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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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104部分:第十話 張飛、また馬超と会うのことその三


第十話 張飛、また馬超と会うのことその三

「路銀手に入るわよ、姉様」
「そうだな、蒲公英」
「その声は」
 張飛の覚えている声だった。それを見ると。
 馬超がいた。そしてその横には小柄で可愛らしい少女がいた。白い半ズボンにオレンジの上着、肩と手の覆いは黒だ。茶色の髪を左で縛っている。明るく利発そうな顔をしており目は茶色である。
 その少女を見てだ。張飛は少し怪訝な顔になり尋ねた。
「御前は誰なのだ?」
「馬岱です」
 少女は明るく名乗ってみせた。
「馬超姉様の従妹なんです」
「あたしあれから涼州に帰ってさ」
 馬超が事情を話してきた。
「母ちゃんのことな。そうしたら一族も納得してくれてな」
「殆どの人はそのまま残って袁紹さんにお仕えしたんですけれど」
「あたしとこいつはさ。それも何かって思ってさ」
「武者修行をしています」
「そういうことさ。宜しくな」
「そうだったのだ」
「まあ路銀には困ってるな」
 このことも言う馬超だった。
「それで大食い大会にはな」
「鈴々も出るのだ」
「まあ優勝するのはあたしさ。食べる方にも自信があるんだよ」
「姉様ったら凄いのよ」 
 馬岱が両手を拳にして語る。
「もう馬みたいに食べるんだから」
「それって褒めてるのか?」
「一応は」
 こう従姉に返す馬岱だった。
「褒めてるつもりよ」
「そうか?」
「そうよ。私はあまり食べられないから」
 出ないというのだ。
「姉様、頑張ってね」
「負けないさ、絶対にな」
「それは鈴々の台詞なのだ」
 張飛も強気で返す。
「何があっても」
「よし、勝負だ」
「それならなのだ」
 こうして大食い大会に出た。二人はあらゆるものを凄まじい勢いで食べていく。
「ラーメンに水餃子に豚足に」
「焼売に炒飯、メニューも多いのだ」
「しかしな」
 馬超がここで言う。
「あたしは食べることで負けたことはないんだ!」
「鈴々もなのだ!」
 二人は横に並んで座って貪っていた。
「絶対に勝つ!」
「負けないのだ!」
「さあ、いよいよ最後のメニュー!」
 食べているうちにであった。今は唐揚げを食べていた。その前は青梗菜であった。とにかく何でも貪っている二人であった。
「饅頭です!」
「むっ、饅頭!?」
「大好物なのだ!」
 二人はそれを聞いても動じていない。
「それならな」
「どんどん来るのだ!」
「姉様頑張れ!」
 観客の席から馬岱の声がする。
「おしっこは漏らしても食べることは残すな!」
「おしっこは関係ないだろ!?」
 すぐにむっとした顔で返す馬超だった。
「全くよ」
「姉様は着替えるともう凄く奇麗なんだよ」 
 馬岱は勝手にそんな話もした。
「ワンピースとゴスロリも凄いんだから」
「ああ、そういえばそうだよな」
「あの娘かなり可愛いよな」
 他の観客達も馬超の優れた容姿を見て言う。
「スタイルもいいしな」
「美人だよな」
「そうよ。セーラー服もブルマもビキニも」
「この時代そういう服あったのかよ」
 誰かが突っ込みを入れた。
「どういう世界なんだ?」
 見れば白い髪に赤い服と白いズボンの逞しい男である。
 
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