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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  なのはStrikerS ~出会いは激突から(二回目)~


「っあ~~~~~~ぁ。どこだ?ここ」


蒔風が降り立った世界を欠伸をしながら見渡す。
周囲は自然。超自然だ。

そんな場所の遠くの空から、爆発音が響いてくる。


「なんだよ、いきなり戦闘?よぅし、お兄さんがんば・・・・・・ん?」

張り切り出すお兄さん。
が、そこでふと自分の立ち位置をみた。




立っているのは細く均された地面。
走る二本のライン。

つまり



「レールの上?右・・・・・からは何も無し。左・・・・」


そうして左を見た瞬間、蒔風の景色がぶっ飛んだ。




------------------------------------------------------------



SIDE スバル


私ことスバル・ナカジマは、現在初任務中でっす!!
憧れの人と同じ部隊になっての初めての任務!
うー!張り切るなぁ!!頑張るぞ!!



「ほらスバル!浮かれてないで、行くわよ!!」


う、ティアに怒られちゃった・・・・
あ、ティアっていうのは私の親友、ティアナ・ランスターで、今は一緒に・・・・


「なにやってんのよ」

「アタッ!!」

「任務中よ!しっかりしなさい!!」


そうだそうだ
今から列車の真ん中車両にあるロストロギアを回収しに行くんだ。気を引き締めなくっちゃ!!


「よし、行っくぞーーー!!!!!!・・・・・・・・ってティアーーーー!!!」

「ったく!なによスバル!!!!!」


怒ってる場合じゃないよ!

「人が!!」

「はぁ!?」



SIDE OUT





リニアモーターカーが暴走している。
その前部から真ん中に向かおうとしたティアナとスバルが見たのは、一人の男性。

列車とは反対側のレールの先を見渡し、こっちを向いた。


その瞬間





バゴン!!クルクルクルクル・・・・・・・グシャッ!!!




男が列車に撥ねられて、ティアナとスバルの間に落ちてきた。


スバルとティアナはあまりにもいきなりの出来事に軽くパニック状態になる。
そりゃそうだ。目の前に暴走列車に撥ねられた人間が落ちてきたのだから。



「う、うわーうわーうわー!!?ど、どうしようティア!!」

「お、落ち着くのよスバル!!ってかこの人どこから来たの!?」



突然の乱入者(すでに重傷)に取り乱す二人。
そうこうしている間にも、俯せの男からジワ~~~~~~~と血が流れて来ている。


「スバル!あんたは応急処置を!私は・・・・」

なのはさんに連絡を、と言う前に、ティアナの目に映ったモノがその言葉を変更させた。



「スバルッ!後ろ!!」

「ッッッ!?」


蒔風を仰向けにしようと屈んだスバルの背後に巨大な球型をした機械兵器、ガジェット三型が機械のアームを伸ばして現れていた。


スバルが振り返り、それを視界に入れた時にはもう遅い。
蒔風に気を取られていたスバルにガジェットの攻撃が迫る。




ヒュボッ、ドォン!!!




そしてガジェットが爆発した。
スバルの真後ろから腕が伸び、そちらに振り返ると拳を突き出して、顔を真っ赤に染め上げている蒔風がいた。



「え?え?えぇ!?」

「あのガジェットを一撃・・・・・しかも素手で!?」


スバルとティアナが驚愕する。本日二度目だ。



「ったく・・・・・・良い感じでこっち着いたってのに、殺す気か!!!!!いきなり激突ってなんだ!!「奴」を前にして死んでしまうわ!!!」


蒔風がウガーッ!!!と怒りながら立ち上がる。
それに合わせたように周辺に集まってきたガジェット。

蒔風というイレギュラーを察知して来たのだろう。



「か、囲まれた!!」

「スバル!行くわよ!!」


ティアナとスバルが構えをとり、ガジェットを迎え撃とうとする。


「まあ、待てお嬢さんたち」


「お!?」

「お嬢さん!?」


しかし、二人を蒔風が止める。
その顔はにこやかだが、頭から血をダラダラと流し、かなり怖い。


「いきなりの激突、襲撃、そしてなんなんですかお前らは!?壊れたいの?壊されたいの?壊しちゃってもいいのかな!?力借りんぞ!!」


蒔風の腰にベルトが、手にはゼロノスベルトが現れ、それを構え、変身前に言ってしまった。


「てめぇら最初に言っておく!!!オレはかーなーり、強い!!!!!」

「ど、どれくらい?」



その言葉にスバルが思わず訊いてしまった。
ティアナがやめなさいよ・・・・とか言っていたが、蒔風は律義に答えた。


「世界最強、さ(ゴぽッ!!)」

「血を吐きながらあんた何言ってんのよ!?」


言いながら勢いで血を吐いてしまった蒔風にティアナが突っ込むが、そんなことは気にしない。
蒔風がカードを持って、変身する。


「まあ見てろ!!!デネブとかそういうの取っ払えるから、いきなりこっちだ!!!変身!」



《Vega foam》



ゴォ・・・・ン、ガシュウ!!!!


蒔風がゼロノスベガフォームに変身し、あーあー、と声を出す。

「やっぱこっちでも声変わんのか。じゃあ・・・・・」



そう言って胸を張って、蒔風がこう言いなおした。


「もう一度最初に言っておく!!!!!」

(ドキドキ・・・・・・)


蒔風の変身を見て、何かキラキラした目をし始めたスバルが、何を言うのか、期待していた。
それを見て、蒔風は


「胸の顔は・・・・・・・・」


((コクコク))


ついにティアナまで混ざった。
お前ら任務どうした。



「ただの・・・・・・・飾りだぁッ!!!!!!!」


「「飾りかよッ!!!!」」


「ってかあんた、まさかそんな怪我でホントに戦うつもりじゃ・・・・・」

「だ ま れ。オレはイライラしてんだ。このコバエどもを《Full Charge》・・・・消し飛ばすまでなぁ!!!!」





ドンドンドンドンドン!!!!!!




ゼロガッシャーをボーガンに組み上げ、片手でガジェットを狙ってフルチャージ「グランドストライク」を撃ち放つ。
命中したガジェットに黄色く「V」字のエネルギーが刻まれ、爆発する。


「ッしゃあ!!!!!どんどん行くぞ!!!!」




ドドドドドドドドドドっ!!!!!!





次々とガジェットをぶっ飛ばしていく蒔風。
それを唖然として眺める二人。


そんな二人に、通信が入る。



『二人とも、なにしてるですか?早く進んでくださいです!!!』

それは先に列車の制御を取り戻そうと運転席に向かったリィンフォースⅡなのだが、その通信にティアナが呆れるやら慌てるやらで答えた。


「い、いえ、でもですね、どう見ても一般人がガジェットを・・・・・」

『一般人ですか!?無事なんですか!?』

「いえ・・・結構大丈夫な・・・・あ、でも重傷でした・・・・えっと・・・・」

「重傷だけど元気に戦ってガジェットをぶっ飛ばしてます!!!」


『どんな状況ですかそれ!?』


「うはははははははーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」



蒔風、絶好調である。
ちなみに骨は折れてないが、ダメージはかなり来ている。
普段ならこの程度で息を切らす彼ではないのだが、すでに呼吸は荒く、肩が上下して、如何にも苦しそうだ。



「と、とにかく来てみてみればわかります」

『しょうがないですね・・・・・・今行きますから!!!』


そう言って通信が切れる。


と言っても来るのはすぐだ。
コックピットは前にあり、二人がいるのもリニアの最全部の屋根の上にいるのだし。



「で?どの人です?」

「あ、あの人なんですけど・・・・・」

「・・・・・・・・」


リィンがその人を見る。
一瞬知ってる気がしたが、そんなことはないなとすぐに否定し、話しかけた。


「こらーーーー!!!どこの誰だか知りませんが、早急に戦闘をやめて治療を受けてください!!!ティアナ、怪我はどれくらいです?」

「激突・・・・・・」

「は?」

「・・・・・・リニアと正面衝突しました(ダラダラダラダラ)」

「とんでもない重傷じゃないですかそれ!?は、はやく・・・・・」



「あぶねえ!!!!!!!」



リィンが蒔風を力づくでも引っ張りこもうとする。
だがそれよりも早く、リィンを抜いて、ティアナスバルの背後に走る蒔風。




ドォン!!!!!!





そこに出現したガジェットと蒔風がぶつかり合う。

とっさに庇った蒔風が、来た道を戻るように跳ね飛ばされ、列車から落ちる。
その先は崖になっていて、下は森だが、落ちたらタダでは済まない。



「ああ!!!!」

「そんな!!!!」


スバルとティアナが列車から落ちた蒔風を追い、落ちた先を見に行こうとする。
だがその脚は一歩も出ることなく、ガジェットに足止めされてしまった。


「ッ!!!」

「邪魔よ!!!・・・・・ん?」


ティアナが耳を押さえて、何かを聞きとる。
それにスバルがどうしたのかと聞いた。


「なんか聞こえない?汽車みたいな」

「汽車・・・です?リィンには何も・・・・・」

スバルとリィンも耳をすませ、その瞬間、それは聞こえてきた。






ブォン、ブォーーーーーーーン!!!!!!!






「ほら聞こえた!!!」

「どこから!?」

そしてスバルのその疑問はすぐに解消された。


崖の下からレールが延びてきて、その上をゼロライナーが走ってきたからだ。



「落ちるかアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


そのコックピットでは蒔風が運転をしていた。
ゼロライナーはリニアと並走し、徐々にその距離を縮めて行く。

だがそれを簡単に許すガジェットでもなかったようだ。
列車上のガジェットが一気にゼロライナーに殺到する。

だがその勢いに跳ね飛ばされて行ってしまって歯が立たない。


そして次に狙ったのは




「レールを狙うか!!!この野郎!!!!」




レールにアームを絡ませ、ビームで破壊し始めたのだ。


その歪んだレールにゼロライナーがガタガタと揺れ始める。



「スバル!!行くわよ!!」

「うん!!!」


そしてついにスバルとティアナが動き出そうとした。







「お前ら!!!頭引っ込めてろ!!!下手したら首取れんぞ!!!!」


「なっ!?」

「は!?」



ゼロライナーから(デネブの声で)蒔風の警告が飛んでくる。


そして次の瞬間、レールに跳ねあげられ、ゼロライナーがジャンプして脱線した。



「あッ!!!」

「脱線した!!!!」



が、それで終わるこの列車ではない。
空中で前後の車両を入れ替え、前になった車両の上部が少しだけ持ちあがり、バラバラバラバラ、とそこが回り始めた。



「と、飛んだ!?」

「ヘリコプター!?」

「も、もう列車じゃないです・・・・・」



三人がポカーンと呆れる。
そうしていると、先に後ろ車両をレールに下ろし、その後ろに前車両が降りて連結することでもう一度前後入れ替わってからゼロライナーがリニアの前に降りる。






「連結!!!」

そしてリニアと連結する。
もちろん互換性などない。だがら連結用のアームを強引にリニアの前部に噛みつかせて連結させる。

ゆっくりと列車の勢いが弱まり、そして止まる。
その間に次々とガジェットがゼロライナーに群がっていくが、出てきたドリルやナギナタのプロペラに巻きあげられ、粉砕されていく。



ガシュウウウウウウウウウウウウ・・・・・・・・・・・・・・・・



「ティアナさん!!スバルさん!!!目標を確保しました!!!・・・・ってなんですかこれ?」

「さ、さあ・・・・・・」

完璧に取り残されてやってきたのはエリオとキャロだ。
すでに小さくなってしまってる龍、フリードもいる。


取り残されている、という点ではティアナ達もどっこいどっこいだ。
完璧にわけがわからない。

その眼の前で、ゼロライナーが光の粒子になって一瞬で消えた。
そしてリニアの上に、蒔風が飛び乗ってきた。

それを見た五人は









「「「「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」」」









それはもう壮絶な悲鳴を上げた。

無理もない。
出てきた男は胸から頭から血をダラダラと流し、それでいてニカッ、と笑いながら近づいてくるのだから。


「う・・・そんなにビビんなよな・・・ゲボァ」


ドシャッ



そして倒れた。
血を吐いて、盛大に倒れた。


国語辞書の「倒れる」とかの欄に乗せたいくらいだ。



御覧ください、これが「倒れる」と言う事でございます。




「きゃあああああああああ!!!!!は、はやっ!!早く治療治療!!!!」

「エーとえーと!!!包帯!!包帯ですぅ!!!!」

「キャロ!!!早く治癒魔法!!!!」

「は、ハイ!!!!」


そうして包帯でぐるぐる巻きにされる蒔風。
この時、すでに意識はなく、このままその体は彼女たちの部隊、機動六課の隊舎へと運ばれていった。






to be continued
 
 

 
後書き

アリス
「何という出会い」

なのは達とは未接触に終わってしまった・・・・・

アリス
「にしても今回蒔風いきなり撥ねられましたけど大丈夫なんですか?」

大丈夫、ギャグ補正だからすぐ治る。

アリス
「身も蓋もない事を・・・・・」






アリス
「次回、そして再会」

ではまた次回














全力全開、手加減なし!
 
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