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仮面ライダー555 夢を持たない化け物

作者:希楽 絶牙
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第8話 アーシアの過去、初めての友達

 
前書き
皆さんこんにちは。最近何もやる気がおきない
希楽絶牙です。小説を書くのはやはり難しいと
最近改めて思いました。
それでは、本編をどうぞ。 

 
「お邪魔しまーす……。」

俺は扉を開け、教会の中に入る。意外と綺麗で、
赤い長椅子がいくつも並べられていた。

「ふふっ、そんなに畏らなくて良いですよ。」

「いやー、つい癖で……。」

「こちらに座ってください。」

「あぁ、それじゃあ、失礼して……。」

俺は長椅子に座る。アーシアは俺の隣に座った。

「すみません。お礼といっても、大したお礼は
出来ないんですが……。」

「お礼なんていいよ。当然の事をしただけだ。
俺がここに来たのは、アーシアに聞きたい事
があるからなんだ。」

「私に聞きたい事……?一体何ですか?」

「アーシア。何か悩みとかないか?」

「え……?」

「アーシアはさっき、あの怪我を治す力を、
神様から頂いた素晴らしい力と言っただろう?
でも、そう言ったアーシアは悲しそうな顔を
していた。もしかして、その力のせいで何か
嫌な事があったんじゃないのか?」

俺がそう聞くと、アーシアは先ほどの様な悲し
そうな顔になり、涙を流し始めた。

「ご、ごめん!嫌な事聞いちゃったか!?」

「い、いえ……。すみません……。」

「良かったら、俺に話してくれないか?言い
たくなかったら、言わなくても良いが……。」

「いえ、大丈夫です……。聞いてくれますか?」

「もちろんだ。」

そしてアーシアは、自分の過去を話し始めた。

「私、生まれてすぐに親に捨てられたんです。
ヨーロッパの小さな田舎町の教会の前で泣いて
いたそうです。私はそこで育ちました。八つの
時です。怪我をして死にかけた子犬が、教会に
迷いこんできました。私は、一人で必死に祈り
ました。その時、奇跡がおきたのです。」

「それからすぐ、私は大きな教会に連れていか
れ、世界中から訪ねてくる信者の病や怪我を
治すよう言いつかりました。私は、自分の力が
人々のお役にたてる事が、本当に嬉しかった。
そんなある日、怪我をして倒れている男の人に
出会いました。でも、偶然出会ったその人は…」

『悪魔を治療する力だと!?』

『魔女だ!』

『悪魔を癒す魔女め!』

「悪魔も治療出来てしまう力を持つような者は、
異教徒だと……。」

「……何だよ、それ……。」

俺は拳を握りしめずにはいられなかった。

「でも、私は神の祈りを、感謝を忘れた事など
ありません。まして、あの方たちがみんな、
あんな酷い事をしているなんて……。」

「…………。」

「……きっとこれも、主の試練なんです。この
試練を乗り越えれば、いつか主が私の夢を
叶えてくださる……。そう信じてるんです。」

「……夢?」

「たくさんお友達が出来て、お友達と一緒にお
花を買ったり、本を買ったり、おしゃべりした
り…そんな夢です。私、友達がいないので…」

「……なら、俺と友達になろう。」

「え?」

「そんな残酷な試練を与える主の代わりに、俺
がアーシアの夢を叶える。一緒に花を買おう。
一緒に本を買おう。いっぱいお喋りをしよう。
また、たわいない話をして笑い合おうぜ。」

「で、でも……。絶牙さんにご迷惑が……。」

「俺はアーシアと友達になりたい。それとも、
こんな奴が友達だったら嫌か?」

「い、いえ!そんな事ありません!」

「……なら、俺と友達になってくれるか?」

「……はい。喜んで!」

こうして俺たちは、友達になった。



 
 

 
後書き
ここまで読んで下さった方々、本当にありがとう
ございます。小説家になろうに投稿されている
小説を見たのですが、何故こんなに面白い話が
書けるのだろうと、羨ましく思いました。 
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