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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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838部分:第百三十話 聖戦が終わりその三


第百三十話 聖戦が終わりその三

「今の聖戦はそのアテナおらずとも勝利したが」
「それについてはか」
「そうだ、それはどういうことだ」
 一人が言うのであった。
「人だけで勝利を収めたが」
「アーレスが油断したということはないわね」
 女の一人がそれはすぐに打ち消した。
「あれは」
「そうだな、アーレスは人であろうとも侮ることはない」
「それはしない」
「だとすると」
「まさか」
 話をしているうちにだ。彼等の中にある疑念が宿っていった。その疑念とは。
「人は神を超えることがあるというのか」
「それがあるというのか」
「有り得るのか」
「聞いたことがある」
 彼等の中でも一際高い席からの言葉であった。
「伝説の神衣というものがあるらしい」
「神衣といいますと」
「それは一体」
「何でしょうか」
「私も話に聞くだけだ」
 それだけだというのだ。
「だが。あるという」
「左様ですか」
「存在しているのですか」
「そう聞いている」
 今はこう話すだけだった。彼にしてもだ。
「しかしだ」
「しかし、ですか」
「それでもあるというのですね」
「その力ならば神も倒せるという」
 そこにいる者はこうして話していく。
「そう聞いている」
「しかし今はそれを使っていません」
「黄金聖闘士達と教皇の力を集めてです」
「そのうえでアーレスを倒していますが」
「黄金聖闘士にはそれだけの力があるということか」
 その者は彼等の言葉を受けてこう述べたのだった。
「つまりは」
「アーレスを倒したことがそれの何よりの証」
「そうだというのですね」
「そういうことになる。黄金聖闘士か」
 彼は黄金聖闘士達についても考えていた。
「思っていた以上に手強いのかもな」
「そうかも知れませんね」
「どうやら」
「彼等は」
 そこにいた誰もがだ。真剣な面持ちになっていた。
「アーレスは愚かではあっても神」
「我等と同じ存在です」
「そのアーレスを倒したとなると」
「若し戦う時は油断しない方がいいだろう」
 そこにある男が重厚な声になっていた。
「その時はな」
「人であろうとも集まればですか」
「神を退けることもあると」
「そうだな。若しその時が来ればだが」
 男はこうも言った。
「その時がな」
「左様ですか、それでは」
「今は、ですね」
「見ているだけでいい」
 結論はこれに落ち着いていた。
「それではな」
「はい、それでは」
「今はこうして」
「さて、面白くなってきた」
 男は今度は楽しむ様な声を出した。
「どうなるかな」
「それが見ものですね」
「地上の戦いが」
 傲慢なまでに高みに立った言葉を出す彼等だった。そのうえで今は見ているのであった。そして戦いを終えた聖域においては。
 
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