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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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130部分:第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその三


第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその三

「貴女この国の人ですよね」
「はい、そうです」
 少女はこうユリに対して答えた。
「その通りです」
「そうなのね」
「貴方達は違うんですか?」
「それやけれどな。ここ何処なんや?」
 ロバートがいぶかしむ顔で少女に対して問うた。
「それが気になるんやけれどな」
「ここ、ですか」
「そうだ。ここは何処なんだ?」
 リョウも少女に対してこのことを問うた。
「一体どんな国なんだ?中国らしいが」
「中国?」
 少女は注文したお茶を両手に持ちながら少しきょとんとした顔になった。
「何処ですか、そこは」
「俺達はアメリカから来たんだが」
「知らないかしら、アメリカ」
「アメリカ?」
 少女の顔はさらにきょとんとしたものになった。
「はじめて聞く名前ですけれど。国ですか?」
「おい、まさかこの娘」
「そうよね」
 リョウとユリがここで顔を見合わせて話をはじめた。
「どうやらアメリカを知らないらしいな」
「中国も知らないの?」
「ここは漢って国ですけれど」
 こう話す少女だった。
「それで幽州っていいます」
「ああ、漢かいな」
 ロバートがここで頷いた。
「それで幽州なんやな」
「はい、そこです」
「やっぱりめっちゃ昔やな」
 ロバートはそれはよくわかった。
「ここは」
「昔?」
「まずわいから名乗るで」
 ロバートは自分からそうすることにした。
「わいの名前はロバート=ガルシアや」
「俺はリョウ=サカザキ」
「ユリ=サカザキよ」
 後の二人も名乗ってみせた。
「気付いたらこのサウスタウンからこの世界に来ていた」
「これはどうしてなの?」
「あの、ええと」
 言われながらきょとんとする少女だった。だが彼女もここで名乗るのだった。
「私は劉備玄徳といいますけれど」
「劉備!?」
「劉備っていったら」
 ここから話は本題に入るのだった。三人と劉備はお互いについての話をはじめた。劉備と三人はお店を出てそのうえで道を歩きながら話していた。
 その中でだ。リョウがその少女劉備に対して言うのだった。
「そうか、ここはそうした世界か」
「はい、そうなんです」
「わい等の世界とは全然ちゃうな」
 ロバートも言う。
「何もかもがやな」
「そうよね。別の世界なのね」
 ユリも言う。
「本当にね」
「そうなんですか。それで貴方達はアメリカっていう国から来て」
「ああ、そうなんだ」
 答えたのはリョウだった。
「実はな」
「わかりました。それでなんですけれど」
 劉備がおっとりした口調で三人に問うた。
 
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