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提督はBarにいる。

作者:ごません
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提督と艦娘達の夏休み~BBQ大会編・3~


 さて、飲兵衛共もその内寄ってくるだろう。そんな奴等の為に枝豆とモロコシも調理しておかんといかんだろうな。まずはビールの親友・枝豆を2種類の味付けで。

《美味しく茹でよう!枝豆の塩茹で》

・枝豆:300g

・塩:50g

・水:1300cc

 枝豆は軽く水洗いした後に水気を切ったら、房の両端を少し切り、塩10g(約小さじ2)で塩揉み。そのまま5分放置。

 水1300ccを沸かし、塩40gを入れる。塩が溶けたら塩揉みした枝豆を加え、丁寧にアクを取りながら6分間茹でる。ザルにあけたら扇風機や団扇を使って冷ませば完成。



《食べたら病み付き!枝豆のペペロンチーノ》

・枝豆:1袋(500g)

・オリーブオイル:大さじ1

・にんにく:1片

・鷹の爪:適量

・塩コショウ:適量

・醤油:小さじ2


 まずは上記のやり方で枝豆の塩茹でを作る。塩加減は上のレシピよりも少な目をオススメする。フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくをスライス、鷹の爪を小口切りにしてフライパンの中へ。にんにくの香りが立ってきたら枝豆を投入。サッと炒めて絡めたら、塩コショウと醤油で味を調整すれば完成。ピリ辛の枝豆が止まらなくなり、ビールが進む進む。お次はとうもろこしの調理をしていくぞ。

《甘味際立つ!とうもろこしの茹で方》

・とうもろこし:食べたいだけ

・水(茹でる用):適量

・塩:4g

・水(調味用):50cc

 皮は数枚残して髭もむしらずに残しておく。鍋に水を張り、塩は入れずに水から茹でていく。塩を入れると浸透圧の関係で実の水分と共に甘味や旨味の成分が溶け出してしまう為に入れない。

 水から茹でて沸騰したら、アクを取りつつ4~5分茹でる。茹で上がったら湯からあげて、水などかけずにそのまま冷ます。冷めたら皮を剥いて髭を取り除き、塩4gを溶かした塩水を塗って完成。すぐに食べない場合には皮を剥いてラップにくるんでおこう。次は茹でるより美味いと噂の『蒸しモロコシ』を。



《茹でるより甘い!?蒸しモロコシ》

・とうもろこし:5~6本

・食材ではありませんが蒸し器をご用意下さい(当たり前)


 とうもろこしというのは足が早い。腐りやすい訳ではないが、糖度や瑞々しさが著しく落ちやすい。なので、収穫したらなるだけ早く火を入れて、その味を閉じ込めなければいけない。※ちなみにだが、とうもろこしは朝採りがオススメだ。

 もろこしは皮を1枚だけ残して全て剥き、茹でた時と同様に髭はまだ取り除かない。蒸し器に水を張り、沸騰して湯気が立ったらもろこしを並べて蓋をし、中火に火を落としてそのまま8~10分蒸す。

 10分経ったら蓋は取らずに2~3分蒸らす。蒸し上がったら急いで皮を剥き、髭を切り落として保存するのはラップでくるむ。そのまま食べるなら茹でもろこしに使ったのと同じ濃度の塩水を塗るなり、そのままかぶりつくなりしよう。

「お、美味そうじゃないか。私にも1本くれ」

 蒸し上がりを確認する為に1本味見していると、我慢できなくなったのか武蔵が寄ってきた。

「しょうがねぇなぁ……ホレ」

 熱々のもろこしを投げてやると、お手玉しながらアチチチ……と言いつつも、両手で持ってかぶりついた。途端に弾けるジュースと旨味。武蔵も驚いたのか目を見張っている。


「おぉ……!蒸した方が茹でるより甘いじゃないか、これは新発見だ」

 夢中になってシャクシャクと食べ進める武蔵の顔は、戦っている時の鬼神もかくやという鬼気迫る表情ではなく、あどけない女性のそれだ。そのギャップに少しどきりとしてしまう。

「ん?……提督よ、顔に粒が付いているぞ」

「あ?どこだよ、恥ずかしい……」

「どれ動くな、今取ってやる」

 そう武蔵が言った瞬間、近付いてきたのは武蔵の手ではなく、顔。おいまさかーー

 チュッ。唇が頬に吸い付いた。硬直する俺(と呆然とする周囲)に構わず、武蔵はチュウチュウと吸い上げている。数秒後、

「ぷはぁ。……よし、取れたぞ」

「よし、じゃねぇよ!何をこっ恥ずかしい事してんだお前は!」

「あっはっは!今更そのくらいの事で照れるような間柄じゃ無いだろうに。それとも何か?私に惚れ直したか?ん~?」

 そりゃあカッコカリとはいえケッコンしてる身だ、チュー位では何とも思わんが。

「それでも時と場所を弁えろ、馬鹿野郎」

「嫁さんの真似のつもりか?似てないぞ」

 嘘偽らざる本心だよこの野郎!周囲の視線が痛々しいんだよ!特にお前の姉とその隣のビッグセブン(笑)からの!




 さて、気を(ムリヤリ)取り直して調理に戻る。お次は大和の食べたがっていた焼きもろこしだ。だが、普通の焼きもろこしじゃあつまらんからちょっと変わった焼きもろこしを2種類。

《片手で食べやすく!ガリバタ醤油の焼きもろこし》

・とうもろこし:食べたいだけ

・バター:1本に付き10g

・醤油:1本に付き大さじ1~1.5

・おろしにんにく:1本に付き小さじ1

 この場ではさっきの蒸したもろこし(味付け前)を使用。家でやる時には皮を1枚と髭を残して水に濡らし、ラップにくるんでレンジで3分くらい加熱が手軽だぞ。

 火を通して柔らかくなったもろこしを、3cm幅に輪切りにしていく。こうすればバーベキューの時なんかでも片手で食べやすくなるからな。鉄板(家庭ではフライパン)に本数に合わせたバターを溶かし、輪切りにしたもろこしを焼いていく。いい具合に焼けたらおろしにんにくと醤油を合わせて作ったにんにく醤油を回しかける。途端にジュワッとにんにく醤油が沸騰し、周りに立ち込める焦がし醤油とバターとガーリックの混合臭。く~っ、たまらん。誰かビール取ってくれ、と言おうとした所に

「はい、司令官♪」

 キンキンに冷えた缶ビールを手渡して来たのは村雨だった。

「おぉ、悪いな村雨。ありがとよ」

「べっつにぃ~?司令官と武蔵さんがイチャイチャしてるの見せつけられて、熱くなって喉乾いちゃったから、そのついでよ」

 そう言いながら膨れっ面でビールのプルタブを起こす村雨。お前までご機嫌斜めかよ……少しはご機嫌取りしとくかな?

「そいつぁ悪かったな。つってもありゃ武蔵の悪ふざけだ、出来る範囲で何でもやるからよ、機嫌直してくれや」

 俺がそう言った瞬間、村雨の目が怪しげに輝いた。

「ホントに?何でもいいの?」

「お、おぅ。出来る範囲での事ならな」

「じゃあ……明日の夕方から街で縁日があるの。だから…村雨とデートして♪」

 ゴフッ。思わずビールに噎せ返った。ゲホゲホと咳き込んでいると、

「……ダメなの?」

 すがるようなウルウルとした眼差し。そういう目をやめろ、俺ぁそういうのに弱いんだ。

「わかった、わかったよ。付き合ってやるから機嫌直せ」

「やったぁ!提督さんだ~い好き!」

 そういって抱きついてきた村雨のボリュームは、いやはや駆逐艦とは思えぬ柔らかさで……。

「提督?金剛さんに言いつけますよ?」

 ……はい、はしゃぎすぎました。だから金剛への密告は勘弁してくれ大和。もう1種類、今度は海外の焼きもろこし作ってやるから。


《キューバの味!グリルドコーン》

・とうもろこし:2本

・粉チーズ:大さじ6~10

・マヨネーズ:大さじ2

・チリパウダー:少々

・ライム(あれば):1/4個

 こちらも茹でるか蒸すかしたとうもろこしを使用。表面全体にマヨネーズを塗り、バーベキューでやるなら焼き網で、家庭でやるなら魚焼きグリルで、こんがりと焼き目が付くまで焼く。大体10分位かな?焦げ過ぎないようにこまめに引っくり返すのを忘れずに。焼けたらたっぷりと粉チーズをふりかけ、チリパウダーを少々かければ完成。チリパウダーがなければ一味唐辛子でも代用できるぞ。

「ホレ、これでも食って機嫌直せ」

 グリルドコーンを大和に手渡してやると一口かじり、美味しかったのか無言でシャクシャクと食べ進めていく。これで少しはマシになったかと視線を外すと、大和の方から咳払いが聞こえる。見ると、わざとらしくほっぺにとうもろこしを付けてやがる。そして何かを訴えるような視線がチラチラと。……まさか、武蔵がやった『アレ』を俺にもやれと?しかも俺から進んで。

「もろこし、ほっぺに付いてんぞ」

「もう……もう!」

 大和は真っ赤になって憤慨していたが、誰が出来るかあんなこっ恥ずかしい真似。
 
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