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IS《インフィニット・ストラトス》~鉄と血と華と~

作者:白さん
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第四話 篠ノ乃 箒

あんたは俺を何処に連れてってくれるの?どんなものを見せてくれるの?


フッフー、それはね君が想像も出来ないような素晴らしい所、素敵なものだよ!まあどんなのかは行ってみてからのお楽しみ!だから……



――私についてきて







「……」


少年、三日月・オーガスは目を覚ます。見慣れない天井、記憶を辿り自分はIS学園の寮に居ることをおもいだした。


「んー……」


眠い目を擦り、枕の横にあるドックタグを手にする。


「おはよ、バルバトス」


相棒に向けてそう一言。近くに配置されたテーブル、その上に置かれた綺麗な布巾で待機形態のバルバトスを拭く。


「うん、綺麗になったな」


カーテンの隙間から差し込む朝陽によって、バルバトスは彼の言葉に反応するように光っているようにも見えた。







今日はIS学園の入学式、日本だけではなく各国からきた女子達が此処へと集まる。それぞれの思想、信念を持って。

場面は切り替わり、入学式を終えた1年1組。生徒達の雑談が聞こえるなか、三日月・オーガスはそこに居た。因みにだが、生徒達の雑談内容は彼の事についてのものとなっている。

それも当然、世間では突然発覚された“男でISを操れる存在”に度肝を抜かれ、メディアだけではなく国事態が慌てふためいている状況だ。そんなことも意にも介せず三日月はただボーっと席に座っている。

そこに山田真耶が教室内へとやってきて、クラスは静まり個々の席へと戻っていく。


「入学おめでとう、私はこの1組副担任の山田真耶です、皆さんよろしく」


彼女は生徒からの反応が来ることを期待したが、返ってきたのはまさかの一名のみ。


「うん、よろしく」


何気なく三日月がそう言うと生徒からの視線が一気に彼に集中する。他の生徒から挨拶が返ってこなかったのが少し寂しかったが、三日月が返してきてくれたのが嬉しく


「ふふっ、まさかオーガス君が1組に居るなんて」

「俺もあんたが担任になると思ってなかった、でも知らない顔よりはいいから安心したよ」


思ったことを口にするのが彼の良いところでも悪いところでもある。今回は良い方向へ傾いたようだ。真耶は笑顔のまま


「それでは皆さんにはそれぞれ自己紹介をしてもらいますね。ええっと……」


そこから各生徒の自己紹介が始まっていく。


「次は……あ!オーガス君の番ですね!」

「俺?」

「はい!」

「んじゃあ――」


徐に立ち上がると再び集まる視線、そしてその中に一つだけ何処か違う雰囲気の視線が混じっていたことに三日月は気づくが、気にせず


「俺は三日月・オーガス、好きなものは甘いもの。嫌いなものは……魚かな。まあよろしく」


そのまま座る三日月。すると


「随分と簡単過ぎる自己紹介だ、まあいいが」


声がする方を向くと、教室の扉の前に腕を組んだ千冬が此方を見ていた。


「織斑先生、会議は終わったんですか?」

「ああ、山田先生。クラスの挨拶を押し付けてしまってすまないな」

「副担任としてこれくらいはしないと」


やや胸を張る真耶。二人の会話が終わると女子生徒が喜びの声……悲鳴に近いものが上がり、千冬は呆れてたとの事だ。

SHRが終わり、三日月は席を離れ窓際に向かう。


「ねえ」

「な、なんだ!」


彼が話しかけてたのは長い黒髪をポニーテールにした生徒だ。


「さっきからずっと俺のこと見てたけど、何か用?」

「い、いや……用という用は……えっと……ちょっと場所を移さないか?」

「うん、いいよ」


彼女の後についていく事にした三日月。


「誰、あの娘?」

「えっと確か……」


教室を出ていった後にそう生徒から声が上がるが、ただ一人反応が違う生徒が。


「三日月……オーガス、まさか同じクラスとは思いませんでしたわ……これは少し立場を解らせてあげなればなりませんね」






「それで、何?」


屋上に連れてこられて早々の一言。


「お前……“三夏”……なんだろう?」

「は?」


彼女は恐る恐るそう質問すると首を傾ける三日月。


「私の事は覚えてないか……無理もない、最後にあったのは少学四年生だしな……それよりもだ!無事なら何故連絡をくれなかった……お前が誘拐されたと……あいつが死んだとニュースで見たとき、私は……私は……」


身体を震わせ悲しむ彼女には残酷だが、三日月が返した言葉は……


「さっきから何言ってんのあんた。“三夏”とか“誘拐”とか」

「な!?お、お前は『織斑三夏』だろう!?千冬さんの弟の!そして私の……『篠ノ之箒』の幼馴染みの……」

「篠ノ乃?箒?……なんか聞いたことあるような……」


んーと考えて、彼の頭に小さく豆電球が灯る。


「そっか、あんた記憶無くなる前の俺と知り合いだったんだ」


その言葉に、箒は驚きの色に染まる。


「何時から記憶無いか解んないんだけど昔の記憶が消えててさ。あ、そろそろ時間だ。あんたも早く戻った方がいいよ」


じゃ、と去っていく三日月の背中を、箒は見届けることしか出来ない。だが幾つか解った、彼……三日月・オーガスは間違いなく織斑三夏、そして今の彼は記憶を無くし三日月・オーガスと名乗り此処に居る。

何故かなど考えても無駄であろう、今自分ができるのは一つだけ、あの時居られなかった分、彼の側に居ることだ。


「三夏……」
 
 

 
後書き
新OPの新しいバルバトスの形態、気になります。 
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