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ガンダムビルドファイターズ ~orbit~

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絶望のロンド 前編

 
前書き
どうも、心はいつも自由です。皆さん、このクリスマスはどうお過ごしでしたか?私は家でダラダラと貞子vsかやこを見ていました。ネタバレを食らっていたとはいえ、とても面白かったです。

では、前置きはここまでにし、本編をどうぞ。 

 
「!っうあああああぁぁああぁあああぁぁぁぁっ!!!! 」

「「 !? 」」

「カグラっ!? 」

「レイ……! 」

叫び声が聞こえると、フィールドで戦っていた全員が動きを止めた。

『な、なんですか…………? 』

『……………これは……! 』

全員が視線を向けた先には、アルケオニスガンダムが立っていた。だが、その姿はあまりにも不気味に感じるものだった。

ハイパーモードを発動したのか機体色は金色に染まっていたが、右腕から右胸部にかけて赤黒くなっていた。そして、なにより失った右翼を補うかのように、機体よりも遥かに巨大な黒い翼が生えていた。

『なんという威圧感だ…………! 』

アルデオガンダムはハンマーを構え、貫通して穴が空いた建物を通ってアルケオニスガンダムに接近していく。

『だが、叩き潰させてもらうぞ! 』

二機の距離が100mとなると、アルケオニスガンダムは刀を抜いて構え、黒い翼ごと刀で空を凪ぎ払った。

『そんなもの────っ!? 』

凪ぎ払って何も起こらなかったが、数秒したところで風圧が襲い、建物ごとアルデオガンダムを吹き飛ばした。

「なっ…………!? 」

「ヤベーぞ!あの様子、昨日のカグラと同じだ!!止めにはいんぞ! 」

「わ、分かった!頼んだよヒメラギ! 」

ヴァサルティスガンダムはすぐにアルケオニスガンダムの元に向かったが、もう一つの物陰があとを追っていた。

「ワタシもイク……! 」

「え!?セシリアちゃん!………………くっ!サクラ!一旦戻って護衛をお願い! 」

二機がいなくなり、アークエンジェルは完全にがら空きとなってしまった。急いでサクラを呼び戻しても、少しの間を凌がなければいけない。





ーーー--





『カグラ レイ。君はいったい何をしている?彼女がどうなってもいいのか? 』

「…………勝手にしな」

イヤホンから聞こえる声に対し、冷たく言い放ち、イヤホンを外して床に落とし、思い切り踏んで壊す。

「お疲れ様。少しは役にたったよ」





ーーー--





『風圧………否っ!剣圧だけでここまでとは! 』

建物ごと吹き飛ばしたせいか、アルデオガンダムは瓦礫の山に埋もれており、ハンマーを振り回して瓦礫から出てきた。

『カザマ先輩!一度引いた方がいいですよ! 』

『なに、問題な────』

言葉を言いきる前に、アルケオニスガンダムは一瞬にしてアルデオガンダムの目の前まで接近した。そして左手で頭部を掴み、地面に押し付けながら真っ直ぐ移動していく。

『ぐっ……………おおおぉぉぉぉっ! 』

ハンマーでアルケオニスガンダムを攻撃しようとするも、直前で投げ飛ばされたため攻撃が届かなかった。

投げ飛ばされた力が強かったのか、すぐに体勢を立て直すことが出来なかった。その時視界に入ったのは、投げ飛ばした直後というのにアルケオニスガンダムが真上にいた。
刀を頭上に構えており、鋒に赤黒い球体が出来ていた。

『 !? 』

降り下ろしてきた刀をハンマーで攻撃を防ぐと、鋒に出来ていた球体が放たれ、アルデオガンダムの頭部の横に着弾した。

しかし、球体が着弾すると、辺り一帯を巻き込むほどの大爆発が起こった。

「カグラっ!! 」

「レイ………! 」

『カザマ先輩っ!! 』

爆発の規模が酷く、爆風と煙により機体が後退る。なんとか堪え、ブラウドライツガンダムとヴァサルティスガンダムは爆発の中心部に向かう。

「カグラァァァァっ!! 」

煙により視界が悪くなっているが、レーダーを見ると、アルケオニスガンダムは移動をしているようで無事なのは分かったが、まだ戦闘を繰り広げているようだった。

レーダーを頼りに移動していると、何かがこちらに向かって飛んできた。急なことでぶつかってしまったが、地面に落ちた物体を見ると、アルデオガンダムの左腕のようだ。

「そろそろか!今すぐ止めてやっから、待ってろよカグラっ! 」

意気込んで一歩を踏み出すと、先程の剣圧と同等の風圧に襲われ大きく後退る。今の風圧で煙は晴れ、視界が良好になった。

しかし、視線の先には満身創痍のアルデオガンダムが、アルケオニスガンダムに痛めつけられていた。その光景を見て、すぐにアルケオニスガンダムの元へと向かう。

「それ以上やめろカグラっ!もう充分だろ! 」

制止の声を投げ掛けるが、アルケオニスガンダムは構わず刀をアルデオガンダムに突き出した。

『くっ! 』

「くそっ! 」

辛うじて間に合い、二機の間に左腕のシールドを割り込ませる。だが、刀は軽々と腕ごとシールドを貫通していった。

「やめろって言ってんだろーがっ!こんなことしても、何もいいことなんてねーだろっ!! 」

「…………邪魔すんな」

そういうと、アルケオニスガンダムの左手は赤黒いエネルギーが集中し、胴体目掛けてゴッドフィンガーを突き出してきた。
咄嗟に右腕のシールドで防いだが、刀の手放して右手にもゴッドフィンガーのエネルギーを集中させ、左肩の付け根を破壊された。

破壊した直後蹴りを入れられ、刀をシールドから抜き取って接近してきた。こちらは体勢を立て直す暇さえなく、その隙を狙うかのごとくに刀を降り下ろしてきた。………………はずだった。

「レイ、オちツいて………! 」

後ろから抱きつくようにブラウドライツガンダムがアルケオニスガンダムの動きを止めていた。

「ドラゴンファング……! 」

そしてドラゴンファング四基を射出し、自身の腕とアルケオニスガンダムの腕に噛みつかせて固定する。

「……………………」

黒い翼を羽ばたかせ、そのままブラウドライツガンダムの両腕に巻きつかせる。すると、サーベルの性能を持っていたのか分からないが、固定していたブラウドライツガンダムの両腕とドラゴンファングを破壊する。

「っ…………! 」

両腕を破壊されたが、辛うじてGNドライブは無事だった。だが、完全に無防備の状態になってしまい、その場に倒れてしまう。

「死ね」

刀を構え、ブラウドライツガンダムの胴体目掛けて突き出す。

「やらせねー! 」

ヴァサルティスガンダムが間に割り込みシールドで受けるが、先程と同じように腕ごとシールドを貫通し、さらには胴体にも突き刺さっていった。

「ぐっ…………!けどよ!これ以上はオメーの好き勝手にやらせねーよっ! 」

ヒメラギはスロットであるコマンドを選択すると、コンソールの中心に一つのボタンが現れる。

「俺も一緒にいってやるよ!カグラ! 」

ボタンを殴るように押すと、ヴァサルティスガンダムから淡い光が放たれる。何事かと思い、アルケオニスガンダムは刀を抜こうとする。
しかし、ヴァサルティスガンダムはあえて前に出て深く突き刺さり、刀を抜きづらくする。

「これで終わりだ…………」

すると、ヴァサルティスガンダムから大きな爆発を起こり、アルケオニスガンダムを巻き込んだ。
そう。ヒメラギが選択したスロットは、自爆ボタンだ。自身を犠牲にし、アルケオニスガンダムを止めることを選択したのであった。

「…………………」

爆風の中から黒い翼で機体を包んでいたアルケオニスガンダムが飛び出してきた。翼で爆発のダメージを減らし、自身の損傷を軽微に抑えたのであった。。

『取った! 』

アルケオニスガンダムの背後から、ハンマーを構えたアルデオガンダムが接近していた。地面に叩き落とす勢いでハンマーを降り下ろしたが、アルケオニスガンダムの反応速度が上回り、残ったアルデオガンダムの腕を斬り飛ばす。

『しまっ……! 』

『やらせません! 』

ダブルオーライザーの改造機がGNソードⅡブラスターで二機の間に砲撃してきた。その隙にアルデオガンダムは距離を取ったが、すぐに追いかける。

ダブルオーライザーは両手にGNソードⅡブラスターを装備し、やらせないと言わんばかりに砲撃をしてきた。しかし、アルケオニスガンダムは軽々と回避し、アルデオガンダムに追いつくと左手で頭部を掴み地面へと叩きつけるように落下する。

『カザマ先輩! 』

両肩、両足、頭部を切断していき、最後に左手のゴッドフィンガーで胴体を突き刺し、そのままダブルオーライザーの所へと向かった。

『うっ……! 』

「……トランザム………! 」

アルケオニスガンダムに向かって、トランザムを発動したブラウドライツガンダムが激突する。その際にアルデオガンダムが手から離れ、ブラウドライツガンダムはおしつけるかのように地面へと不時着した。

「邪魔ばかり…………すんなっ! 」

アルケオニスガンダムは刀でブラウドライツガンダムを真っ二つに切断するが、肝心の操縦者のセシリアは、直接カグラの元へと向かっていた。

最初からそうすればよかったのだが、冷静さを欠いた全員にはその考えは思い浮かばなかった。だからと言って、セシリアは冷静だったというのは違う。ただの勘で行動しただけだ。

「レイ……! 」

セシリアは抱きつくように飛び出し、カグラはその事に気づくのが遅れ、床へと押し倒されるような形になった。

「離せっ! 」

引き離そうと手を伸ばしたところで、後ろから両腕を誰かに拘束される。

「ナイスだセシリアちゃん! 」

「ぐっ…………お前らぁ! 」

身体を動かして抵抗してくるが、急に糸が切れたかのように静かになった。

「よし。二人共よくやった」

声がした方向を見ると、ハルカゼコーチとサオトメさんが手刀の構えをして立っていた。どうやらカグラの事を気絶させたらしい。

そして、それを合図かのように試合終了のアナウンスが鳴った。どうやらアークエンジェルが落とされたらしい。二対一。しかも手負いのティグリスガンダムでは凌ぎきれなかったようだ。

『BATTLE ENDED』





ーーー――





「よーし。まずは…………全力で撤収!かなり悪目立ちしてるから、早く出よう! 」

「カグラは俺が医務室に連れていくから、お前は代わりに謝罪してこい」

「了解。皆はここから出たらムウさんの指示にしたがって」

ヒメラギ君達に指示をし、相手チームに謝罪しに行く。

「…………ん? 」

バトルシステムの所にある、レイ君がいた場所に変な物が落ちているのに気づく。





ーーー--





「……………………」

気づくと、ほとんどが真っ黒に染まった空間に立っていた。

「………………出てこいよ。いんだろ? 」

『なに? 』

「…………答えてくれ。お前は…………いや、俺は………誰なんだ? 」

『ずいぶんまいっているようだね。そんなに気にすること? 』

「いいから答えてくれ…………」

『あー、はいはい。レイはレイだよ。それ以上でもそれ以下でもない』

「じゃあお前は…………なんなんだよ? 」

『同じだよ。僕は僕。それ以上でもそれ以下でもない。てか、それ聞くある? 』

「おおありだ………。こんなことことに巻き込まれて、散々な目に合って…………もううんざりなんだよ…………どうして、俺ばっかこんな目に合わなきゃいけねぇんだよ? 」

『知らないよ。そういう運命なんじゃないの? 』

「ざけんなっ!お前が出てくるようになってから、ろくな目に合ってねぇんだよ!」

『ずいぶんな責任転嫁だなぁ。けど、夢の中の僕が何か出来るわけ無い。全部レイ自身の責任だ。

そう………………全部レイ自身が起こした問題だ。現にレイは、敵や仲間を沢山傷つけたじゃないか?仲間を助けるために仲間をね』

「っ────! 」

『その結果、君は独りだ。誰も仲間なんていない』

「っ…………黙れっ!! 」

『別にいいんじゃない?信頼関係も無く、仲も悪い。そして、差し出してきた手も拒絶した。これで仲間なんて言えるわけない。いや、そもそも関わる資格も無い』

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れっ!!! 」

「そして…………君には誰も助けられない。捕らえられていた女さえね」

「だ、ま、れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!! 」

男に向かって殴りかかったが、軽々とかわされて床へと叩きつけられた。

「ぐっ……! 」

『あはは。単純単純』

男は俺の上へと乗り、そのまま言葉を続けてきた。

『けどさ。これでもう何も気にする必要はないよ。余計なしがらみも取れて、君の好きなようにしていいんだ。何も考える必要もない。そうすれば、苦痛からも逃れられる』

「 !!俺の…………好きなように……」

『そう。そうすれば、すぐに楽になれる』

「ぁ………………」

『そして…………完全に壊れてしまえ』

最後に男が言った言葉は頭に入らず、放心状態となっていた。

…………もう、何も考えなくていい。もう、苦しむ必要もないんだな…………。

【なにやってるのアンタっ!逃げることなんて認めないわよっ!さっさと起き上がりなさいっ! 】

!?

突然聞こえた怒声。放心状態だったとしても、さすがに反応してしまう。

「…………誰だ? 」

【いいから立ちなさいっ! 】

「あ、ああ……」

身体に力を込め、上にいる男を退かす。男は驚いた表情をしながら辺りを見渡しているが、すぐに俺の事を見てきた。

『ちっ。邪魔が入ったか。まあいい。どうせ時間の問題だ』

ほとんどが真っ黒に染まった空間に靄がかかり、視界が(かす)んでいく。

『あっ、もう一つ言うことあった。今回の事で聞きそびれたと思うから言っとくけど、あの女から話を聞くのを忘れないように』

それだけ言うと、靄に包まれるように男の姿が見えなくなっていった。





ーーー--





「………………」

目を開けると同時に、布団から起き上がる。流石に二日連続となると疑問に思わなくなり、すぐにベッドから抜け出して医務室から出る。

 
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