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奇妙な暗殺教室

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交流の時間

昼休み……それは俺が全くストレスを感じない至福の一時……本校舎にいた時、学食はかえって金がかかるので自炊して弁当を作って教室で静かに食べる。これはこれで祝福の一時だったが…




「それ以上の安らぎを得られるとは思わなかったな」





午前中の授業を終え俺は何時ものように昨日の内に作っておいた弁当をシートを広げて食べていた。余計な雑音もなく自然の中で食べる弁当がここまで美味しかったとは全く思わなかった。



「こんな時間が長く続けば良いのにと心の底から願うね」




そんな小学生の頃に行った遠足じゃあ気がつけなかった喜びを噛み締め弁当を食べていると後ろから数人の足音が俺の耳に飛び込んできた。




「いやー流石ジョジョだ。いきなりあんな殺気を出すなんて正直ビビったよ」





声が聞こえ後ろを振り返ると隣の席の赤羽と……だれだ?女子なのか男子なのか分かりにくい奴と野球ボールを片手に持った奴がいた。





「よく言うぜ…テメェーはあの程度の殺気は何度か受けていたろうが」




「ジョジョの殺気を受けるのは久しぶりだしねぇ〜それにあの時の殺気とは比べものにならないって」




そう言うカルマは昔と相変わらず白々しい態度で答える。だが、そんな他人から見たらどうでもいいやり取りがやけに心地よかった。
最近は喧嘩ばっかりの殺伐とした生活だったからな……






「まぁいい……それで俺に何の用だ?」




「俺は特に用なんて無いけど後ろの2人がジョジョに聞きたい事があるんだってさ」




カルマがそう言うと後ろにいた2人が前に出て来た



「えーと…潮田渚です。よろしくお願いします。」



「俺は杉野友人!杉野って呼んでくれ」



そう言い杉野は手を差し出し握手を求めてきたが断る理由が無いのでとりあえず握手に応じる。



「さっきも自己紹介したが…改めて名乗ろうか…東城丈一郎だ。ジョーちゃん以外ならジョジョでも東城でも丈一郎でも好きに呼べ」



「分かった。よろしくジョーちゃん」



「次言ったら殺すぞカルマ」



そう言いカルマを睨みつけるとカルマはヤバいと思ったのか半歩ほど距離を取る



「ごめんごめん冗談だって」



「フン……それで杉野と渚は話があるんだったんだよな?」



俺はそう言って2人に問いかけると杉野が目を輝かせて問い返してきた。



「うん…僕は杉野の付き添いなんだけど…」



「おう!なぁジョジョってさ野球やっているのか!?」



「……はぁ?」



突然の質問に若干戸惑う丈一郎だが、そんな事など知ったこっちゃないと言わんばかりに杉野は丈一郎に質問をぶつけていく



「乗っていた飛行機が墜落したってあれマジ?何でそんなにガタイがいいんだ?何で?何で?」



そんな杉野に若干のイラつきをいだくが丈一郎はイラつきを抑え落ち着いて質問を返す事にする



「待て待て…落ち着け杉野質問は一つずつだ。」



「お、おぅ……悪りぃ悪りぃ野球仲間が見つかると思ってちょっと興奮してな」





そう言い頬を人差し指でポリポリとかく杉野に丈一郎は一つずつ質問に答え始めた



「やれやれ……先ず一つ目の質問だが俺は野球はしていない。ウチの家族じゃあ野球好きなのはジジイぐらいだしな」




「じゃあ何でそんなに手がゴツいんだ?」




杉野のがそう言った瞬間、丈一郎の顔色が一瞬黒く淀んだ。しかし、丈一郎は自分の奥に沈めいる感情を悟られない様に直ぐに心を律しいつもの様に装う




「生憎そこにいるカルマのお陰で喧嘩三昧の日常なんでな手もゴツくなる」




「へーやっぱそうゆうもんなのか」



「まぁまぁそう言わないでよジョジョ」



カルマと杉野はその一瞬に気がつかず丈一郎の問いに納得する。だが…




「………」




渚だけはその一瞬を見逃さずに丈一郎の中にある何かを漠然としているが何となく本能で感じていた。彼には自分の想像が及ばない何かがあると



(うーん……でも、僕の気のせいかな?」




だが、それはあくまで一瞬だったので自分の気のせいだと思う事にした。





「まぁいい……飛行機が墜落したのは過去に3回ほど飛行機事故に巻き込まれたジジイと一緒に乗ったから墜落した…運良く海に着陸したから死にはしなかったがな」



「三回って……」



「ジョジョの爺さんも中々だよね〜…というかここまでくればもう呪われているって言われても信じられるわ」



「テメーに言われるのは癪だが……同感だ」




冗談ではなくマジで呪われてる気がする……おばあちゃんもジジイとの新婚旅行で載っていた船が沈没して酷い目にあったと言っていたし……まぁアレだ。今後二度とジジイと一緒に旅行には行かないと誓おう…うん





「話が逸れたな……最後の質問は何でガタイがいいか?だったな」




「おう!ジョジョって日本の中学生とは思えないぐらいガタイが良いからさ」




成る程…それに至っては簡単な話だ。どうやらご先祖様譲りらしい」



「ご先祖様?」



「あぁ…ジジイに聞いた話だと俺の先祖は英国貴族だったらしくジジイがガキの頃に聞いた話だとジジイの爺さんのガタイも良く身長も2メートルはあったらしい…それの遺伝だろ」




「へーそれは初耳だね〜道理で老けて見られる訳だ。」




「やかましい…気にしているんだから言うんじゃあないぜ」



街角のアンケートに答えた時に年齢を書く欄に自分の年齢を書いて渡したら『老けて見られませんか?』とか言われた時は我ながらメチャメチャ傷ついたんだからな…ダメだ思い出したら腹が立ってきた




「ッチ……まぁいい。それで他に質問はあるか?」




丈一郎はそう言い質問を促した。すると、




「じゃあ…僕から良いかな?」




今までずっと黙って話を聞いていた渚がそっと手を挙げた。



「殺せんせーの事をどう思う?」


渚がそう言うとさっきまでおちゃらけて居たカルマと杉野の表情が変わり真剣な眼差しをする様になった。眼差しはあの常人なら理解不可能なターゲットと自分達なりに向き合う事を覚悟した目だった。
正直その目に見合うだけの答えを言える自信は無かったが俺は今自分が思っている事をありのまま話す事にした。






「殺せんせーか……俺はあのターゲットに思うことは俺の夢の実現を邪魔する障害としか感じない。あのタコが全くの無害なら俺にとってどうでも良い…だが、奴の目的は知ったことじゃあないが、やろうとしていることから十分に排除しなきゃならない存在だとことは確かだからな。それ以上に感じる事なんて無いな」




だが、あのターゲットの目的は気になる。態々殺されるリスクを負ってまで教師をやろうとする理由が俺には理解できない…事実、授業のレベルも相当のレベルを持っている。



正直俺は奴が本当に月を爆破したかどうか疑っているが何故こんな危険生物がこの地球上にいるのかも正直意味が分からない。



何なんだ?何故そこまで本気に教師になろうとするんだ?……まぁ知ってもどうする気も無い俺の夢の為に殺すだけなんだがな



「まぁ俺個人が仕掛ける暗殺の予定はしばらく無いがな今は奴の万能さを利用するぐららいだ……まぁこんな意見が参考になったかは知らんがな」




「あははは…何だが烏間先生みたいだね」




「渚くん昔からジョジョはあの人並みの堅物だからしょうがないよ」




「カルマ……自分で言うのもなんだが昔に比べて沸点は低くなったがそろそろ怒るぞ?」




野郎…マジで良い加減にしろよ?俺の望む山の中の素晴らしい環境じゃあないとブチギレているところだ。いやほんと冗談抜きで




「やれやれ……そろそろ午後の授業が始まるから俺は教室に戻るがお前らはどうする?」




「僕はもう少しここで休んでから教室に戻るよ」



「俺もここでダベってから教室に戻るわ」



渚と杉野はそう言うとその場に座り込むが…カルマはと言うと





「うーん俺は午後の授業はサボろうと思ってるけどジョジョも一緒にサボる?」



サボる気満々だった。しかも悪どい顔でこっちに手招いていやがる。



「トラブルに巻き込まれるから断る。カルマ、お前よくそんなにサボって良い点数取れるよな」



「サボって良い点数取る事に関してはジョジョだって同じじゃん」



「テメーと一緒にするんじゃあねーぜ不良共に絡まれて後始末とかで来るに来れねーだけだ」



それに夜はちゃんと勉強している。学校に来れない時はクラスの奴に授業の内容を教えて貰うしな





「兎に角、俺は行かねー久しぶりにちゃんた学校に通えているんだ。授業はちゃんと受ける」




そう言い丈一郎はその場から立ち上がると黙って教室に戻っていった。そしてその光景を見ていた3人はというと





「ジョジョってカルマと違って不良なのに真面目なんだな」



「杉野ーそれは流石に失礼なんじゃない?」



「でも、杉野の意見も否定しきれないんだけどね」



「渚くんもひどくね?」




結局暫く3人でダベった後でダルいなーと言いシブシブというカルマも一緒に教室に戻ることになるのだがそれはまた別の話






一方教室に戻る為に廊下を歩いていた丈一郎はというと……




「やれやれ……もうちょっとばかし休みたい気もするが久しぶりに英語の授業だしちゃんとやらないとな」




そう言い空を仰ぎみる目は何かをやり遂げようとする決意と何処からか悲しみを秘めた目をしていた







 
 

 
後書き
丈一郎の夢はそのうち出すので楽しみに待って貰ったら幸いです 
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