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奇妙な暗殺教室

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出会いの時間

 
前書き
テスト……なんて憂鬱な存在なんだ 

 




翌日



俺は不良どもとやかましい本校舎の女子生徒に絡まれるのを防ぐ為に何時も家を出る時間から1時間も早く家を出て山奥にある3年E組の校舎を目指していた。



「成る程…家から距離があるのが難点だが、やかましい奴らと絡んで来る不良共が居ないから中々良いところじゃあないか」



俺が周りから蔑まれる環境に対する第一印象は中々の好印象だった。鳥のさえずり…春特有の暖かさ…常日頃からトラブルに巻き込まれ疲れ切った心を癒してくれる。そう思えるほど心地よい物だった。




「ここまで心地よいと授業がどうでも良くなるな……いっそのことサボるか?」




普段はそんなこと等考えないのだが、ここまで心地よいと授業をさぼってのんびり日向ぼっこをしたくなる。



「まぁサボるかどうかは置いておいて早く来たから少しぶらつくか」




そう言い俺は校舎の中や校舎の周りを一通りぶらついた。するとちょうどいい塩梅の高さの木に掛けられているハンモックが俺の目の前に飛び込んで来た。




「早く来すぎたからまだ授業が始まるまで1時間と10分……しかも目の前には寝心地の良さそうなハンモック。これは寝るしかないな」




そう言い俺は昼寝用に持ち歩いている帽子を懐から取り出ひ深く帽子を被りハンモックの上に寝そべった。




「1時間だけだぜ……うん」




最後に携帯のアラームを1時間後にセットし俺は眠りについた。

















1時間後……携帯のアラーム音と共に俺は目覚めた。




「おはようございます。君が今日からE組に転入する東城丈一郎くんですね?」




顔に被せた帽子を脱ぎ、起きて早々に目に入ったのは今日から俺が世話になるクラスの担任であり来年の3月に月と同様に地球も爆破すると断言して今や日本円にして100億円の賞金がつくターゲットだった。




「成る程……あんたが俺が一年間世話になる担任兼ターゲットか?」




寝起きのせいか少しぎこちない動きでハンモックから降りながらそう尋ねた俺に対してターゲットはさも当然の様に答えた。




「はい、私が月を爆破した犯人でありこのE組の担任の殺せんせーです。来年には地球も爆破しますが一年間よろしくお願いします。」





そう言ってターゲットもとい殺せんせーは手を…いや黄色い触手を伸ばして来た。どうやら握手を求めているようだ。俺は得体の知らない触手に若干戸惑いながらも握手を交わす。だか、こんなに顔が丸くて黄色、関節のない曖昧な触手、足がタコのようにたくさんあって、体がやたら大きい。マジで何なんだこの生物は……





俺は握手を交わしつつ、いつも不良共に脅しをかけるようにターゲットを軽く威圧してみる。たいていの奴はこれでビビって碌に動けないのだが……




「ヌルフフフ…殺せると良いですねぇ卒業までに」




全く意に介していないのか黄色の一色だったターゲットの顔色が緑と黄色のシマシマ模様になり完全に舐めきった態度を取り教室の中に入って言った。




「あの野郎……あの顔は完全に俺の事を舐めきっていやがる」




これから暫く世話になるかも知れないターゲットに若干の殺意を覚えつつ俺も教室に向かった。









《ズドドドドドドド!!!》





教室に入ろうとドアノブに手をかけた瞬間騒音が鳴り響いていた。ドアの陰からチラッと見るとあのターゲットを殺す為にクラスメイト全員で繰り出すエアガンの一斉射撃の様だ。





「烏間さんこ話を聞く限り最高速度のマッハ20は出ないにしてもそれでも400kは出るだろう……それぐらいの速度なら風圧と服で全くの無傷で普通に出席を取るだろうな…」




そして俺の予想どうりにターゲットが全くの無傷で全員の出席を取った。一つだけ予想外なのは今来れる生徒が全員出席していたから満足して顔に◯が付いていたぐらいか





「素晴らしい!前回の一斉射撃に比べて今回の皆さんの一斉射撃は烏間先生の訓練の成果が見てわかるような素晴らしいものでした!」




クラスメイト全員での一斉射撃を全くの無傷でかわされだがいつもの事のようなので慣れた手つきで片付け始めた生徒達だったが俺には関係ない堂々と教室には入らせてもらう




「おい……殺せんせー俺の席はどこだ?」



何事もなかったかの様にいきなりドアを開け教室に入って来た俺はいきなりクラスメイトの注目を集めた。そりゃあ、いきなり知らない奴が入って来たらそうなる。俺だってそうする。




「ニュニャ!東城君!そこは『先生が皆さんに今日から新たな仲間が加わりす。』っていう掴みをしてから入ってくるんですよ!?先生そういうシチュエーションに憧れていたのに!」




そう言って至近距離で騒ぎ始める殺せんせーに対して徐々に俺の怒りのボルテージが上がっていく。だが、これから日常生活を過ごして行く奴らの前でいきなりブチキレる訳にはいかないのでその怒りをグッと堪え…




「やかましいからベタベタするなうっとうしいぞ」




ギロッとターゲットに対してさっきとは比べものにならない位の本気の殺気と威圧感を向け睨みつける。瞬間、この空間の空気が重苦しい物に変わった。




それはその場にいる生徒全員が心の底からあるイメージを強制的に見せる……いや、思い出す結果となった。



(これは……ッ!)



(動きたいけど足がすくんで動けない…)



(間違いない……前に殺せんせーがど怒りの時に感じた…)




(((明確な死のイメージッ!!!!)))




そんなイメージを感じる生徒たちに対してターゲットは、というと…




「ヌルフフフ……最初の殺気も中々の物でしたが、その歳でここまでの威圧感と殺気は中々のものです。ですが、他の皆さんはその殺気と威圧感には耐えられませんのでその辺にしてもらえませんか?」




先ほどと同様緑と黄色のシマシマ模様で舐めきった態度で全く意に介せずケロッとしていた。そんな態度に毒気を抜かれたせいか奴の態度がどうでも良くなった俺は放っていた威圧感と殺気にそっと蓋を閉じた。



「やれやれ…本気で威圧したんだが…敵わないな」




「そうですねぇ〜私は殺せませんが良いアサシンになれますよ」





「あいにく俺の夢は俺は殺し屋じゃあ無いんでそんなものになるのはゴメンだね……んで、なんども聞いて悪いんだが俺の席は何処だ?殺せんせー」




「東城君、席に座る前に初対面の人もいるかもしれないので自己紹介をしてくださいね」




そう言う殺せんせーの言うことは最もなので俺は足元に散らばる対先生弾を除けながら教卓の前に立ち自己紹介を始めた。




「俺の名は東城丈一郎だ。趣味は読書と昼寝。嫌いなことはトラブルだ。まぁそこでシマシマ模様でニヤニヤして舐め腐っているターゲットのお陰でトラブルに巻き込まれるのはほぼ確定なのだろうが…できるだけ巻き込まないでくれると嬉しい」




今尚現在進行形でニヤニヤしてるからうざったくて仕方がない。後で覚えておけよ?クソダコめ




「はいはーい!トラブルが嫌いって言ってたけどどんなトラブルが嫌いなんですか〜?」




そんな事を思っているとフルフワヘヤー(?)の少女が手を挙げて質問する。




「そうだな…過去に体験した嫌だったトラブルだと……乗っていた飛行機が墜落したり、船旅の最中にテロリストにハイジャックされて船が沈んだり銀行の講座から金を引きおろそうとした際に銀行強盗が来たり……最近だとそのにいる赤羽の野郎のお陰で他校の不良に絡まれるのも嫌だ」





「「「「トラブルの規模が違うッ!!!」」」」




さも当然の様に過去に起こったトラブルをさらっと一つずつ挙げていく丈一郎はとても嘘を言ってる様にも聞こえなかった。つまり彼の言ってる事は事実であり、他の生徒たちにすれば普通に生活していればあり得るはずのない非日常の中で暮らしていたのだと容易に想像することができツッコミをいれずにはいられなかった。




「他に質問はあるか?えーと…お前名前は?」




「え?あ……うん。私の名前は倉橋陽菜乃っていいます。よろしくねジョーちゃん」




「ジョーちゃんって……名字が名前で呼んでくれ調子がくるうんでな」



正直ジョーちゃんは嫌だ。マジで嫌だ。フリでもなんでも無いとにかく嫌だ。だが、現実っていうのはは非情らしく




「どーしよっかな〜私の中ではジョーちゃんで確定なんだけどなぁ〜」



屈託のない笑顔で微笑む彼女は丈一郎にとっていつもの調子がくるう以外何者でも無かった。何時もなら適当にあしらう所だが恐らくこの少女にはそんな小細工は通用しないという確信が持てた。しかし、これから一年ジョーちゃんと呼ばれる事は全力で避けたい丈一郎は妥協案を提案する事にした。




「はぁ……ジョジョ」



「え?」



「ジョジョならどうだ?周りにいる連中や家族は俺のことをジョジョって呼ぶ。だからジョーちゃんは止めろこれ以上は譲れない。」



マジでこれ以上は譲れない…頼むからこれで折れてくれ




「うーん…東城丈一郎の城と丈でジョジョ…うん!よろしくねジョジョ」




「やれやれ…あぁよろしくな倉橋」




さて…なんとか納得して貰ったな。あとは他の奴からの質問は無さそうだな…だったらもう終わりで良いか?なぜだが知らないががさっきから数名の男子からの視線が痛いし…正直これ以上話すことなんて無いんだが




「自己紹介はこんな感じで良いか?殺せんせー」




「えぇ…十分ですよ。席は…そうですねぇ〜一番後ろの席にいるカルマ君の席の隣に座ってください。」




そう言い殺せんせーが触手を指す先には俺がこの学校で関わりたくない奴の1人である赤羽カルマが良からぬ事を考えていそうな目でこっちに来いと言わんばかりに手招いていた。





「やれやれ…1番関わるのが憂鬱な奴の隣か」




月を爆破した100億の値がつくターゲットに隣の席はトラブルメーカーの赤羽カルマ…
この2人の存在は俺の心は早朝の心地よい気分とは一変させこの一年が平穏とは全くかけ離れた物になる事を改めて実感ぜずにいられなった。



 
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