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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはStrikerS ~想い出の船で~



「懐かしいなぁ」

「うちらにとっては想い出の船やからねーーー」

「舜君とかも懐かしいでしょ?」

「俺にとってはお前らほど時経ってないもの」

「あ、そうやったな」


かつて彼らが世話になった思い出の戦艦、アースラの艦内。

そんなことを話しながら、そのアースラの内部設備を整えて行くなのは、フェイト、はやて、蒔風の四人。
さすがに廃艦予定だけあって、中の設備はほとんど死んでいる。

まあ、機材はそのままだったから再起動させればいいだけなのだが。



蒔風の腕は戦闘は無理でも、日常生活には何の支障もない程度にくっついていた。
迅速なシャマルの処置のおかげである。


その蒔風がちらりとなのはの方を見る。




あの手紙があった日以来、なのはとは何度も話したが特に今までとは違う感じはしない。
蒔風にとっては、まあそれならそれでいいんだけどね、といった感じで、特にあの手紙の事を聞こうとはしない。

(このまま思いなおしてくれれば嬉しいからな)

とまぁ、そんなこんなで起動六課のアースラ移設が完了し、早速全メンバーを会議室に集合、これからの事を報告した。







「うちらが追うのはスカリエッティでも、ヴィヴィオでもなく、あくまでもロストロギア、レリックや」


切りだすのははやて。
だがその発言に、顔をしかめる者など誰もいない。


「ってーのは建前で?」

「そう、その途中にスカリエッティがおるから叩きのめすだけや。そんで、ヴィヴィオを救出する。この方針で、みんなええか?」


はやての言葉に、みんなが頷く。
しかし、なのはやフェイトは心配そうな顔だ。


「大丈夫?はやてちゃん」

「無理とかしてない?」


「大丈夫やって!!もううち無茶せぇへんもん。それに、三提督も他の上の人も黙認してくれることを確約してくれとる。なんでもこいや!!」



「現在、アコース査察官がスカリエッティのアジトを捜索していますが、まだ見つかりません」

「はやて、そのアコースって人は大丈夫なのか?」



はやての副官、グリフィスの言葉に蒔風が疑問を挟む。
それに対してはやては大丈夫や、と自信ありげに答えた。

なんでもアコース・ヴェロッサはあのカリムの義弟で、レアスキルも持っている、やり手の査察官らしい。
まず心配はないそうだ。



「チンク達ナンバーズから情報が得られれば良かったんやけど・・・・・」

「さすがというかなんというか・・・・腐っても天才だったよな、あのスカ野郎」




そう、施設で保護されているナンバース投降組から、スカリエッティのアジトの場所などの情報をもちろん聞こうとはした。
しかし、一体どのような仕組みなのか、チンク達はアジトの場所をことごとく思い出せないでいた。

ある程度までは絞り込めるのだが、はっきりとはわからないのだそうだ。


そこでシャーリーやデバイス担当の技術官、マリーが建てた仮説は、「敵に敗北、又は捕縛された場合、味方陣営の情報の破棄」というプログラムがある、という事だった。



おそらくこれは兵器として作られた際の当然の施しだったのだろう。
もし撃破され、敵に情報が渡っては意味がない。

しかも彼女たちの身体はかなり強化されて作られているため、言ってしまえばかなり痛めつけても死ぬことはない。
つまり、かなり過激な拷問が効くのだ。



ならばどうするか




簡単である。情報そのものを消せばいい。
と、言ってもまだ量産型ではない彼女らにすべてを忘れさせるなどという事はいきなりしなかったようで、忘れているのはアジトの場所と、これからの計画の細部のみ。



当のチンク達は「協力はしたいのだが・・・・すまない」と落ち込んでしまったそうだ。



「でもま、絞り込めるだけマシだな」

「そうやね・・・・でも、きっと・・・・」

「きっと、奴はすぐに動く。スカリエッティはあんなんだけど、天才。準備が整ったら、すぐに動くよ」



フェイトが双眸を厳しくして言う。
長年スカリエッティを追い続けてきたからこそわかる。

あの男は、あっという間に何かを仕掛けてくるはずだと。



「で、だ。さらなる脅威について話しておこう」




そう言って蒔風が椅子から立って、モニターを出す。
そして久しぶりに伊達眼鏡をかけて、講師のように正面の大型モニターの前に立って話しだした。




「今までチンクの話で、敵の戦力は残ったナンバーズ、ウーノ・ドゥーエ・トーレ・クアットロ・セッテ、更に召喚師のルーテシア・アルピーノ。ヴィータが交戦した融合機アギトと騎士ゼスト。そして・・・・」




蒔風がモニターに四つの写真を出す。

それは突如として出現した三体の使役獣と一人の男。



その姿に、会議室の空気が少し重くなる。





「「奴」だ。そして、その使役獣のケルベロス、迦桜羅、サラマンダー。言っておくぞ、かなりの勢いで化け物クラスだ。正直な話、管理局とかでどうにかなる相手じゃない」


「・・・・・・・・」


蒔風の言葉に、みんなの顔が暗くなる。
それはそうだ。

あれだけこっち側が優勢だったあの状況を、この男は一発でひっくり返してきたのだから。




「だが・・・・「奴」はまだ世界構築の計算は終わっていないと言っていた。おそらく、今回ヴィヴィオをさらったのはスカとの協力だろうな」

「協力って・・・なにをですか?」

「わからん・・・・恐ろしい兵器でも作ってんのかそれとも・・・・案外、ただ単に寝床借りてるだけかもしれないぜ?」

「それだけで・・・なんですか?」


ティアナが信じられないという顔をする。
あれだけの力があるにもかかわらず、わざわざスカリエッティに協力する必要があるのか?と


「「奴」を読み切ろうだなんざやめておけ。時間の無駄にしかならない」

「でも・・・・」



それでも気になってしまうのだろう。ティアナが推測をしようとする。



「はぁ・・・・いいか?こう言うのは俺自身気が滅入るし自信無くすからあまり言いたかないんだが・・・・・」



そうやって前置きしてから蒔風がギシリと椅子に座って眼鏡をはずしながら先を言う。


「「奴」は俺よりも強い。勝てた、なんて言えるのは勢いで行けた何回かぐらい。五回くらいか?その程度だ」

「え?」

「で、でも勝ち続けてきたんでしょ?」

フェイトのそこの賭場に首を振って応える蒔風。
その顔は妙に皮肉った感じに笑っている。


「俺と「奴」は・・・戦えばまず、あっちが高確率で勝つ。俺がここまで勝ってこれたのは、最後に世界のひと押しがあったからだ」

「あの~~、世界のひと押しって・・・・なんですか?」



スバルの質問に、蒔風がモニターを叩いて説明する。
モニターに出たのは十年前の最終決戦の映像だ。


「WORLD LINK。世界とこの翼を疑似的につなげ、その力で様々な現象を起こしてヴットばす最後の決め技。それがあったから俺はここまで勝ててきた」

「つまり・・・・「奴」はそれさえ越えられれば舜君に勝つ自信があるんやな?」

「そう。だから「奴」は今までも様々な力を使おうとしてきた。究極の闇、神の半身、願いの宝玉、過去の英雄・・・・・・挙げていけばきりねぇな」



「ってことは・・・・スカリエッティと何らかの武器の約束を?」

「そのために・・・ヴィヴィオを・・・・・」



「うん。だから今回スカが事を起こすようなら、「奴」自身は無くとも、使役獣ぐらいは出しゃばってくるだろうな」




更に言うなら




蒔風の獅子天麟は戦闘不能状態だ。
普段なら大丈夫なんだろうが、今は蒔風の腕の完全接合のために、獅子天麟の方に力が回せないのだ。


よって使えるのは龍虎雀武の四体のみ。



しかもあっちはガジェットを無数に保有している。




その戦力差に、全員が気落ちするが、そこで蒔風がダン、とテーブルを叩いて立ち上がった。




「だから全員のパワーアップを図りたいッ!!!」

「パワー」「アップ?」



「そう。一体どんな風に来るかもわからないし、最悪、バラバラに動かなきゃならない事もあるかもしれないでしょ?だから各個人のステータスや能力のパワーアップをする。時間は・・・三日かな?」

「みっ!?」

「三日ぁ!?」



「そ、三日。時間もねぇんだ。かーなーり、きつく行きまっせーー」

そう言ってだははと笑う蒔風に、フォワード四人は当然のこと、なのは達までが青い顔をする。




「どどど、どうしよう!?私まだ舜君に何にも伝えてないのに!?」

「うち・・・・・ここで死ぬんかなァ・・・・」

「主!!大丈夫です・・・この烈火の将が必ずや!!」

「アリシア・・・母さん・・・わたし、そっちに行くかもしれない・・・・・」

「あーーーーーさすがにそこまでじゃねえと思うけど・・・・・ダメだ、やっぱあたしもコエーーーー!!!」




「ティア・・・私、メンテナンス終わったばっかりなんだけど・・・・・」

「私だって・・・ギンガさんは怪我してていいなぁ・・・・不謹慎だけど」

「も、もうなんでもこいですよ!!(TAT)」

「かかか、かかってこいやーーーーー!!((TAT))」





「お前らって俺のことなんだと思ってんの!?」





会議室に皆の声が木霊する。




士気は十分。なんでもこい。








必ず、叩き潰して見せる。









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これで準備は整った・・・・・
彼の計算とやらはもう少しらしいが・・・・




まぁ、こちらの準備が終わったら始めてもいいと言われたからね、ありがたくそうさせてもらおうか。




「これ」とマテリアルの接続までもう少し。更に洗脳を加え・・・・・


くくくくくく・・・・
面白くなりそうだよ


ナンバーズ達数名は残念だが、まああれで捕まってしまうなら今後、いても仕方ないだろう。



「彼」も何とかすると言っていたし、そちらに期待かな?



さあ・・・・・すべてを解き明かそう!!!
私が世界の中心へと赴き、すべてを知ろう!!!!


それが私の存在理由。
私はそうあるように生まれてきた!!


私を作った者はもういない・・・・・




存分にやらせてもらおうじゃないか!!!!!









to be continued
 
 

 
後書き

はーい!!後書きの時間ですよーーー!!!

アリス
「わーーい!!」

今回の後書きでは今までの後書きで思いっきり書き忘れていた事を発表するよ!!


では


Q、蒔風がヘリを砲撃から守ったとき、開翼してたけど管理局の人達は知ってるの?

A、知りません。と、言うのも、モニターされていたのはガジェット迎撃していたはやてさんで、ヘリの方を見ていたのはロングアーチだけです。もちろん、その後にはやてからの話で蒔風=翼人というのは伝えられました。



アリス
「なぜ描写しなかった」

忘れてましたぁ!!!!



Q、地上本部から六課隊舎に飛んだとき、開翼してたけど、やっぱりばれてないの?

A、加速開翼してたから大丈夫だよーーー。こまけェことは気にすんなってことで・・・・



アリス
「なぜその時言わなかった」

忘却の彼方へ・・・・





もしかしたらまだ忘れてるかも・・・・

ちなみにギンガは負傷していて、戦闘は参加できません。
止めの一歩前まで持っていかれてましたから、ソレハソウダロウーーー



アリス
「次回、さあ!!特訓だぁ!!!」

ではまた次回













大丈夫、ヴィヴィオは絶対大丈夫だから。助けよう、二人で、きっと


フェイトさん、役割、うちの主人公が奪ってしまいました・・・・・ 
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