「曹操殿もですか」
「だから」
「そうですわ。前線で戦うのがわたくしのやり方でしてよ」
 官渡のこともあるがどうやら実戦派でもあるらしい。そんな彼女であったが今ふと傍にあった大きな岩の一つに手をかけた。するとだ。
「えっ!?」
「なっ!?」
 何とここでだ。岩が急に動いてだ。それが崩れ落ちてそれがあった場所から噴水の如く水が湧き出てきた。そしてその水はというと。
「温かい」
「ってことは」
「これは」
 袁紹側が驚いているとだった。ここにだ。
「ここに何か反応がありますけれど」
「そうなのか」
 夏侯惇が荀彧の言葉を聞いていた。
「ここなのか」
「ええ、ここよ」
 こう夏侯惇に返す。見ればその両手の針金がそれぞれ左右に開いている。
「ここみたいだけれど」
「そうなのか。ここか」
「しかし小川の辺りで?」
「その宝って何なのかしら」
 曹操の左右を固めている曹仁と曹洪がここで話す。
「一体何があるのかしら」
「銀とか金とか?」
「食べ物だったらいいな」
 許緒は笑いながら言った。
「それだったら」
「いや、それはないわよ」
「お宝にはないわよ」
 曹仁と曹洪がそれはないという。
 
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