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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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792部分:第百二十二話 二つの顔その四


第百二十二話 二つの顔その四

「幾つもあるものだ」
「同じ技に違いを入れられるというのか」
「普通の者ならそれはできはしない」
 サガはここでこう言ってみせた。
「だがこのサガはだ」
「それができるか」
「そうだ、ギャラクシアンエクスプロージョンは無数の軌跡がある技なのだ」
「銀河の力を操るからこそだ」
 それが何故かも言ってみせる。
「銀河の力は無限だ」
「そしてその軌跡も無限か」
「その通りだ。それではだ」
「来るというのだな」
「行くぞ、ポポスよ」
 小宇宙がさらに湧き上がってだった。
 そのうえでの言葉だった。力はまさに最高まで高まろうとしていた。
 そしてそれはサガだけではなかった。ポポスもだった。
 彼もまたここでだ。こう言うのだった。
「さて」
「さて、か」
「私は別の技を出させてもらおう」
「その技を出すか」
「そうだ、出す」
 ポポスはこう言うのである。
「ここでだ」
「神の最大の技だな」
「如何にも」
「やはりな。そうか」 
 それを聞いても落ち着いているサガだった。
「それで来るか」
「驚きはしないのか」
「わかっていたことだ」
 だからだというのである。
「それもだ」
「そうか、わかっていたか」
「察していたと言ってもいい」
 こうも言い換えてもみせた。
「そう言おうか」
「そう言うのか」
「そうだ、言える」
 サガは構えを取ったまま冷静に返す。またしてもだった。
「容易にな」
「成程な。やはり貴様は黄金聖闘士の中でも随一の傑物だな」
「それを認めるというのか」
「我々は敵を認めることにやぶさかではない」
 ポポスは冷静に返してみせた。彼もまた冷静だった。
「全くだ」
「それだけの度量はあるというのか」
「オリンポスの神々とは違う」
 彼もまた、だった。ここで己の持っている嫌悪という感情を見せたのだ。
「全くだ」
「違うか」
「そうだ、全く違う」
 彼はまた言ってみせた。
「同じである筈がない」
「そこまで言うか」
「あの者達は確かに力を持っている」
 それは認めることだった。彼等に対してもそれを認めることはやぶさかではないのであった。この辺りは彼等にとって譲れないものだった。
「それは確かだ」
「確かか」
「そうだ、力は持っている」
 このことは確かに認める。しかしであった。
 言葉に明らかに棘があった。ポポスもそれを隠すことなくさらに言うのだった。
 
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