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提督はBarにいる。

作者:ごません
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冷めても美味しいお弁当講座・サブのおかず編


 メインの肉類のおかずの要点は理解してもらえただろう。お次は野菜を中心に据えた副菜……サブのおかずを作っていこうか。そこで便利なのがこいつだ。

「あ、シリコンのおかずカップ!私も使ってますよ、便利ですよね~、これ!」

 そう、最近流行りのシリコン製のおかずカップ。使いきりではなく洗って何度も使える上に、冷凍も出来るので常備菜を小分けにカップに入れて、専用の保存ケースごと凍らせれば忙しい朝には弁当箱にそのまま放り込むか、軽くチンして入れるだけ。かなり助かる強い味方だ。

「コイツを使って作りおき出来るおかずとか、大量に作って保存が利く副菜を中心に教えてくからな」

「はい、よろしくお願いします!」

 んじゃまずは豆腐を使った和風ミニグラタンから。


《決め手は味噌!豆腐の和風ミニグラタン》

・木綿豆腐:150g

・冷凍コーン:1/2カップ

・片栗粉:大さじ1

・味噌:大さじ1

・ピザ用チーズ:適量

・お好みの追加したい具材:適量


 調理は手早く行こう。しっかりと水気を切った木綿豆腐に、味噌、片栗粉、コーン、それに細かく刻んだ具材を入れて豆腐を崩しながら混ぜる。耐熱性のシリコンカップを準備し、中に具材を流し込む。後は上にチーズを散らし、180℃のオーブンで20分焼くだけ。

「うわ、簡単ですね!」

「まぁ、朝の忙しい時間帯にゃオーブンなんて使ってらんねぇだろうから、事前に作っておくのが良いだろうな」

 このグラタン、作って3~4日なら保存が利く。(凍らせると豆腐が変質するので×)カロリーが気になるならチーズを載せずに焼いても美味いし、アレンジの幅は広いぞ。後は注意点としてはシリコンカップの性能かな。オーブンやレンジに対応してない奴もあるから、事前の確認は怠らないように。知り合いでシリコンカップがオーブンに焦げ付いて大惨事、をやらかした奴がいるからな?



「お次もシリコンカップの特性を活かした一品だ。メニューは『肉じゃがグラタン』と『ブロッコリーのチーマヨ焼き』だ」

《夕飯の残りをリメイク!肉じゃがグラタン》 

・残り物の肉じゃが

・とろけるチーズ

 材料はこれだけ。手順も簡単、残り物の肉じゃがを温めて汁気を軽く飛ばし、耐熱性のシリコンカップに入れて、上にとろけるチーズを乗せる。後は好みのチーズの焦げ具合になるまでトースターの中へ。意外な組み合わせに思えるかもしれんが、出汁や醤油とチーズは合う。肉じゃがは冷凍も利くから、小分けにして取っておけば作る時に取り出してチーズを乗せて焼くだけだから便利だぞ。

※冷凍が利く、といっても限度があります。悪しからず


《茹でて乗せて焼くだけ!ブロッコリーのチーマヨ焼き》

・ブロッコリー:適量

・マヨネーズ:適量

・とろけるチーズ:適量


 こっちも簡単で豪勢に見える、主婦には助かるおかずだな。

 軽く塩を入れてゆでておいたブロッコリーを耐熱シリコンカップに入れて、上にマヨネーズとチーズをかけ、肉じゃがグラタン同様トースターで焼くだけ。ブロッコリーは予め茹でて冷凍しておいてもいいぞ。2~3ヶ月は保ってくれるからな。余ったらシチューなんかにぶちこめば冷凍焼けを起こして食材を無駄にする、なんて事もない。最悪茹でて凍らせておいたブロッコリーを、マヨネーズを入れておいたシリコンカップに入れるだけでも一品になるしな。

「でも意外です、提督は作ってすぐに食べる料理が専門だと思ってました」

「バカ言え、『弘法は筆を選ばず』って言うだろ?俺は余程凝った料理でなけりゃあ得意なの」





 元々学生の時分には既に、我が家の台所の半分は俺が仕切っていた。多い時には(自分の分を含めて)5人分の弁当を、朝の限られた時間で作らにゃいかんかったからな。自然と常備菜やら弁当向けの料理の作り方が身に付いた、ってワケさ。

「ご、5人分ですか……大変ですねぇ」

「ウチのお袋も苦労したろうさ。何せ俺がこっちに移住してから一番下の妹が出来たからな」

「え゛っ?」

「いやぁ、俺もびっくりしたもんさ。珍しくお袋から電話が来たと思ったら、『妹出来た、もう6ヶ月だって……』だもんなぁ」

 ケラケラと笑う俺の横で、まさに茫然と言った表情の五月。

「という事は幾つの歳の差なんですか?」

「え~と……21だな。ったく、ウチの親父が猿過ぎるんだよなぁ、だって55で妹こさえてんだぞ?帰れるなら速攻で帰ってバカじゃねぇのかとぶん殴ってやりたかったね」

 ウチの親父は最近怪我をして大工は引退したらしいが、アッチの方は未だ現役、今も若いねーちゃんの尻を追っかけ回してお袋とバトルを繰り返してるらしい。全く、活きが良すぎるぞ、親父よ。

「それ、下手すると提督の隠し子だとか疑われません?」

「はぁ?ないない、地元に居たら勘違いされるかもは知れんが、それは流石にねぇよ」

 話がウチの家庭事情の話に逸れてしまったな。本筋に戻ろう。





「こっからは弁当によく入っている野菜のおかずをオレ流にアレンジしたメニューを幾つか伝授するぞ」

「は、はい。お願いします!」

「まずはきんぴらごぼうをアレンジした炒め物だ」

《洋風アレンジ!ごぼうのツナマヨ炒め》

・ごぼう:150g

・コンソメ:小さじ1/2

・ツナ缶:1/2缶

・マヨネーズ:大さじ2

・黒胡椒:お好みで

・白いりごま:適量

 まずはごぼう。ささがきにして灰汁抜きをしておく。灰汁抜きが出来たらフライパンにごぼうとコンソメ、水を大さじ5入れて蓋をし、ごぼうが柔らかくなるまで蒸し煮にする。

「ごぼうをコンソメ煮にするって珍しいですよね、何でこんなメニューを?」

「あぁ、きっかけは俺の弟だな。きんぴらごぼうに飽きて食わなくなったから、違う味付けにすれば食うかと思ってな。試しに洋風の味付けにしたんだ」

 コンソメだけでなく鶏ガラスープの素を使ってみたり、味覇(ウェイパァー)を使って中華風にしてみたりしても、普段のきんぴらとは違う味付けになって面白いぞ。蒸し煮にしていたごぼうが柔らかくなったら、ツナ缶を汁ごととマヨネーズを入れ、水気がなくなるまで炒め、仕上げに白いりごまと黒胡椒を振れば完成だ。……個人的には味を引き締める意味も込めて黒胡椒は是非振って欲しいがね。


 お次はひじきの煮物をアレンジ。こっちにもみんな大好きツナ缶を使ったアレンジだ。

《意外にサッパリ?ひじきの梅ツナ煮》

・ひじき(乾燥状態):20g※下処理として水に戻して洗っておく

・干し椎茸:3枚※水に戻しておく

・ごま油:適量

・ツナ缶:80g(一缶)

・出し汁:250cc(干し椎茸の戻し汁50cc、昆布出汁など200cc)

・酒:大さじ3

・醤油:大さじ1

・梅干し(種付き):15g

 手順は普通のひじきの煮物と大差ない。ごま油をフライパンで熱し、水に戻したひじきを炒める。ある程度炒まったら適当な大きさに刻んだ干し椎茸を加えて更に炒め、ツナ缶を汁ごと加えたらすぐに出し汁を加える。更に酒と醤油、種を取り除いて叩いて梅肉にした梅干しを加えたら、サッと混ぜて落し蓋をして強めの中火で15分くらい煮詰めれば完成。

「結構ツナ缶を使う事が多いんですね」

「ツナ缶は手軽だしなぁ。簡単にコクが出せるし、何より何にでも使い易い」

 弁当に限らずツナ缶は色んな料理に使い易い。サラダに炒め物、煮物、揚げ物、おにぎりの具のツナマヨなんてのは最早定番過ぎるだろう。使い易いからこそアレンジの幅は広い。自分なりのレシピを作ってみるのも面白いぞ。 
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