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お留守番

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第七章

「結構目も疲れてきたし」
「目は大事にしないとね」
「漫画を読もうかな」
「それじゃあ」
 二人で話してだ、そのうえで。
 太介も茉莉花が読んでいる漫画を読みはじめた、神様はじめましたからだ。だが読みはじめると急にだった。
 茉莉花が彼の横に来てだ、身体特に顔を寄せて言って来た。
「このヒロインが最初ね」
「あっ、うん」
「家がなくなって。それで」
 太介に漫画の説明を饒舌にしてきた。
「それにね」
「それに?」
「後はね」  
 さらに話していく、漫画のことを。そしてその間ずっと太介に身体を寄せてきている。太介はそのことが気になって言おうとした。
「あの、茉莉花ちゃん」
「何?」
「いや、身体が」
「身体が?」
「いや、別に」
 茉莉花にじっとだ、目を見られてだった。太介は黙った。見つめられと何故かそれ以上言うことが出来なかった。
 それでだ、茉莉花の説明を聞きつつだった。漫画を読んでいった。
 だが読んでいるうちにだ、茉莉花は。
 太介の身体にそっと触ってきたりもした、太介はそれが気になったが言おうとすると見つめられてだった。言えなかった。
 それで彼女の説明を聞きつつ読んでいってだ。途中こんなことを言った。
「面白いね」
「そうでしょ」
「うん、かなりね」
「全巻揃えてるから読んでね」
「12歳の方もかな」
「そちらもよ」
 しっかりと、というのだ。
「持ってきてるから」
「それじゃあ」
「どんどん読んで。よかったらね」
「よかったらって?」
「いえ、何でもないから」
 茉莉花は太介の目を見て言おうとしたがだ、何故か不意にだった。
 視線を逸らしてだ、こう言ったのだった。
「気にしないで」
「そうなんだ」
「本当に全巻あるから」
「読んでいいんだね」
「気が向いたら来て」
 茉莉花は太介にこうも言った。
「何時でもね」
「何時でもいいんだ」
「私がいる時は。だから」
 また太介の目を見て言ってきた。
「携帯の番号とメールアドレス教えて」
「それじゃあ」
 太介は茉莉花に応えて携帯を出した、茉莉花もだった。そしてそのうえでだった。 
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