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ロクでなし魔術講師とWの戦士

作者:西森
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偽りのQ/告白ラッシュ

アルザーノ帝国魔術学院の講師であるグレン=レーダス

彼は講師を嫌々勤めながら密かに仮面ライダーWとして襲いかかるドーパント達と戦っていた所謂正義のヒーローなのだが

「こらぁっ!待ちなさーい!! 」

「待てと言われて待つ奴はいなーい!! 」

今日もまたグレンは教え子であるシスティーナから追いかけられていた。

「待ちなさい!!あんたったら授業サボって焼き芋作ろうとしていただなんて!! 」

あきらかにグレンが悪いのだが

「それは違うぞ白猫! 」

「えっ… 」

今回は珍しく弁明しようとするグレン

そしてそれは違うと聞いたシスティーナの足も思わず止まってしまうのだが

「俺は焼き芋を作ろうとしてたんじゃない!食おうとしてたんだ!! 」

やはりグレンはロクでなしであった。

これを聞いたシスティーナは

「《どっちでも・同じでしょうが・この馬鹿》ーっ!! 」

「ぎゃあぁぁーっ!! 」

激しく怒りまくり、グレンにゲイル・ブロウを食らわせるのだった。

だがその光景を見ていた周囲の人物は

「あの二人、またやってるよ 」

「本当に毎日毎日飽きないわね 」

もはやグレンとシスティーナの争いは学園にとって日常茶飯事と化しているらしく誰一人として騒ぐ人はいなかった。

そしてそれから少しして

「ったく、あいつったら仮面ライダーとかになっても変わらないんだから 」

「でもシスティ、グレン先生だって怪人と戦ったりと頑張ってるんだから少しは多目に見てあげないと… 」

「甘いわルミア!いちごタルトより甘すぎるわ!!あいつは甘やかしたらダメなのよ 」

「いちごタルト、どこ? 」

教室にていつもの面々が会話するなか

この場にフィリップがいなかったため彼女達は誰一人として気づいていなかった。

「にししっ! 」

遠くからこの教室を天使のような姿をしたドーパントが見ていたことを

「さぁて、私の能力で仮面ライダーを困らせてやりますか 」

そしてドーパントはシスティーナ達目掛けて矢を構えるのだった。

その頃

「くそっ白猫の奴め!あんなに怒らなくてもいいのによ 」

全く反省していないグレンが教室に向かっていた。

『君は反省という言葉を知らないようだね 』

「ほっとけ!くそっ今に見てろよ白猫め!! 」

そしてグレンが教室に入ってくると

「何やってるんですか!!もう授業始まってるんですよ先生!! 」

遅刻したグレンに対してシスティーナが激怒した。

(うるせぇ、こちとらお前にやられた傷をセシリア先生に治療してもらって遅くなったんだよ)

セシリア=ヘステイア

学院唯一の法医師。美人で治療の達人なのだが本人が極度の虚弱体質なためよく血を吐血する。

「とにかく今日という今日は言わせてもらいます!先生、あなたって人は… 」

と、システィーナが続けてグレンに説教しようとしたその時

「食らえ! 」

シュッ!

「えっ!? 」

ドーパントが遠くから放った矢がシスティーナに命中した。

「おい白猫、一体どうした? 」

ちなみに矢はシスティーナに命中した直後に消えてしまったためフィリップですら気づいていない。

「白猫、言いたいことがあるならさっさと言えよ 」

グレンがシスティーナに対してそう言うと

「わかりました。言ってあげますよ 」

システィーナは声を出した。

「私、先生のことが…好きです! 」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

教室内が少しの間、静かになると

「「「ええぇーーっ!! 」」」

システィーナとリィエル以外の全員が叫んだ。

「な…何で告白するんだよ!? 」

「しかもグレン先生なんかと!? 」

「きゃーっ!!教師と生徒による禁断の告白よーっ!! 」

教室内が騒ぐなか

「白猫、お前熱でもあるのか?それとも変なものでも食ったのか? 」

システィーナの額に手を当てるグレン

すると

「ひどいです先生!私達、口づけしあった仲じゃないですか 」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

再び教室内が静かになると

「「「ええぇーーっ!! 」」」

再びシスティーナとリィエル以外の全員が叫んだ。

「ダメだよシスティ、そんなこと大勢の前で言っちゃ!? 」

「離してルミア!私の初めてをあげたんだから先生は責任とって私と結婚するの!! 」

『グレン、君もなかなかやるね 』

「いや、俺にも口づけした記憶はないんだが!? 」

そもそもあれは口づけというより人工呼吸である。

グレンがどうしようかと困っていると

「リィエル? 」

いつの間にかリィエルがグレンに抱きつき

そして

「グレン、大好き 」

とグレンに対して言った。

「ちょっとリィエル!先生は私のものよ!いちごタルトあげるから下がりなさい! 」

「今はいちごタルトよりグレンの方がいい! 」

「落ち着いてよ二人共!? 」

グレンを巡って争うシスティーナとリィエルを必死で止めようとするルミア

一方のグレンは

「へっ… 」

システィーナどころかリィエルにまで愛の告白をされ、何が何だかわからなくなっていた。

すると

「ちょっと落ち着きなさいなあなた達! 」

騒動を静めようとウェンディが立ち上がった。

「何もこんな人のために二人が争う必要ないでしょう! 」

「こんな人で悪かったな 」

二人を止めようとするウェンディだが

「だって先生は…私のものなんですから! 」

と言ってグレンに抱きつくウェンディ

「「「ええぇーーっ!! 」」」

これがシスティーナやリィエルのように普段からグレンと親しい人ならばまだ驚きはしなかっただろう。

だがそれがウェンディなら話は別だ。

更に

「先生、私も好きですわ 」

「先生、す…好きです! 」

テレサやリン等の多くの女子がグレンに愛の告白をし

いつの間にかルミア以外の女子全員がグレンを好きになってしまった。

『これはどう考えてもおかしい!ドーパントの仕業だよグレン! 』

フィリップはグレンにそう言うも

「うひょひょっ♪モテる男は辛いねぇ♪ 」

『ぐ…グレン… 』

あまりのモテまくりにグレンもおかしくなっていた。

だが

「先生、何だかんだあってもあんたは俺達の同士だと思ってたのによ 」

「「「講師死すべし!! 」」」

カッシュを筆頭にしてモテまくるグレンに対して怒ったクラスの男子ほぼ全員がグレンに襲いかかった。


グレン危うしかと思われたが

「「「先生には手を出させないわよ!! 」」」

ルミア以外の女子全員がグレンを守るべく男子達の前に立ち塞がった。

「あぁっ!?どうしよう!? 」

このままではクラス内で争いが発生してしまう

どうすればいいのかルミアが悩んでいると

「お次はあいつだ! 」

シュッ!

ドーパントの放った矢がルミア目掛けて繰り出されたのだった。 
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