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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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159部分:第十四話 袁紹、お宝を探すのことその八


第十四話 袁紹、お宝を探すのことその八

「殆ど神に近いです」
「荒ぶる神です」
「そんなもの相手にはできません」
 審配は袁紹から離れない。
「ですからここは」
「とにかく逃げましょう!」
「絶対に!」
 顔良と文醜が言ってであった。
「とにかく!」
「何とかまかないと!」
「よし、こっちですわ!」
 袁紹は咄嗟にある場所に向かった。
「こっちに逃げれば」
「あっ、そっちは!」
「駄目です!」
 田豊と沮授は主の動きを見てすぐに叫んだ。
「麗羽様、いけません!」
「地図を見ればそこは」
「えっ!?」
 気付いた時にはだった。もう遅かった。
 五人も慌てて袁紹のところに向かう。するとそこは。
 足場がなかった。宙であった。そしてだ。
「えっ!?」
「つまりは」
「ここは」
 そうなのだった。何もなかった。そうしてだ。
「きゃああああーーーーーーーーっ!」
「崖ーーーーーーーーーーっ!」
 六人はそのまままっ逆さまに落ちていった。気付いた時には小川のほとりに見事に落ちていた。しかしそれで誰かが死んだかというとだ。
「皆さん大丈夫でして?」
「はい、何とか」
「生きています」
「無事です」
 こう言ながらだった。六人共起き上がるのだった。
 そしてそれぞれ周りを見渡す。そこは。
「小川?」
「そうですね」
「ここは」
「あの熊はいませんわね」
 袁紹は周りを見回しながら述べた。
「何とかまいたようですわね」
「そうですね。熊は何とか」
「まいたみたいですね」
 田豊と沮授も当然ながら無事だった。
「一時はどうなるかって思いましたけれど」
「それでも」
「まずはよしとしましょう」
 審配もいた。
「全員五体満足で」
「それで地図にここ載ってるの?」
「それはどうなんだ?」
 顔良と文醜が地図を持っている沮授に問う。
「ええ、そうね」
 沮授がその地図を見ながら二人に返す。
 そのうえでだ。こうも言うのだった。
「それにしてもね。麗羽様が御無事でね」
「ええ、そうよね」
「それはな」
 二人も沮授の今の言葉にすぐに頷く。
「若しも何かあったら」
「一番困るからな」
「そうよね」
 沮授はその袁紹を見る。彼女は今は田豊と審配が傍にいて世話をしている。その服の埃を払ったり怪我はないか必死に見ているのである。
「全く。あの戦いの時といい」
「無茶が過ぎます」
 こう言って彼女の世話をするのだった。二人共心配する顔である。
「何かあってからでは遅いですから」
「気をつけて下さいね」
「え、ええ」
 袁紹はその二人に応えてだ。そうして言うのだった。
 
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