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Blue Rose

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第四十九話 受験の後でその十二

「絶対に」
「ステーキとか豚カツだとワインね」
「赤だな」
 ワインの種類にも言及した。
「飲みたくなるな」
「けれどよね」
「ああ、今日は飲まないぜ」
「二日酔いとかになったらテストに問題があるしね」
「それは親父にもお袋にも止められてるけれどな」
 だからというのだ。
「飲まないさ、絶対に」
「そうしてね。あと食べ過ぎも」
「本当はか」
「よくないから」
「わかってるけれどな」
「三枚ずつなのね」
「食うつもりだよ」
 些細だが強いこだわりだった、実は龍馬はおおらかだがそうした食べることについてはわりかしこだわるところがあるのだ。
「ソースかけてな」
「ううん、何かお話聞いてたら」
「御前も食いたくなったか」
「かなりね」
「たっぷり食えよ、アメリカ人みたいに」
「アメリカ人みたいって」
「ああした感じで盛大に食えよ」
 やはり笑って言う龍馬だった。
「学校のアメリカから来てる奴も大抵そうだしな」
「そうだったわね、というか外国から来てる人はね」
「大抵の奴がかなり食うからな」
「日本人よりもね」
「そうなんだよな」
「どうも日本人は少食らしいから」  
 俗にそう言われていて実際にそうらしい、同じ体格であっても日本人とアメリカ人では食事の量が違うという。
「世界的に見て」
「それ言われるよな」
「そうよね」
「何かとな」
「カロリーの摂取量も違うし」
「だよな」
「そのせいか痩せてるっていうけれどな」 
 統計でもかなりの痩せ型と出ている、ただし個人差がある。
「食う量は少ないか」
「そうみたいね」
「いいか悪いか別にしてな」
「そうね、あと龍馬赤本は」
「入試のか」
「それはやった?」
「やったよ、経済学部のな」 
 それをとだ、龍馬はこれまたすぐに答えた。赤本とはそれぞれの大学の学部の入試問題の過去問を集めたものだ。五年分まとめられている。
「去年のと一昨年のもな」
「七年分したの」
「先生に過去問は五年以上やった方がいいって言われてな」
「そうだったの」
「それでやったよ、ここ五年のは三回やったな」
「それはかなりね」 
 優花も聞いて頷いた。
「私も文学部の赤本したけれど」
「七年分はか」
「五年分よ、それも二回よ」
「御前はそうか」
「同じ問題集は何回もするけれど」 
 学校の勉強で成績がよくなる秘訣の一つだ、同じ問題を何度もしているとそれが成績の上昇にいいのだ。 
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