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Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画

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ギルガメッシュ襲来


 少し戻って衛宮家での美遊。
 何かとウィスパードして、自分やお兄ちゃん周りの人間関係を破壊したり、イリヤとの友情まで破壊して瓦礫にしてアンリマユしてしまった実情や意向を聞き出そうと、クロエと対決するために部屋を訪れた美遊。
「クロエッ」
「ん~~~~~っ」
 怒鳴り込んで2,3回グーパンを入れてからマウントしてボッコボコにしてから事情を説明させようとした美遊だったが、ドアの陰に隠れていたクロエに、以前のようにディープキスされて魔力を吸われた。
「んんんっ、ぷはっ」
 逆にベッドに押し倒されて、クロエにマウントされてしまった美遊。
「うふふ、ごめんね、イリヤと美遊の「お兄ちゃん大好き病」を治してあげようと思ったのに、逆効果だったわ」
「にゃ、にゃにを言ってるのかにゃ、お、お兄ひゃん大好きりゃなんて」
 兄にベタベタの美遊だが、自分は兄に甘えているだけで、大好きなのは周囲にバレていないと思い込んでいる気の毒な子。
「小さい頃の「パパのお嫁さんになる~~」だとか「お兄ちゃん大好き~」なんてね、冷めてからは赤面物で、もしビデオなんか発掘されると再生できる機械もテープも破壊してしまうわ」
 言っていることは事実なのだが、自分も同じ穴の貉でry なのは隠して、イリヤと美遊のためと言い切ったクロエ。
「貴方ももう気が付いてるわよね? 士郎さんは聖杯に願うとき「妹の美遊と添い遂げて、永遠に結ばれたい」とは願わなかったのよ」
「ひいっ!」
 一番恐れていた答え「士郎の本当の気持ち」を聞かされて、耳を塞いで逃げ出したくなったが、腕はクロエに押さえられてしまい、逃げられなかった。
「聞きなさいっ! そう、士郎さんは「妹が自由に暮らせる世界、友達ができて一緒に子供らしく遊んで、自然に過ごせる世界」を望んだのよっ、もう美遊は本当の妹だからっ、士郎さんは妹と結ばれるような未来は永遠に来ないって知ってるのよっ!」
 一番聞きたくなかった未来予想を聞かされ、悲鳴を上げて逃げ出そうとしたが、クロエからの死刑判決を聞かされてしまい、大粒の涙を浮かべて本気で泣き出してしまった。
「イヤアアアアアアッ!」
 全力で逃げ出そうとする美遊を押さえつけ、親友としてのビンタを入れて、泣いている美遊を大人しくさせる。
「ちゃんと聞いてっ、苦しくてもそれが事実なのよ」
 上にいるクロエが綺麗な涙をスッと流し、話している内容が本当で「自分も同じ思いを共有している親友」だと目で語った。
(ク、クロエ……)
 美遊の胸に顔を隠し、悪魔の笑顔で微笑するクロエ、当然そんなことは欠片ほども思っていなかった。
「この間、イリヤにも同じ事を言ったわ、それは鏡の中の自分に言っているのと同じっ、こっちの世界のお兄ちゃんはアタシを妹としてしか見ていないわっ、もちろんイリヤだってっ!」
 もう美遊よりガチ泣きして、親友?に芝居の上での熱い涙を落とし続けるクロエ。目で「貴方の苦しい思いは、この私が一番よく知っているのよっ!」と言う顔で泣いた。もちろんウソ泣きで。
「ああっ、クロエッ、クロエッ、貴方も同じっ」
 親友?同士で抱き合って、熱い青春の涙を流し合いながら親友?を抱きしめる。
「でもね、異世界のお兄ちゃんは貴方の事をどう思っているかしら?」
 美遊の肩に顔を隠し、耳元で悪魔の囁きをしてやるクロエ。
「ヒッ!」
 チョロ過ぎるイリヤとか凜やアンジェリカより、真面目で頑なで、人の意見などで自分を変えるはずがない少女は、クロエの囁きで簡単に堕ちた。
「もう向こうの世界の士郎さんは美遊の本当のお兄さんなの、実の妹と結婚しようって人は居ないわよね? でもうちのお兄ちゃんは美遊の事可愛いって言ってたわ」
 悪魔に魅入られてしまい、何かガタガタ震えながら、病んだ目で頷き続ける美遊。
「妹にできた初めての親友、クラス変え程度では決して別れ別れになりそうにない、異世界での同一人物、同じように体の中に聖杯を持っていて、うちのパパやママの願いさえ叶えられる運命の少女。美遊、貴方はうちのお兄ちゃんを攻略できる最短コースにいる運命の相手なのよっ!」
 美遊の中からも、何かガビーンとか擬音が聞こえて、異世界の士郎さんスイッチがONに、シーケンス回路の安全装置でもお兄ちゃんスイッチを諦めてOFFにガッチリと切り替わった。もう愛の過電流でオフになるまで、美遊の愛は異世界お兄ちゃん一択になった。
「後でイリヤとも仲直りして、アタシは身を引くわ」
「どうしてっ? クロエもお兄ちゃんがっ」
「いいのよ、お兄ちゃん大好き病なんて、後で思い出したら、顔から火が出るものよ」
 クロエはとても悲しそうな表情で笑った。心の中ではチョロ過ぎて免疫のない美遊を見て「流石異世界の同一人物」と思いながら爆笑していた。
「ああっ、クロエッ、私の大切な親友っ」
 騙されているとも知らず、美遊も本気泣きしてクロエを抱きしめた。

 エーデルフェルト
 オーギュストと共に家に帰って来たルヴィア。凜が口からエクトプラズムを吐いて倒れていたのは無視して、お向かいに行っていたはずのイリヤ、クロエ、美遊や、アンジェリカと凜の母も帰っていた。
「さあ、仲直りして、二人とも」
「ごめんなさいっ、美遊~~~っ」
「いいえ、私こそ、イリヤ、クロエ、貴方たちの気持ちも知らないでっ」
 何故か美遊とイリヤが泣きながら抱き合って仲直りしているようで、美遊の様子もユデダコなので、またクロエが何か囁いて美遊も壊したように思えた。
(クロエ、恐ろしい子……)
 また月影先生の髪形になり、少女漫画特有の白目を剥いて驚いているルヴィア。
 目の前で凜が堕ちたのを見せられ、ロードエルメロイも陥落、アンジェリカは元からクロエの言いなり、桜も異世界士郎も陥落、自分はロードエルメロイと、もしかすると婚約。
 残っているのはギル様とオーギュスト、この世界のロードエルメロイまで来ているのは知らず、カナダ人夫妻も、イリヤや士郎の親友知人もクロエに呼ばれてしまったのも、綺糺が来てしまうのも知らないルヴィア。
 この後何人がアンリマユされてカレー堕ちして人生も踏み外す犠牲者が出るのか、クロエの心の病み?を知らない者達は、恐れて待つしかなかった。

(妹にできた初めての親友、クラス変え程度では決して別れ別れになりそうにない、異世界での同一人物、同じように体の中に聖杯を持っていて、うちのパパやママの願いさえ叶えられる運命の少女。美遊、貴方はうちのお兄ちゃんry)
 いつものクロエの嘘に嵌り、美遊の頭の中でもグワングワンとエコー有りで繰り返し再生されていた。
 美遊も一回「お兄ちゃん(ボフッ)」っとヤッていたので、よその家のお兄ちゃんである士郎さんには免疫?が無く、士郎さんに見られただけで体が熱くなってしまい、顔も耳も真っ赤になった。
(もう分かるわね? こっちの世界の士郎さんは、もうあんたと愛し合うしか方法がないの、それ以外の人生を選べる人だと思う? 兄妹の恩人で一生掛かっても恩が返せないぐらいの人、恋人になるはずだったその子と別れて、幸せになれるとでも思ってるのっ? 一生独身? 美遊とも結ばれないでお爺さんお婆さんになるまであんたを待ち続けるの? まさかそんな残酷なことしないわよね、あんたと士郎さんは結ばれる運命なのよっ!)
 イリヤもクロエの言葉が頭の中で繰り返し流れ、エコー付きで連続再生。よその家のお兄ちゃんである士郎さんには免疫?が無く、士郎さんに見られただけで体が熱くなってしまい、顔も耳も真っ赤になった。
((ああ、士郎さん))
 異世界の同一人物なので、同じ挙動で真っ赤になってソファーのクッションを抱く。ほぼ同一人物だが異世界のお兄ちゃんに夢中になってしまった二人。
 この後は雪兎さんがさくらちゃんに言ったみたいに「イリヤ(美遊)ちゃんが僕を「好き」なのは、お父さんやお兄ちゃんが「好き」と同じだよね」と諭されてスピンアウトしてウォールで大クラッシュ。登頂失敗、最終アタックポイントまで酸素ボンベなしで撤退する羽目になる。
 クロエだけが「イリヤちゃんの好きとわたくしの好きは違うのですわ~~」と言って兄士郎に引かれるが「妹」では無く従妹なので却下されない。
 後はお赤飯イベントでも母親、セラ、リズ完全スルー、当然留守の父親もスルーして「お兄ちゃん、アソコから血が出ちゃった、死んじゃう~~」と言って兄の所に駆け込み、ガン見せして「過ち」を誘いまくり、テッシュで拭いきれない傷?を見せまくり「吸って」とか「血を止めて、ああんっ、ティッシュで破れちゃった(何が?)」とかオネダリもしまくり、アウアウ言っている兄を丸め込んで、ヤリたい盛りの高校生に「ママとセラには内緒だよ」と言わせるつもりだった。
 その事件まで兄に「つこうた」させたりエロ動画ダウソして見まくりエロ写真エロ雑誌見まくりの人生を送らせず、どこかの美柑さんより兄に見せまくりで風呂にも一緒、セラを陥れてでも追いやって、オカズと言えばクロエ、クロエと言えば何でもさせてくれる相手と思わせる人生を送らせる。
 それまでに生きている桜は異世界に放逐、桜人形が来たいならカレー落ちさせて、自分に順番が回るまで兄の相手をさせておくのも有り。
 中古なのと人形なので結婚は無理、自分が老化しても壊れた人形オナホ程度として飼っておくか、足りなければアンジェリカと交換する。パツキンと和風の両刀で万全バックアップであった。
 
「ち~~すっ、お客さん連れて来たで~、お母ちゃん」
 既にアレクサンダーから「この中の誰かと一緒になれ」と言われたので、ルヴィアは「お母ちゃん」扱いのエルメロイ(異世界)。 オーギュストからも「この方なら」と、家柄も才能も力も十分だと認定され、日本語?を喋る時だけは面白い人物なので、職場では英語、帰れば関西弁で通してもらうつもりでいた。
「え? 先生も二人?」
 一瞬脳が受け付けなかったが、ルヴィアにも「途中で逢うてん」で通ってしまった。
 バゼットの片方は、レンタカーで綺糺を駅まで迎えに行き、残りの人物は?
「ギル君? のお爺ちゃん?」
「「「ギルガメッシュ!」」」
 金髪のジジイを見てバゼットとルヴィアとエルメロイ以外は凍り付いた。
「おう、この世界のワシや、第四次で受肉してな、衛宮とか間桐も結構近所やったんやなあ。昼にこのオッサンと神戸大橋で偶然逢うてな、一緒に銭湯入って漫才して遊んで来てん、ビール一本飲んだだけで運転させてくれへんから、ここまでこの姉ちゃんの運転で来て、もうすぐ相方もくるわ」
 何本目かのビールを開けて、やたらフレンドリーに話し掛け、我が家のソファーのようにくつろいだギル様。
 イリヤが知っているギル君とは全然年が違い、さらに関西弁だったが、本人なのでカードなしで宝物庫からガンガン宝具を呼べる相手だったので恐怖した。
「初めまして、アタシはクロエ、クロエ・フォン・アインツベルン」
 異世界ならバーサーカーを殺されてから目を切られ、情け容赦なく殺されてから心臓を抜かれる相手なので、イリヤもちょっと震え、美遊も戦闘態勢、桜も桜人形もアンジェリカも恐れた相手だが、クロエだけが平気で挨拶をした。
「おう、小さい子がおるがな、アインツベルン? なんか懐かしい名前やなあ、よっしゃ、おっちゃんがお小遣いやろ」
 宝物庫から銀貨を握れるだけ握ってクロエに渡す。銀貨でも骨董価値から天文学的な値打ちが着くので、凜がいればエクトプラズムを吸い込んで生き返ったはずである。
 イリヤと美遊にはその価値が分からなかったので、挨拶もせず恐れて、その機会を逃した。
「わあ、ありがとうオジサン、お礼に好きな人に合わせてあげるわ」
 また悪魔の笑顔で笑い、鍵を開ける能力でギルガメッシュ最大の弱点を突くクロエ。
「ねえ、アンジェリカ? 何千年も前に死んだ人って人形にできる?」
「うむ、その人物が転生しても、虫や小魚ぐらいなら呼び出せる。しかし記憶が呼べるかどうかは分からない」
「そう、じゃあねえ、何とかドゥ? 確かエルキドゥさん人形にして呼び出してくれる?」
「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?」
 桜が異世界では生きていると言われた士郎のように、顎が外れてメダマドコー?になったギルガメッシュ。一行で済む方のAAではなく、三段ぐらい使って表すほうになり、目がポーンと飛び出して、上の方で花火みたいに爆発して、バラバラになって落ちた。
「自分、何言うとるんや?」
 最初はその名前を出されただけで怒りが沸いて、もう会えないはずの伴侶と再会できる可能性を聞かされて一気に酔いが覚めた。
「ちょっと工房まで来て、その人呼んでね」
 小走りに進むクロエの後を歩いて行くアンジェリカ、その後を腰が抜けたまま這って追尾するギルガメッシュ。見かねたロードエルメロイとバゼットが、抱え上げて起こして夢遊病患者のようなオッサンを連れて行った
 
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