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勇者指令ダグオンA's 風の詩

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第二話 戦う決意

 
前書き

ストームバンディット

バイクタイプのダグビークル。


ダグストーム

楓とストームバンディットが融合合体した姿。母体がバイクの為通常の融合合体に比べると小型であることが特徴。

全高   5.8m
重量   19t
走速度  370.0km/h
跳躍力  175m
最大出力 29000ブレイブパワー

必殺技  ストームディバイダー
  

 

「ダグオンが現れた?」

時空管理局では宇宙人の再来・・・そしてダグオンの再来に驚いていた。

「これが目撃されたダグオンです・・・あと」

画面に表示される楓。

「彼女は?」

「元魔導師・・・南楓・・・訓練中に魔力が暴走しその後行方をくらます・・・彼女がこの事件の生き残りだ・・・」

「彼女は今は?」

「まだ風鈴山に居るはずですが・・・」

「彼女の保護をお願いします」


第二話 戦う決意


風鈴山

「・・・・・」

楓は一人焼け焦げた道場の整理をしていた。他の門下生はどうなったか分からない。

長い髪を下ろし久しぶりに私服に着替えた楓は左腕のダグコマンダーを見つめた。

「・・なんで私にダグコマンダーが与えられたんだろう・・・」

自分はダグオンには相応しくないそう思った。

「私は救世主なんかになるつもりは無いのに・・・」

風太郎から渡された1枚のメモを見た。



宇宙人の襲撃を回避した楓に風太郎と玄は・・・

「・・・・・・・・・・・・」

「姉ちゃん・・・行くところあるの?」

「・・・ない・・・家には帰れないよ・・・」

楓は風太郎に空元気で答えた。

「大丈夫・・・何とかなるよ♪」

「楓さん」

「玄さん・・・」

「良かったら家に来ないか?」

「玄さんの家に?」

「家もちょっと訳ありでね・・・大丈夫、一人増えたって大丈夫さ」

そして風太郎からメモを貰った。

「・・・よし」

他に行く当ても無い楓は霧島家に向かうのだった。

ふもとで山に向かって礼をすると

・・・バスに乗り・・・

・・・電車に乗り・・・

・・・また歩いた・・・

ただ心にポッカリ穴が開いた気分になっていた。


「・・・着いた」

楓が辿り着いたのは大きな施設だった。とてもじゃないが一般の民家ではない。

「・・・養護施設『霧島園』?ここが玄さんの実家?」

楓はインターフォンを鳴らすと霧島園の中に入った。

「いらっしゃい!!」

「お世話になります」

玄が楓を迎え入れると風太郎が楓を子ども達に紹介した。

「みんな集まれ!!」

『はああああい!!』

「みんな!新しい家族だ!」

「南楓です!宜しく♪」

『よろしくお願いします!!』

子ども達の元気の良さに楓は思わず笑ってしまった。

「ねえ!お姉ちゃん遊んでよ~」

「え!うん何する?」

「人形遊び!!」

「鬼ごっこ!!」

「分かった分かったみんなやろう~」

これをきっかけに楓の新しい生活が始まった。

「・・・!!・・・!!」

何やら真剣な目つきで玉ねぎ切っている楓。今回の食事当番だった。

「姉ちゃ~んご飯まだ~?」

「ごめん!今ちょっと真剣なの!」

「ふぁ~い手洗ってくる」

「ええっと・・・よっと・・・ふ~」

大体切り終えた楓は一息付くと炒めて水を張った鍋に投入した。独り身ならその辺の有り合わせで済ませるが人に食べさせるものとなるとちゃんとした物を作らなければならない。

「ふ~何とかできたな~」

野菜たっぷり肉たっぷりの栄養満天のカレーを作った楓。器に盛ってお盆に載せて食卓に運ぶ。

「姉ちゃん!腹減った!」

「お腹すいた~」

「ごめんごめん!」

「それじゃみんな席に着いたかな~」

「「「「は~い」」」」

玄が食前の挨拶をすると一斉に食べ始めた。

「うわ!おいしい!」

「うん!姉ちゃん来てからレパートリーが増えたよね」

「お!良くそんな難しい言葉知ってるね」

と言って自分の大盛りカレーをがっつく楓だが・・

「あれ?風ちゃんピーマン食べないの?」

「俺ピーマン嫌いだし・・・」

「好き嫌いは良くないよ~」

「んじゃ~姉ちゃんが口移しで食べさせてくれるなら食べる~」

と風太郎は冗談を言ってみるが・・・・

「良いよ♪」

「は!!」

「私のチューで食べてくれるならいくらでもチューしてあげるよ♪」

「た!食べる食べる!!」

慌てる風太郎。楓なら本当にやりかねない・・・感覚がずれているようです。

「姉ちゃん~人形壊れた~」

「自転車欲しい~」

「はいはい。後で御飯終わったら直してあげるし作ってあげるから」

「て!姉ちゃん自転車作れるんかい!!」

「うん!本気になれば発明少年に出てきた竹で出来た自転車も作れるよ♪」



「ええっとここで・・・」

廃材を熱して溶接して塗装して・・・ハンドメイドでちょちょいのちょいと自転車を作った楓。

「次は・・・パテ盛って・・・塗装して・・・」

と人形の壊れた部品を手作りで再現し完全にした。

「さてと・・・お仕事は山積みだ~」

と言って子ども達が楓に頼んだ様々な事を楓は寝ずにこなすのだった。


翌日

「なんじゃこれ・・・」

風太郎は唖然としていた。みんなが楓に頼んでいた無茶な要求を楓が全てこなした事に・・・

「・・・確かにベッド直せって言ったけど」

「タンスの立て付けが悪いから直してとは言ったし」

「穴の開いた鍋修繕してくれとも言ったけどさ・・・」

子ども達は楓の万能性に驚いています。因みに本日は休日で楓は油まみれで寝てます。

「姉ちゃん・・・」

「ZZZZZZ」

「姉ちゃん脂臭いよ・・・てえ!!」

突如寝ぼけた楓に抱き寄せられる風太郎。抱き枕とでも思ったのかイビキかいて寝てます。

「ガアア!ガアアア!!」

「姉ちゃん!放せよ!脂臭いよ!!」

よっぽど疲れたのか楓は寝てます。そして風太郎が解放される頃には風太郎も油臭くなってしまった。

「ふ~気持ちよかった~」

朝風呂に入る楓。しかし風呂も時間が決められている為ドラム缶沸かしてはいりました。因みにランニングシャツ一丁です。

「姉ちゃんみっともないよ」

「あははは・・・どうも1人暮らしの感覚が抜けなくてね~気をつけるよ」

集団生活において自堕落な生活は許されない。楓は身の回りのことに注意をするのだった。

「買い物!ゴー!!」

と言って子ども達と夕飯の買出しに出かける楓。楓のテンションに付いて行けない子ども達だった。

「なんかとんでもない姉ちゃんが着たかもね」

「う~んけど・・・悪い人じゃないよね~」

「悪魔って絶対嘘だよね」

と子ども達が首を振ったその時。



空が曇った。

「え?なに?」

楓が空を見上げると巨大な海賊船のような物が浮いている。

「みんな!逃げて!」

「え?」

「はやく!!」

ヤバイと思った楓は避難を要請するが時既に遅し・・・海賊船から宇宙人が降り立った。

「見つけたぜ・・・ダグオン!!」

(・・・狙いは私か)

子ども達にしがみ付かれながら楓は身構える。

「!!あなた達は!?」

「俺達は宇宙海賊・・・『ゾーマ』!!」

「ゾーマ・・・」

「そして俺は船長のゾルバ・・・ダグオンを殺して賞金をガッポリ貰おうって・・・な!!」

ゾルバが目の前の子供・沙耶を掴み上げた。

「お姉ちゃん!!」

「沙耶ちゃん!!」

「へっへっへ・・・さあって・・・楽しませてくれよ!!」

ゾルバが沙耶を楓に投げつけ楓がキャッチすると楓を斬りつけた。

「く!!」

咄嗟に回避する楓だがジャケットの端が切り裂かれた。

「にげて!」

「うん!」

楓は沙耶を逃がすとゾルバに向かって構えた。ゾルバの剣を回避し蹴りを入れるが全く効いていない。

「どうした?魔法は使わないのか?」

「なに!」

「だったら変身したらどうだ!!」

「ぐああ!!」

ゾルバの一閃に今度はアンダーシャツが切り裂かれた。あと一歩踏み込まれたら確実に致命傷だ。その時。

「なに!がああああ!!」

楓の溝に重い拳が突き刺さった。溝を押さえながら倒れこむ楓。そして滅多打ちになっている。

「姉ちゃん!!」

そのまま髪の毛を掴まれ持ち上げられる血まみれの楓。

「ふん!貴様のような奴がダグオンとはな・・・」

「ぐ!・・う!」

「良いだろう・・・貴様を殺し・・・その後でガキどもを殺す!!覚悟するんだな!!」

「お姉ちゃん!!」

沙耶が泣き叫んだその時

「!!」

楓はベルトからナイフを取り出し自分の長く黒い髪を切り裂きゾルバから脱出した。

「な!」

「はああああああああああああ!!」

楓の髪が舞う中、楓の蹴りがゾルバを吹き飛ばした。

「姉ちゃん!!」

「ふぅ・・・スッキリした!!」

ショートヘアになった楓はゾルバに向かって構えそのまま飛び掛り場所を移した。

「・・・私は・・・救世主なんかになるつもりは無い・・・けど・・・目の前で泣いてる子を守れるなら!!」

楓はダグコマンダーを翳した。

「トライダグオン!!」

楓のダグコマンダーが起動すると翡翠色のダグテクターが構築されフルフェイスのマスクが装着される。

「ストーム!カエデ!!」

「ほぉ・・・やっとなったか・・・ダグオン!!」

ゾルバの攻撃を楓はかわした。

「ストームバンディット!!」

楓のコールに駆けつけるストームバンディット。

「うおおおおおおおおお!!」

「ぐう!!」

ストームバンディットの体当たりを受けるゾルバだが、そのまま楓をストームバンディットごと投げ飛ばした。

「うあああああ!!」

「ふん!世界を救ったダグオンがその程度か!!」

「だったら!!」

楓はストームバンディットから飛び降りるとゾルバに一撃を入れた。

「ぐふ!!」

「はあああ!!」

ゾルバが怯むと楓はゾルバをよじ登り腕に関節技を入れた。

「でああああああああああ!!」

鈍い音と共にゾルバの間接が折れ、更に体重をかけてゾルバを倒し再び関節を折った。

「ぐああああ!!」

ゾルバは力技で楓を引き剥がすと折れた腕を押さえ楓と対峙した。

「へっへ・・・やるじゃねえか!おめえら!!相手してやれ!!」

撤退するゾルバの号令で飛来する海賊船。楓は再びストームバンディットに乗り込んだ。

「融合合体!!」

ストームバンディットが人型になると楓と一体化し瞳が淡い緑に光った。

『ダグストーム!!』

ダグストームはそのままストームガードを投げた。

『疾風合体!!』

ダグストームを中心にガードクーガー、ガードジャガーが脚部パーツになり獣の頭部が外れダグストームの足に装着された。

『キエエエエエエエエエエエエ!!』

ガードファルコンの咆哮と共に頭部と翼が外れ上半身に変形するとダグストームの上半身に覆いかぶさった。拳が展開され頭部が展開し瞳が淡い緑に光った。

『ストームダグオン!!』

嵐が起こると海賊船から敵機が発進され本船は撤退した。

『ハヤテ!!』

ストームダグオンは羽ばたくと小太刀・ハヤテを抜くと敵機に斬りかかった。

『ぐ!!』

敵機から攻撃される。途轍もなく数が多い。ストームダグオンは敵機を引きつけ無人地帯に誘い込んだ。

『!!』

ストームダグオンが無人地帯に下りた時障害物など一切無いかっこうの的だった。しかし

『すぅぅ・・・』

ストームダグオンが深呼吸すると緑色のベルカ式の魔方陣が展開された。するとストームダグオンの身体から凄まじい魔力が噴出した。

『ぐ・・・う・・・』

あまりの魔力にストームダグオンの身体が耐えられない。

(・・・だめ・・・全然制御できない・・・けど・・・これしかない!!)

だがストームダグオンは魔力の放出を止めない。

『ギ!シャアアアア!!!』

敵軍がストームダグオンに襲い掛かったその時・・・


魔力が爆発した。




「・・・これは」

報告を受け魔力跡に駆け付けた管理局員・ウイリーが現場検証の中・・・爆発の中心で倒れている楓を見つけた。












「・・・ここは?」

楓が目を覚ますと見知らぬ部屋に居た。だが機材などから楓は推測した。

(ああ・・・そうか・・・管理局に捕まったんだ・・・)

「目が覚めたかい?」

部屋の扉が開くと楓を保護した局員。ウイリーが入ってきた。

「あなたは?」

「ウイリー・グレン・・・時空管理局員・・・時間犯罪部署所属の一佐だ・・」

「子ども達は!?」

「安心してくれ・・・みんな無事だよ」

「良かった~」

一息入れる楓だが・・・ウイリーは楓をじっと見た。

「あの魔力爆発は君か?」

「・・・はい・・・」

「・・・君は危険だ」

「・・・・・・・」

ウイリーの言葉に楓は無言になる。今までそうやって爪弾きにあってきたが・・・ウイリーから意外な言葉が出た。

「・・・君は・・・管理局に入る気はないか?」

「え?」
「・・・ちゃんとした訓練を受ければ・・・もしかしたら君の力をコントロールできるかもしれない・・・君を時空管理局の監視下と称して私達の保護下に置く・・・」

「・・・それって・・・・」

「・・・君には管理局員になってもらう」

その言葉に楓は・・・

「・・・分かりました」

正直楓は何を信じていいのか分からなかった。

宇宙海賊の襲来

だがこれは夢ではない

突如手に入れた強大な力で子ども達を守り抜く

楓はそう誓いダグコマンダーを見つめた。






 
 

 
後書き
私が管理局員に・・・部署は・・・陸士部隊?早速の任務は・・・え?ロストロギアの捕獲?このロストロギア・・・復活の呪文?
次回!勇者指令ダグオンA’s 風の詩 パワーストーン
誰?あなた?

 
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