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リリカルなのは 深緑の男

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第五話 決着




第五話 決着

麻生はフェイトのさらわれた場所に向かいバイクを走らせている。

「!!」

麻生の身体から緑色の炎が噴出しバイク共々飲み込まれると麻生とバイクの姿が変わった。

「!!」

麻生はZブリンガーを走らせ荒れ果てた研究所にたどり着いた。

麻生は地下室への入り口を見つけると扉を蹴破った。

「とお!!」

麻生は研究施設を見渡すとフェイトの姿を見つけた。

「ライダー!」

「フェイトちゃん!」

フェイトが麻生に抱きついたと同時にこうもり怪人になった。

『クシャアアアアアアアアアアアアア!!』

「ぐ・・・とお!!」

『ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

麻生の拳がこうもり怪人を貫くとこうもり怪人は絶命した。

「く・・・」

こうもり怪人の遺体を投げ飛ばすと麻生は本物のフェイトを見つけた。

「フェイトちゃん!!」

「ん?・・お兄さん?」

「ここから出よう」

麻生とフェイトが施設を脱出しようとしたその時だった。

「・・・ライダー・・・・」

「「!!」」

麻生とフェイトが振り向くとそこには機械に埋め込まれたプレシアの姿があった。

「・・・ライダー・・・ライダー・・・」

「!!・・・プレシアさん!!」

「・・か・あ・・さん・・・」

プレシアは目覚めるとフェイトの姿を見て驚いた。

「フェイト・・・なんでこんな所に」

「テレパシーを送っていたのはプレシアさん・・あなただったのか・・・」

「許してとは言わない・・・フェイトのためにあなたを」

「プレシアさん!ネオ生命体を使ってあなたはなにを企んでいるんだ!!」

「違うわ・・・コバルトドラゴンの力で進化したネオ生命体が・・・あの時私を助けてこんな姿に・・・早く逃げなさい!」

プレシアが脱出するように叫んだその時だった。

「ははははははもう無駄だよ♪」

麻生たちは声のしたほうに振り返ると絶句した。

「お母さんフェイトちゃんを連れてきたよ♪早く私の身体にしてよ」

それは何一つ纏っていないおぞましくフェイトと同じ姿・・・同じ声の少女だった。

「あれは・・・私?」

フェイトは自分と同じ姿をした異型の生物に恐怖している。

「貴様がプレシアさんをこんな姿に」

「お母さんは私をみて怖がっちゃって・・・コバルトドラゴンさんが私をこの姿に進化させてくれたんだよ♪」

無邪気な声だが同時に恐ろしかった。

「私!アリシアちゃんやフェイトちゃんみたいな出来そこないじゃないよ」

「!!」

その言葉に奥歯をかみ締めるフェイトはバリアジャケットに身を包み麻生の手で復元されたバルディッシュを構えた。

「あれ~フェイトちゃんやる気なんだ~~」

「許さない・・・母さんを元に戻して!!」

フェイトが斬りかかるがネオ生命体の衝撃波によって吹き飛ばされてしまう。

「うわあああああ!!」

「く!」

麻生が咄嗟にフェイトを抱きとめ静かに下ろすとネオ生命体に構えた。

「あれ?お兄ちゃんやる気なの?無理無理お兄ちゃんが何度戦っても私には勝てないよ♪」

ネオ生命体が姿を変えるとドラスFの姿になった。

「お前は・・・」

両者に沈黙が流れる。


「とお!」

麻生が殴りかかるとドラスFは受け止め麻生を殴り飛ばした。麻生は再び殴りかかるとドラスFの拳から電流が流れる。

「ぐ・・あ・・・」

麻生は体勢を立て直すと跳躍し強襲するがドラスFはそのパワーで麻生を叩き落した。

「とお!!」

麻生が再び跳躍するとドラスFの光線が発射され麻生が叩きつけられた。

「ぐおおお!!・・・あ・あ・・」

ショックで変身が解けてしまう麻生。

「お兄さん!」

ドラスFから放たれた触手が麻生の首を絡めとった。

「ぐお!あ・・あ!」

ドラスFはそのまま麻生を吸収しようとしている。かつてドラスがそうしたように。

「フェイト!バルディッシュを!」

「え?」

「彼の力を吸収したバルディッシュなら・・・もしかしたら!!ああ!!」

プレシアはドラスFに撃墜されてしまった。

「母さん!!く!」

プレシアの言葉にフェイトはバルディッシュを構えた。

(・・・バルディッシュ・・・お願い・・・力を貸して!!・・・母さん・・・アルフ・・・クロノ・・・なのは!!)

『オーガニックザンバー!』

フェイトの思いに応えたその時バルディッシュに込められた大自然のエネルギーが解き放たれた。

「これは・・・」

バルディッシュは巨大な剣のような姿になった。

「これなら!!はあああああああああああ!!」

フェイトが大剣になったバルディッシュを振り下ろすと麻生を掴んでいたドラスFの腕を切り裂いた。ドラスFから解放された麻生。

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「うああああああああ!!」

ドラスFはフェイトを吹き飛ばし光線を繰り出した。

「は!」

避けられないそう思ったフェイトが麻生に抱きしめられた。

「ぐあ!!」

「お兄さん!!」

麻生の身体にドラスFの光線が刻み込まれた。破壊力に倒れてしまう麻生。

「く・・!!」

麻生は立ち上がると力を引き出す動きに入った。

「・・・・・・変・・身・・!!」

麻生の身体が輝くと緑色の身体に変わり瞳が赤く発光し口から牙・・・ブレイク・トゥーサーが飛び出し同時に頭部から気が噴出した。

「はあ!」

麻生の猛攻。ドラスFもこの猛攻に思わずひるむが麻生の拳を掴み取った。

「なに!」

「今度こそお兄ちゃんの身体をもらうね♪」

吸収されそうになる麻生その時。

「お兄さん!!」

フェイトが咄嗟にバルディッシュを麻生に投げ渡した。

「!!」

麻生がバルディッシュを掴んだ瞬間バルディッシュに大自然のエネルギーが流れ込んだ。

「!!」

「!!?」

麻生の手の中のバルディッシュが進化し巨大な太刀になり麻生が振り下ろそうとするがドラスFは離さないその時だった。

『グアアアアアアアアアアアア!!』

「「!!」」

「はぁ・・・はぁ・・・」

プレシアが最後の力を振り絞りドラスFに攻撃を仕掛けた。

「グアアアアアアア!」

ドラスFに一瞬の隙ができたその時麻生がバルディッシュを振り下ろした。

「グアアアアアアアアアアアア!!」

ドラスFがもがいていると麻生は脱出し上部を取った。

「・・・・・・・・・・」

麻生が構えその身体に大自然の力が満ち溢れる。

「はあ!!」

麻生のキック・・・ZOキックがドラスFを襲い掛かった。

「とお!!」

ZOキックに吹き飛ばされるドラスFは身体から蒸気が噴出し始めた。

『グアアアアアアアアア・・・お母さん・・おかあ・・・』

そのままドラスFは動かなくなってしまった。


麻生とフェイトは倒れているプレシアに駆け寄った。

「母さん・・・」

涙をこらえるフェイトにプレシアは両手を広げた。

「かあ・・さん?」

「フェイト・・・抱かせて・・・」

「母さん!!」

フェイトはプレシアに抱きついた。プレシアも残された力でフェイトを抱き返した。

「麻生さん・・私をドラスの所へ・・・」

「え?」

麻生はプレシアを抱き上げるとドラスFの元に下ろした。

「プレシアさん・・・」

「母さん・・・」

『ギアア・・おか・・あ・・さん』

まだ絶命してなかったドラスF。プレシアはドラスFを抱きしめた。

「寂しかったでしょ・・・ごめんね・・・こんなお母さんで・・・」

『お母・・・さん・・・』

ドラスFは子どもの姿に戻った。

「あなたの名前決めてなかったわね・・・あなたは・・・フェリア・・・」

「フェリア・・・お母さん・・・寂しかった!寂しかった!!」

ドラスF・・・いやフェリアはプレシアに抱きついた。そしてフェイトが。

「私が・・・お姉ちゃんだよ・・・フェリア」

「お姉ちゃん・・・ごめんなさい・・・お姉ちゃん」

フェリアは力無くフェイトに泣きついた。抱きしめるフェイト。

「ごめんなさい・・・お姉ちゃん・・・」

その言葉を残しフェリアは光となり消えた。

「フェリア!!」

「麻生さん・・・」

「はい・・・」

「娘を私の子をお願いします・・・」

「・・・プレシアさん」

その言葉を遺しプレシアは目を閉じた。

「母さん!母さん!!」

「・・・フェイトちゃん」

「お兄さん・・・うああああああああああああああ!!」

麻生の胸で泣き叫ぶフェイト・・・そして麻生もフェイトを抱きしめた。


そして麻生とフェイトはプレシアの遺体を弔った。




 
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