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オズのビリーナ

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第十一幕その六

「流石ドラゴンだね」
「身体が大きいだけはあるね」
「そうだね、やっぱり大きいからだね」
「あれだけのお肉もなのね」
 恵梨香もそのあっという間に全部食べた様子を見て驚いています。
「あっという間なのね」
「ドラゴンの身体から考えたら当然だけれど」
 ナターシャは納得はしていますがそれでも驚いてもいます。
「凄い食欲ね」
「これがドラゴンよ、何はともあれね」
 ビリーナがここで皆に言います。
「ドラゴンさんは起きたわよ」
「さて、後は交渉だね」 
 キャプテンは起きたドラゴンを見て言いました。
「ドラゴンさんにどいてもらおう」
「ええ、事情をお話してね」
 トロットはキャプテンの言葉に頷きました。
「どいてもらいましょう」
「少しの間だけでもね」
「じゃあ今からね」
「あのドラゴンさんのところに行ってね」
 ガラスの猫とエリカも起きたドラゴンを見ています。
「お話しましょう」
「私達の事情をね」
「そういうことでね、ちょっといいかしら」
 ビリーナは早速でした、ドラゴンのところに歩いていって声をかけました。
「お話があるんだけれど」
「あれっ、ひょっとして」
 ドラゴンはビリーナの姿を見て言いました。
「鶏の国の女王さんの」
「ビリーナよ」
「そうだね、その羽毛の色とぴんと張った姿勢はね」
 堂々と胸を張っているその体勢もというのです。
「ビリーナ王女だね」
「その二つで分かったのね」
「貴女は有名人のうちの一人だからね」
 このオズの国でもです。
「僕も知ってるよ、まだ五百年しか生きていないけれどね」
「五百年でまだ?」
 ドラゴンの今の言葉にです、恵梨香は少し驚きましたがすぐにあることを思い出しました。ドラゴンのことについて。
「そういえばドラゴンさんは長生きだったわ」
「そうよ、オズの国では誰も歳を取らないし死なないけれど」
 ビリーナが恵梨香にお話します、皆もうドラゴンのすぐ前に来ています。
「それでもね」
「ドラゴンさんはそうなるずっと前から生きていて」
「一万年位は普通よ」
「そこまで生きられるのね」
「長寿の種族なのよ」
「そうだったわね」
「うん、一万年とか二万年とかね」
 ドラゴンも恵梨香にお話します。
「普通だよ、それはそうとね」
「どうしたの?」
「トロット王女とキャプテンさんも知ってるし」
 ドラゴンは今度は恵梨香を見て言うのでした。
「ガラスの猫さんとエリカさんもね」
「私を知らないオズの国の人はいないわね」
「いたらどうかしてるわ」
 二匹の猫もビリーナに負けない位胸を張った言います。
「あんたも知ってるのね」
「普通に」
「うん、けれど君達五人はね」
 ナターシャ達五人を見て言うのでした。
「知らないけれど」
「この子達は外の世界から時々来てる子達なの」
 ビリーナがドラゴンに説明します。
「オズの国の名誉市民よ」
「そうなんだね」
「だからあんたが知らないのも当然ね」
「うん、トロット王女達のお友達なんだね」
「オズマのお友達でもあるわよ」
 ビリーナがまたお話しました。 
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