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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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67部分:第八話 罠その一


第八話 罠その一

                      罠
 聖域において。シオンは己の部屋に今聖域に残っている黄金聖闘士達を集めていた。いるのは九人であり出撃中のデスマスクともう一人が欠席であった。
「サガは」
 それについて声をあげたのはアイオリアであった。
「どちらに」
「今サガは特命を与えている」
「特命を!?」
「そうだ。だから今ここにはいない」
 シオンはこうアイオリアに対して答えた。
「これについてはこれ以上は言わぬ。よいな」
「はっ、それでは」
 アイオリアは教皇の言葉を受けて頭を垂れた。それ以上は言わないのだった。
「その様に」
「うむ。それでだ」
 そしてシオンはあらためて一同に対して述べてきた。
「今ライプチヒに出撃しているデスマスクだが」
「何かあったのでしょうか」
「ライプチヒには今禍々しい六つの小宇宙がある」
 まずはこれについて述べた。
「六つだ」
「六つですか」
「そしてさらに四つの禍々しい小宇宙がライプチヒに向かっている」
 そのうえでこのことも一同に対して述べた。
「間も無く到着する」
「教皇、それでは」
 それを聞いてムウがシオンに問うてきた。
「デスマスクが危険です。そして彼と共にいるジャミアン達もまた」
「確かに」
 アルデバランもムウのその言葉に頷く。
「ただでさえあそこには既に八大公の一人ベルゼブブのカナンがいます。七人では」
「案ずることはない」
 だがシオンは二人に対してこう述べたのであった。
「御前達は全くな」
「宜しいのですか?」
「例えデスマスク達といえど」
「今後こういった戦いが続く」
 シオンはあえてそれも言ってみせてきた。今ここに集っている九人に対して。
「御前達にしろだ」
「我等にしろですか」
「そうだ」
 今度はミロの問いに答えていた。
「御前達にも出撃してもらうことになるのは間違いないからな」
「左様ですか」
「だがシャカ」
「はい」
 しかしここであえてシャカに声をかけるのだった。
「御前は基本として聖域に残るように。以前から言っているようにな」
「わかりました」
 目を閉じたままシオンのその言葉に頷くのだった。
「アーレスは戦いを好む。またエリスが一度ここに来ている」
「はい。だからこそ私が」
「聖域を守っていてくれ。よいな」
「無論。このシャカ何があろうともこの聖域を守り通してみせます」
「そのうえでだ」
 シャカに告げた後でまた残る八人に声をかけてきたのだった。
「御前達は私の指示があればすぐに出撃してくれ」
「聖域を離れてですね」
「その通りだ、シュラよ」 
 シュラに声をかけた。
「その時にはデスマスクの時と同じく白銀及び青銅の聖闘士を何人かつけよう」
「彼等をですか」
「彼等もまた今は聖域に集結させてある」
 やはりトラキアにあるアーレスの宮殿を見据えてのことであった。目と鼻の先にあるだけあってすぐに対応できるように戦力を集結させているのである。
「その彼等を出すからな」
「その際は彼等を率いてと」
「アフロディーテよ」
 今言葉を出したアフロディーテにも声をかける。
「何でしょうか」
「教皇の間を守る最後の宮殿である双魚宮の主」
 それが魚座の黄金聖闘士だ。それだけにかなりの重みがある存在である。
「御前にも出撃してもらう時が来るだろう」
「なっ、教皇」
 それを聞いて思わず顔をあげたのはアルデバランであった。
「最後の守りをもですか」
「相手は狂闘士だ」
 シオンのアルデバランへの返答はまずこれからであった。
「そしてアーレス。悠長なことを言っていられる相手ではない」
「ですが魚座は」
「わかっている。しかしだ」
「しかし!?」
 これには他の黄金聖闘士達も耳をすませる。シオンの言葉に全ての神経を集中させていた。
 
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