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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第八十六話 ゾンビってやっぱり大群で来ますよね

~アーサー side~

銃の発砲音と爆発音が鳴り響く。
時々、光剣が振られる音。

「絶対に離れるなよ!」
「分かってるさ! 離れたら終わりだからな!」
「安地まで残り50メートル無いぞ! 気を抜くなよ!」

怒声が飛び交う中、ゾンビを倒しながら奥に進む。

キリト「って言うかマジでキリがねぇ!」
アーサー「泣き言言ってる暇があったら体動かせ!」

俺は二丁の銃をそれぞれの手で持って弾をばらまきながらキリトに怒鳴る。

シノン「! 後方、約300メートル先にボス確認! 急いで!」
エネ「なっ!? 出てくるの早くない!?」
「全員! 安地まで全速力! 逃げるぞ!」

その声に反応して一気に駆け出す、が、

シンタロー「・・・このままじゃ一人は犠牲になるな。」
アーサー「時間稼ぎが必要か。」
シンタロー「あぁ。 やれるか?」
アーサー「多分。 このコンテナ、地面に固定されてないよな?」
シンタロー「大丈夫だ。」
アーサー「だったら、」

そう言って一度、全員から離れて周りに沢山置かれていたコンテナの一つに近付く。

そして、

アーサー「はっ!!」

思いっきり蹴飛ばした。

蹴飛ばされたコンテナは地面を転がり、後ろから迫っていたゾンビを次々に潰していく。

アーサー「もう一丁!」

そしてもう一つ蹴飛ばす。

身体能力の高いボスは一つ目のコンテナを跳んで避けた、が、着地したところに二つ目のコンテナがぶつかった。

アーサー「よし、大成功。」

ボスは流石に死にはしなかったものの、吹き飛ばされ、さらに一つ目のコンテナと二つ目のコンテナに挟まれ身動きがとれなくなった。

そして無事に安全地帯に到着した。

「助かったぜ! アンタ、流石にオンラインゲームで最強を誇るだけの事はあるな!」

パァン、とハイタッチをする。

シノン「あれで暫くはボスは無視できるわね。」
サクマ「あぁ。 けど油断は禁物だ。」
シノン「分かってる。 本番はこれからだから。」
シンタロー「ここから先のエリアには犬のゾンビも出てくる。 犬は普通のゾンビよりも敏捷性が高いから注意しろ。」
「それじゃ、一旦休憩したら行こう。 一時的にログアウトしたい奴はいるか?」

女性陣が全員ログアウトした。

そして戻ってきて、

「よし、これから先は打ち合わせどおり、3グループに別れて行動だ。 ワクチンを見付けたら連絡と同時に撤退を開始しろ。」
「「「「「了解。」」」」」

後半戦開始だ。

3グループに別れた俺達は右左真ん中と3つある通路の内、左に入った。

通路に入って暫く進むとゾンビが出てきたがさっきよりも数は少ない。

その代わり斧とかの武器を持ち始めたが。

だが、それでも銃に勝てるはず無く、次々と消えていく。

そして暫く進み続けていると、

『こちらB班だ。 良い知らせと悪い知らせがある。』
『A班だ。 良い知らせから聞こう。』
『良い知らせはワクチンを見付けたこと。 悪い知らせは二体目のボスが出てきた。』
シンタロー「二体目? 一体目じゃ無いのか?」
『ボスのHPゲージが満タンなんだ。 GGOのMobが回復できるわけがないだろ。』
『気付かれずにワクチンを取れそうか?』
『無理だ。 まるで守ってるみたいに彷徨いてる。 ってヤバイ。 さっきの一体目も出てきた。』
『そうか。 作戦変更だ。 一旦、安地に集合。 全員で取りに行くぞ。』
『B班了解、通信終了。』
シンタロー「C班了解、通信終了。」

一言も話さずに頷くだけで互いに確認する。

そこからは全速力でゾンビを振り切り、安地に戻る。

アーサー「一番乗りか。」
キリト「みたいだな。」
アーサー「そう言えば、サクマ。 お前、武器の素材決まったのか?」
サクマ「あぁ。 ALOの双龍って言ったら分かるか?」
アーサー「あぁ。 『炎皇龍』と『海帝龍』か。 めんどくさいだろ、あのクエスト。」
サクマ「あぁ。 クエスト難易度S+、ボスは二体でS++。 確実に最高クラスの難易度だ。」
「A班帰還~、ってC班もう帰ってきてるし。」
シンタロー「どうする? B班来る前にこっちから行くか、待つか。」
フカ次郎「そりゃ行くに決まってるでしょう! 私は待つのは苦手だぜい!」
ピトフーイ「フカちゃんに賛成!」
エム「右に同じ。」
レン「わ、私もです!」
シンタロー「聞くまでもないか。 これだけ根っからのゲーマー集まってれば、そうなるわな。」

はぁ、と一息ため息をついてから立ち上がり、

「B班、こちらC班だ。 A班と共に安地にいる。 今からそっちに向かう。 現在地は?」
『こちらB班、了解した。 通路をまっすぐ進んでくれ。 その先で待つ。』
「了解。 通信終了。」

通信を終え、それを聞いて全員が動き出す。

会話は一切無く、ハンドサインやアイコンタクトだけで意思の疎通をする。

アーサー(これもVRMMOならではの醍醐味ってやつかねぇ。)

たった一時間やそこらを一緒に冒険してただけで、これまで何回も共闘してきた仲間の様に思えてしまう。
そんな現状に思わず微笑んでしまう。

そして無事にB班と合流。
施設の更に奥へと向かう。

そして最深部と思われる場所に到着すると、そこには二体のボスが居た。

「で? どうする?」
アーサー「一体は確実に俺へのヘイトが溜まってるだろうからな。 そっちは俺が囮になる。」
「分かった。 C班全員でサクッと殺ってくれ。 もう一体の方は、」
「出し抜くのはほぼ不可能だ。 一気に殺すしかない。」
シンタロー「だったらスタン弾で動きを止めた所に集中して火力をつぎ込めば良いんじゃないか?」
「OK、それだ。 スナイプは、」
シノン「私は無理よ。 対Mob用の銃じゃないから。」
シンタロー「俺もだ。 対人、対物なら持ってるが対Mobは使わないからな。 ってか、そもそもスタン弾持ってる奴いる?」

全員が首を横に振る。

サクマ「要は『計画? そんなの無ぇよ。』作戦、か。」

または当たって砕けろ、とも言う。

アーサー「取り合えず一体仕留めてくるか。」
シンタロー「だな。 囮役よろ。」
アーサー「何なら俺一人であいつ倒しても良いんだぜ?」

多分ノーダメで倒せる。

「あっ、じゃあ、頼むわ。」
レン「まあ、キツかったら時間稼いでくれるだけでも有り難いですから。」
アーサー「別に倒してしまっても構わんのだろう?」
レン「・・・死亡フラグですよ? それ。」

死亡フラグ?
何それ美味しいの?

シンタロー「本当に危なかったら即援護に入るからな。」
アーサー「いらない心配はするもんじゃないぞ?」

こーいうのが久し振りで若干テンションが上がっているのが自分でも分かる。
テンション上がっても思考は冷静でないとな。

アーサー「さーて、いっちょ殺ってきますか。」
キリト「わー、スゴいイイ笑顔。」

~side out~ 
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