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お留守番

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第六章

「どっちか食べるわ」
「そうするんだね」
「一緒にね」
「それじゃあ」
 こうしてだった、二人は三時のおやつにそうしたものを食べた。太介は最初は蜜柑を食べて次は柿を食べた。
 その柿を食べた時にだ、不意にだった。
 横を見るとだ、茉莉花がすぐ傍にいた。午前中は結構離れていたがだ。それで茉莉花に対して言ったのだった。
「近くない?」
「そう?」
「こんなに近かったかな」
「気のせいよ」
「そうなのかな」
「お兄ちゃんのね」
 至ってとだ、茉莉花は無表情のまま返した。
「まあ気にしないで」
「何か気になるな」
「そのままゲーム続けて」
「それじゃあ」
 太介はどうにも釈然としないものを感じながらだった、ゲームを続けることには賛成なのでそれでだった。
 ゲームを続けた、そして夕方の五時を過ぎるだ。茉莉花は漫画を読んだままこう言ってきた。
「ねえ、この漫画ね」
「12歳?」
「私まだ十歳だけれど」
 それでもというのだ、読みながら。
「結構以上に憧れるわ」
「十歳で」
「そう、それでね」
「それで?」
「お兄ちゃんも読んでみる?」
「いいの?」
「少女漫画読まない訳じゃないでしょ」
 こうもだ、茉莉花は太介に尋ねた。
「今時少女漫画とかそんなこだわり持ってる人も少ないでしょ」
「僕もそれはないけれどね」
「じゃあ読んでみる?」
「読んでいいって言うのなら」
「神様はじめましたも」
 この漫画もというのだ。
「読んでみる?」
「どっちもなんだ」
「こっちは人間じゃないけれど年上の相手になるかしら」
「ふうん、そうした漫画なんだ」
「どっちも読んでみる?」
「それじゃあ」
「ゲームやるならいいけれど」
「いや、朝からずっとやっててね」 
 それでとだ、太介は茉莉花に応えた。 
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