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奇妙な暗殺教室

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交流の時間その2

 
前書き
タイトルが前回とダブっているって?
逆に考えるんだダブっちゃっても良いさと
 

 
俺がE組に転入して3日がたった。だか、未だに俺は殺せんせーに暗殺を仕掛けていない。というより情報が無さすぎて仕掛けるに仕掛けられないと言うのが正しいかな?





今の所使えそうな情報は渚のメモによるとテンパるのが早い…カッコつけるとボロがでる。この2つぐらいだ正直もう少し様子を見たいと思っている。




そして今日は新しい英語の教師が来ると聞いている。だが、俺はその英語の教師は間違いなくカタギの人間じゃあ無いと思っている。
と言うよりあんなタコがいるのに普通の人間を呼ぶわけない




まぁ期待はしていないが俺が暗殺を仕掛ける時の参考になる情報は引きずり出してくれれば幸いだ。





「やれやれ…面倒な奴なら勘弁してもらいたいものだが決まったものはどうしようもないし今はこっちの問題を解決するか……」






俺は何時もの様に早起きをして何時もの様に鳥の囀りとともに心地の良い一時を過ごしていた。だが、俺は何時もの様にこの一時を楽しめないでいた。その理由は……






「そこの茂みの中にいる三人組!そろそろ出てきな!」





丈一郎がそう言い呼びかけると草むらの中から……小さな声が聞こえてきた




「陽菜ちゃん!中村さん!やっぱりバレちゃってるよ」




「あれれ?昨日烏間先生から気配の消し方を教えて貰ったからバレてないと思ったのに」




「昨日!?陽奈ちゃん!私聞いてないんだけど!ていうか付け焼き刃なんじゃないの!?」



「やっぱりダメかな?」



「ダメだよ!」




と聞き覚えのある2人の女子の賑やかなやり取りをし始めた。





「やれやれ……とりあえず監視じみた事に関しては怒ってねーからさっさと出てきてくれ」




俺はハンモックから降りながらそう言うと申し訳なさそうな仕草で茂みの中から見覚えのある3人の女子が現れた。



「流石ジョジョだ。私達の尾行を見破るなんてね」



「やっぱり付け焼き刃じゃダメか〜」



「2人とも……そりゃあ付け焼き刃の尾行じゃあバレるよ」





1人は転入初日俺の事をジョーちゃんと呼んだ天真爛漫という言葉が似合う倉橋陽菜乃と
いつもその倉橋と一緒にいるポニーテールの女子に…昔ちょっとした出来事で顔なじみの中村莉桜の3人だった




「やれやれ…やっぱり中村と倉橋か…それにいつも倉橋と一緒にいるツレの……確か矢田とかいったな」




「あ、はい!陽菜ちゃんの友達の矢田桃花です」




そういう矢田は尾行して居た事がバレて申し訳なさそうな表情をしていた




「やれやれ…ここ数日面識はあるが直接話した事は無かったから改めて自己紹介しようか東城丈一郎だ。名前は東城でも丈一郎でも好きに呼んでくれて構わないがジョーちゃんは無しだ。これから一年間よろしく」



俺はそう言い右手を差し出し握手を求め



「よ、よろしくお願いします」




矢田も握手で応じるが表情がまだ固い…あれか?転入初日のアレがまだ効いているのか?





「やれやれ……さて、どうせ中村が企てたんだろうが……俺が学校に向かう山道の辺りから尾行したのには理由があるんだろ?」




「ありゃりゃ…やっぱり分かる?」




俺がそう言うと中村はニヤッと笑みを浮かべる




「俺の予想だと倉橋と矢田が何か話していたところにお前が面白そうだと思いしゃしゃり出てきて決行した…というところか?」




「あらら……正解だよ。ジョジョの洞察眼と推察は冴え渡っているね」





よく言うぜ…お前ほどの奴なら直ぐにバレる事も…バレたとしても大してダメージがない事も分かってて行動している癖に




「まぁいい…そう言うことにしておく」



「流石ジョジョ分かってるぅ〜〜」




そう言い俺の横腹を小突いて茶化してくる中村を無視して丈一郎は本来の本題に戻る様に倉橋と矢田に促す




「それで二人は俺な何の用なんだ?」




「あれ?ジョジョ無視?」



そうだ無視だ。いいから黙ってろ話しが進まん……というのを目で伝える為に威圧するとヤバイと思ったのか中村は大人しくなりその光景を見ていた倉橋と矢田は苦笑いを浮かべる




「あはは…えーとジョジョっていつも朝早く来ているから何しているのかな?って思って桃花ちゃんと話していたら」




「中村さんが面白そうだから確かめようって話になって…」




待て待てそれは面白いのか?正直何が面白いのか俺には全く分からないのだが…気にしたら負けな気がするから…触れないでおこう。




「なるほど…別に深い意味はない。俺は不良共に絡まれるのが嫌だから朝早起きして時間を潰しているんだよ」





まぁ…これも間違いじゃないが本音はもみ消すのが前よりも辛くなったというのも大きいというのだがな。
前はちょっと先公の弱みを使っておど……お話すると簡単にもみ消していたがE組となるとその手はほぼ効かない。こいつらの前じゃあ言えない事実なんだけど




「それで?まさか…それを聞くためだけに態々朝早く学校に来たのか?」




「うん、そうだよ」



さも当然の様に答える倉橋に流石の丈一郎も苦笑いを浮かべる。



「そうだよって……お前らこんなにことの為に態々朝早く学校に来て…実はアホなのか?」



俺がこの校舎についたのは午前6時半ぐらいだ…他の連中が何時に来るのは知らんがそこまで早く来るのは俺ぐらいだろうに…やっぱりこいつらって相当アホなのか?それともあのタコのせいで感覚鈍っているのか?




「だってさ〜ジョジョって本校舎にいた時からバリバリの不良で有名だったのに授業とか真面目に受けてるし…噂とは真逆で意外だからね」



「うん……授業も真面目に受けない怖い人のイメージだったから真面目に授業受けてしかも放課後とか殺せんせーに授業の質問してたりするのを見てると……ね?」




「ほほぉ〜〜可愛いお嬢様達が相違おっしゃっておりますが、ジョジョさんそこら辺どうなんですか?」




上から倉橋、矢田、中村が丈一郎に対する疑問を問いかける中、丈一郎は彼女たちの疑問などう答えれば良いか迷っていた。




「(さて……どうする?俺の夢を下手に話せばこいつらが俺にとって邪魔な存在になり兼ねない…かと言って嘘を言えばなまじ鋭い中村が勘付く……まぁ嘘を真実で固めれば問題ないかな?)」





言う方向性が決まった丈一郎は今彼女達か知りうる事実を織り交ぜながら語り始める。




「最初の自己紹介でも言ったが俺はトラブルが嫌いだ。トラブルは俺の目指す夢の大きな障害にしかならない。そんな障害に態々飛び込んでいくなんてバカのする事だと俺は考えている。だから俺はその障害を避ける為の努力をしている」




事実、俺はトラブルが嫌いだ。この不幸体質のお陰で俺は今まで碌なことがない。生と死の境目に立ち死にかけた事だってざらにある。俺はある夢を叶えたい。それを叶える前に死んでしまったら元子もない。だから俺はトラブルが嫌いだ。




「そして俺はトラブルを回避する為に中国の兵法書の孫子を参考にしている。その中の1つに『百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。』と言うものかある。」




「え?百戦百勝は善の……なにそれ?」



「つまりどういう事?」




いきなり小難しいワードが出て来たので中村と倉橋は首を傾げる。




「分かりやすく言うと戦って勝ち続ける事は好いことだと思うかもしれないが、実はそうでもない。勝ち続けたとしても、犠牲を伴ったり、高いリスクがある勝負を繰り返していれば、負けた時に甚大な被害を負い命取りになることもあるってことだ。」



怨みっていうのは恐ろしい物で時に人間ではとても出来ないような事をしでかす時がある…それだけ怨みっていうのは恐ろしい物なんだ……それに怨む気持ちもわからなく無いしな




理屈じゃあないんだ。たとえ命拾いしたとしても、負けた相手たちの恨みや復讐心は消えることがない。怨みっていうのはそういうものだ。




「理想は、苦労する事なく戦わずして勝つことだ。武力行使は、あくまでも最後の選択肢だ。それ以外の解決方法があるのならそっちの方が良いだろ?」




事実の優れた人物は労する事なく勝利を得る。例を挙げるすれば、かつて三国志の英雄の一人に数えられる劉備玄徳に使えた軍師、諸葛亮孔明は僅か5千程の兵力で曹操の忠臣、夏侯惇率いる10万の軍勢を樹木が多い茂る森林に誘い込み奇襲と火攻めで10万の軍勢をたった一夜のうちにほぼ全滅させただけでなく大量の武器と食料を敵から分捕ったらしい。しかも、この戦いは諸葛亮孔明の初陣だった。初陣でこれ程の活躍をした諸葛亮孔明はやはり天下の奇才なのだろう。




「俺は今できる最善を尽くし不利な条件を有利な条件に変え自分の武器にするぐらいの気概を持って俺は毎日を生きている。だから放課後あのターゲットにも教えを請うし…早起きして無駄な争いを避け祝福の一時に変える様に努力する。それが俺の行動理念であり全てだ。」




丈一郎が話を終える頃には先ほどまで茶々を入れていた中村を含めて3人の表情は真摯な顔つきに変わっていた。それだけ彼の話は3人の心を大きく響かせる物だったのだ。




「さて…俺の話はこれで終わりだが、こんなんで良いか?正直これ以上話せる事なんて無いんだが」




「う、うん……凄く為になったよ」



倉橋の額に汗が伝う。春先とはいえ朝はまだ肌寒い季節…それなのに額に汗が伝う理由は彼女自身分かっていない。唯一わかる事は目の前にいる青年は自分達がいま立っている場所とは比べ物にならないほど高い場所にいて、今の現代社会に存在する14歳の人間じゃあ見ることの出来ない『何か』を見据えている底の知れない人という事実だけであった。




「それじゃあ俺は今から寝てもたいして寝れないから教室に戻る。じゃあまた教室で」




そう言い3人に背を向け教室に向かおうと足を進めようとしたその時!



「待って!」



丈一郎を不意に矢田が呼び止める



「最後に聞かせてくれない?そこまでして東城君が叶えたい夢は何?」



矢田の言葉に丈一郎は足を止めた。そして振り返り矢田の目を見てこう言い放った。



「俺自身が心から幸せだといえる様な人生を生きる事……そして俺がある人から教わった『黄金の精神』という名の正義の輝きを次の世代を受け継いでもらうこと…それが俺の夢だ。」




そういう彼の言葉は一言で表すのなら『希望』を感じされるほど気高い言葉だった。しかし、その言葉を発した彼自身の目はその真逆……『深く』『暗く』…それでいて『静か』で一点の曇りのない澄んだ目をしていた。



「他に聞きたい事は?」



「うん…もうないよ。ありがとね態々時間とらせちゃって」



この時彼女は嘘をついた。本当はまだ聞きたい事は何個かあった。しかし、聞く事は出来なかった。丈一郎の目は矢田の事を見ていなかった。これ以上踏み込んでくるなという凄みが滲み出てきた物が矢田桃花という存在を完全に否定していたからである。




「気にしてない。偶にはこういうのも悪くないからな」




丈一郎はそう言うと何も言わずに教室に戻っていった。


















そしてそれから数十分後、丈一郎は授業の準備を終え席に着いていた。だが、いつもと様子が違った。




「ねぇジョジョ…」



「なんだカルマ…いまテメェーと話す気分じゃあ無いんだ要件があるなら30文字以内で簡潔に述べろ」




「じゃあ遠慮なく…なんでそんなに分かりやすく落ち込んでんの?」




丈一郎は目に見えて分かりやすいぐらいに落ち込んでおり、いつもの毅然とした態度とはかけ離れていた。




「別に……自分の未熟さのせいで死にたくなっているだけだ。」




「はぁ?意味わかんないんだけど」




カルマがそう言い頭を抱える中、丈一郎は自分の心の中で自分の未熟さを恥じていた。




ちくしょう……昔ほどじゃあ無いがあの事を思い出すと気分が沈んで碌でもない行動を取ってしまう。いつもの不良どもなら兎も角、相手は何も知らない女子に目で八つ当たりをしてしまった。マジで自分が許せない




「俺にも色々あるんだよ」



「ふーん…まぁ、ジョジョが落ち込んでる所なんて初めて見れたから個人的に面白いから良いんだけど」



「俺はお前のオモチャか」



そんなもんもんとした感情を自分の中で押さえつけていると殺せんせーと防衛省から送り込まれ、表向きのE組の担任と体育を担当している烏間先生と今日から配属されるであろう金髪の英語教師(?)が入ってきた。
だが、その英語教師は俺にとって顔馴染みで最も出会いたく無い人間ランキングでも五本の指に入る程嫌いな奴だった。





「イリーナ……イェラビッチ」




どうやら今日の俺はとことん運が無いらしい。そしてこういう日に限って碌でも無い事が起きる。そんな確信が俺の中でサイレン音をガンガン響かせていた。

 
 

 
後書き
内容も前回とダブっているって?
逆に考えるんだダブっちゃっても良いさと



「言い訳ねぇーだろ駄作者が!あと、ネタの使い回をするんじゃあねーぜ!」



え?…ジョジョ?腕はその方向には曲がらないよ?待て!落ち着くんだ!



「ダメだね」



ギヤァァァァァァァ!



バタン!



「やらやれ…2016年の今年の奇妙な暗殺教室の更新は今年で最後だが、来年もこの小説をよろしく頼む。読者の皆さん良いお年を」






 
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