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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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135部分:第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその八


第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその八

「地図は手に入りましたけれど」
「そうだな。とりあえずは道場でも開くか」
「どっかでな」
 リョウとロバートが話す。
「何処か大きな街でな」
「この幽州はちょっと人が少ないしな」
「しかも寒いし」
 ユリはこのことも気にしていた。
「だからここ以外で道場を開きたいけれど」
「道場ですか」
「ああ。それであんたはどうするんだ?」 
 今度はリョウが劉備に尋ねた。
「これから」
「お茶があればいいんですが」
「お茶?」
「はい、母にお茶を買って帰りたいと思いまして」
 にこりと笑っての言葉だった。
「黄金茶という。物凄く美味しいお茶がありまして」
「黄金茶か」
「それってこれちゃうか?」
「そうよね」
 ここで三人はあるものを出してきた。それは。 
 黄金の葉だった。まさしくそれこそはだった。
 劉備はそれを見てだ。思わずその目を大きく見開いて言うのだった。
「あっ、これです」
「これか」
「これやったんやな」
「何処で売ってたんですか?」
 劉備はその驚いた顔で三人に問う。
「こんな高価なのが。一体何処に」
「ああ、何か青州ってところでな」
「そこで買ったのよ」
 リョウとユリが劉備に説明する。
「あそこはかなり賑わっていてな」
「それで買ったんだけれど」
「そこでなんですか」
「ああ。丁度何か張三姉妹っていうアイドルグループか?」
「この時代やと旅芸人やろ」
 リョウとロバートはある三人のことも話した。
「その催しがやっていてな」
「そこで手に入ったんやったな」
「あっ、張三姉妹ですか」
 劉備はその名前を聞くと顔を晴れやかなものにさせて述べた。
「今大人気の旅芸人ですよね」
「ああ、知ってたんだ」
 ユリは劉備の今の言葉を聞いて述べた。
「劉備さんも」
「はい。何か歌も踊りも楽器も凄いらしいですけれど」
「確かにな。バランスはいいな」
「そやな」
 リョウとロバートもそれを認める。
「俺達の時代でも充分通用するな」
「日本向けやな」
「そうね。CDとかあったらかなり売れるわよ」
 ユリも言う。
「あの三人だと」
「CD?」
「ああ、俺達の世界の話だ」
「気にせんといてや」
 劉備にこのことは話さなかった。話せばそれだけ長くなるし難しい話だと思ったからだ。それでこれ以上のことは言わないのだった。
 そしてだ。三人はここでその黄金茶を劉備に対して差し出したのだった。
「ほら、これ」
「あげるで」
「えっ、けれど」
「いいんだよ。今の俺達にはあまり飲む機会がないものだしな」
「そやからええで」
 リョウとロバートはにこりと笑って述べた。
 
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