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夏のお留守番

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第五章

「全く、無茶苦茶多かったな」
「けれど全部食べたじゃない」
「苦労してな、けれど美味かったな」
「冷凍うどんってコシがあるしのびにくいからね」
「ちょっと茹でるとか」
「そう、あんな感じで食べられるのよ」
「インスタントラーメンよりいいかもな」
 冷凍うどんについてだ、健太郎は食べてからの感想を述べた。
「ひょっとして」
「そうかもね、あってよかったわね」
「そうだな」
 今度のやり取りは普通だった、そして。
 健太郎は三時まで何も食べずにゲームをした、沙織は漫画を読み続けた。そうして三時になるとだ。
 二人でジュースとお菓子を食べた、お菓子はチョコパイだが健太郎はそのパイを食べつつこんなことを言った。
「三時になると流石にな」
「お腹空いてきた?」
「ああ、ちょっとな」
「だから食べられるのね」
「こうしてな、しかしな」
「しかしって?」
「いや、クーラーよく効いてるな」
 部屋の中はというのだ。
「いい感じに」
「だって私暑いの苦手だから」
「だから効かしてるのか」
「そうなのよ、普段はもっと高く設定してあるけれど」 
 それをというのだ。
「二度、いえ三度位低くしてるの」
「三度か」
「だからこれだけ涼しいの」
「成程な」
「家族他に誰もいないから」
「文句言う人もいないからか」
「こうしてね」
 クーラーの気温をというのだ。
「低くしてるの」
「成程な」
「健ちゃんもこれでいいわよね」
「ああ、俺もこれ位でいいよ」
 健太郎はオレンジジュースを飲みつつ答えた。
「この気温でな」
「それじゃあね」
「ああ、あともう三時か」
「早いわね」
「ゲームはじめるとな」
 これがというのだった。
「時間経つの早いな」
「漫画読んでてもね」
「早いんだな」
「こっちもね、この調子だと全巻読めそうよ」
「全巻って何読んでるんだよ」
「俺物語よ」
 この漫画をとだ、沙織は答えた。見ればタイトルはそれだった、
「これがまた面白いのよ」
「そうなんだな」
「読んでみる?」
「いや、俺はいいよ。ラブコメだよ」
「ジャンル的にはそうなるわ」
「そういうの苦手なんだよ」
 曇った顔になってだ、健太郎は答えた。
「だからな」
「読まないのね」
「ゲームしておくな」
「じゃあね」
「ああ、もうすぐ誰か帰って来るかな」
「六時位にお兄ちゃんが部活から帰って来るわ」
 沙織はパイを食べつつ答えた。
「夏休みはいつもそれ位に帰って来るから」
「茂さん部活大変だな」
「野球部だからね、けれどあれで勉強もしっかりしてるしレギュラーだし」
「凄いな、結構」
「お兄ちゃんも私よりずっと成績いいのよ」
 あんたと一緒よ、とだ。沙織は健太郎に目ではこう語っていた。 
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