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オズのビリーナ

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第六幕その三

「相当な難しさよ」
「ビリーナだけで大丈夫でしょうか」
「ううん、どうかしらね」
 ホットドッグを食べながらです、トロットは考えるお顔になって言いました。
「それは」
「やっぱり難しいですか」
「そう思うわ、鶏だけだと」
「難しいですか」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「あのお花は地下にあるから」
 トロットはお花がある場所もお話しました。
「それでそこへの出入り口の場所もわかっているから」
「ビリーナだけでもですか」
「採りに行けないこともないと思うわ、地下は迷路になっているけれど」
「あっ、ビリーナは何かを見付けたり迷路を進むことは得意ですからね」
「あの娘はそうしたことの天才よ」 
 まさにというのです。
「だからね」
「一羽だけでもですか」
「行けると思うわ」
「そうなんですね」
「ええ、ただやっぱり鶏一羽で行くことはね」 
 それはといいますと。
「大冒険になるわよ」
「そのことは間違いないですね」
「絶対にね」 
 それはどうしてもというのです。
「誰かと一緒に行った方がいいわね」
「用心の為に」
「そう思ったわ、今ね」
「というか地下でしょ」
 ガラスの猫がここでお話に入りました。
「それってあちらに迷惑でしょ」
「あっ、そうね」
 トロットはまた気付きました。
「地下といえばノームの人達だけれど」
「鶏はノームの人達の天敵よ」
 彼等が大の苦手とする卵を産むからです。
「雄鶏だって怖がるのに」
「それが雌鶏になると」
「もう来たら大騒ぎよ」 
 それだけで、というのです。
「それこそ」
「そうよね」
「今のノームの人達は穏やかだから」
 かつてと違ってです。
「無闇に騒ぎを起こすのもよくないでしょ」
「ええ、本当にね」
「そこにはノームの人達いるの?」
「あの人達は地下なら何処でもね」 
 それこそと言ったトロットでした。
「行き来出来るから」
「会う可能性はあるわね」
「否定出来ないわ」
「じゃあね」
「ビリーナだけで行ったら」
「ちょっと問題でしょ」
「それもそうね」
 トロットはガラスの猫の言葉に頷きました。
「幾らビリーナが難を逃れられてもね」
「それではね」
 ここでキャプテンが言いました。
「誰かが一緒に行くべきだね」
「ビリーナが種を採りに行く時に」
「そうしたらいいよ」
 こうトロットに言うのでした。
「それならね」
「そうね、それじゃあ」
「ビリーナが行く時になったら教えてもらって」
「行くべきね」
「それがいいね」
 これがキャプテンがトロットに言うことでした、そしてトロットも頷きます。キャプテンの言う通りだとです。そうしたお話をしてです。 
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