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王様の道楽

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第二章

「食べものを冷やすと腐りにくいな」
「はい、それは」
「なら生のお魚を氷で冷やしてだ」
「そして、ですか」
「整備した道を使って素早く進んでだ」
「馬を使ったりして」
「そうして運んではどうか」
 こう言うのでした。
「そうすれば」
「確かに。そうすれば」
 大臣も王様のお話を聞いて言いました。
「山の方にもですね」
「お刺身を届けられる筈だ」
「あくまで急げばですが」
「では道を整備するのだ」
 王様はすぐに命令しました。
「そしてだ」
「魚を速く運べる馬、いや多く運ぶ為の馬車をだ」
 それをというのです。
「置くのだ」
「そうされますか」
「そうすれば山の方でも新鮮なお刺身が食べられる」 
 王様は言いました。
「そうしよう」
「わかりました」
 こうしてでした、漁港から山の方の街や村にまで道が整備されてです。冬の間に氷が造られて氷室に置かれてです。
 馬と馬車も用意されてでした、漁港で獲れたお魚が山の方にも運ばれる様になりました。こうして山の方でもお刺身等が食べられる様になったのです。 
 そしてその道や馬車も使ってでした、山の方の牧場や山からです。
 新鮮なミルクやお肉、山の幸も海の方に運ばれるのでした。お魚と同じ様に。その状況も見てでした。王様は言いました。
「これもいいことだ」
「はい、海から山にお魚が行けば」
「山から海にもだ」
「新鮮な牛乳や山の幸が届けられますね」
「全くだ、それでだが」
 王様は今はワインを飲んでいます、それで今度はこう言うのでした。
「このワインもかなり美味しいな」
「はい、先程からごくごく飲まれていますね」
「このワインは是非だ」
 それこそというのです。
「国民の皆が飲むべきだ」
 だからこそというのです。
「葡萄を植えよう」
「それでは」
 大臣も応えてでした、そうして。 
 今度は国のあちこちで葡萄が植えられてワインが造られました、勿論葡萄自体も食べられてです。
 国民の皆はワインと葡萄自体も楽しめる様になりました、そしてワインが発酵してお酢になったのですが。
 そのお酢を使ったお料理を食べてです、王様は今度はこう言いました。
「お酢も造るのだ」
「ワインからですね」
「これまで以上にだ、そしてだ」
 そのうえでというのです。
「国民にお酢を使った料理も食べてもらう」
「今度は」
「そうだ、これも美味い」
 王様は今はキャベツの酢漬けを食べています、お肉も食べていますがこちらもとても美味しくて言うのです。 
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