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提督はBarにいる。

作者:ごません
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トマトと女殺し・4

「私ピザトースト!チーズたっぷりね~」

 ジョッキの中身の泡が消えてしまったビールを煽りながら、瑞鶴の注文。

「私は……、ホットドッグお願い出来ますか?」

 男前ジョッキで3杯目に突入した霧島からの注文。しかしホントにザルだな霧島。底が見えん。う~ん、と最後まで悩んでいた赤城は、

「私はご飯をお願い致します。」

 ピザトースト、ホットドッグ、ご飯物か。一番手間がかかるのはご飯物だ、まずはそれから行くか。

 まずは野菜を炒める。にんにくのみじん切りを大さじ1玉ねぎを1/2、ニンジンとセロリは合わせて玉ねぎと同じくらいの量になるように調整してくれ。野菜は全部みじん切りでな。これを多めのオリーブオイルで炒める。…といっても、ほとんどかき混ぜないがな。ばらつきが出ないように混ざったら塩を振り、しばらく放置。野菜の水分が出るから案外焦げ付かないから安心してくれ。

 玉ねぎが透き通って来たらトマト缶1缶、水1カップ、コンソメ顆粒はお好み量。もしもあればローリエを1、2枚いれると本格的な味になる。ちなみにだが、ローリエ、ローレル、ベイリーフは同じ月桂樹の葉だからどれでもいいぞ。最初は強火で酸味を飛ばしつつ、煮詰まり過ぎないように適宜水を足す。一旦味見して調度よくなったら中弱火に火力をおとして20分程コトコト煮る。野菜の粒感が残っててもいいんだが、今日は滑らかなのが良いと思ったんで最近買ったハンディブレンダーでトロトロにしていく。……おっと、ローリエ取り出すのを忘れずにな。野菜の原型が無くなった所でソースが完成。このまま器に盛ってパセリと生クリームを散らしてトマトスープ……でもいいんだが、今回はこいつをソースに使う。

 さぁ、こっからが本番だ。厚切りにした特製ベーコン80g、玉ねぎ1/4個をオリーブオイルで少し炒め、そこに洗っていない白米を1合。そのまま炒めて米が透き通って来たら、さっきのトマトソースを1カップ、水気が足らないので適宜足しながら調整。……まぁ、多分2カップ位かな?もう何作ってるかバレバレだよな、イタリアンのご飯料理、リゾットだ。塩・胡椒で味を調整して仕上げに生クリーム適当に。後は器に盛ってイタリアンパセリ散らしたら完成だ。

「お待ち。『トマトクリームリゾット』だ。二人のもさっさと仕上げるから、も少し待ってくれ。」

「うわぁ、美味しそうです……♪」

 おい赤城、目がシイタケみたいになってんぞ。さてと、お次は作り置きのサルサソースを使って2品一気に仕上げるぞ。

 食パンと背割りのコッペパン(ロールパンでも可)にうっすらとバターを塗り、コッペパンの方にはサラダ菜をしいておく。食パンの方にはサルサソースをバターを塗った面に載せ、スライスしたサラミとか好きな具材を載せる。最後にピザ用チーズを刻んで細かくしてぎっしりと散らしてトースターにIN。ピザ用チーズは軽く刻んでやると隙間なく敷き詰めやすくなるからな、グラタンなんかやるときにもオススメだぞ。トーストしてる間にホットドッグ用のソーセージを焼く。今回はサルサソースのっけてサルサドッグにするから、チョリソーなどのスパイシーな物よりも、シンプルな味付けをオススメするぜ。俺はフランクフルトをチョイス。皮がパリッとするまでじっくりと焼いていく。

「そう言えば、霧島さんの彼氏の話って、提督さんと金剛さんの話で立ち消えになっちゃったのよね。……ねぇねぇ、実際どこまで進んでんの?」

 ニヤニヤとしながら瑞鶴が聞いている。霧島は頬を赤らめながら、

「ど、どこまで……ですか?え、えぇと、その~……彼は、会った時から『一目惚れです、結婚しましょう!』って口癖のように言い続けてて……」

 と、若干うつむき加減になって赤面している。おぅおぅ、若いってのぁいいねぇ、勢いがあって。

「キャ~!すっごい情熱的じゃん!ねぇねぇ、返事したの?まだ?」

 瑞鶴は遠慮せずにずけずけと聞いていく。その不躾な感じが羨ましくも思える。まるで芸能リポーターのようだ。

「こら、はしたないわよ瑞鶴。…でも、お返事は早い方が良いかも知れませんね。」

 やはり乙女、瑞鶴を嗜めつつも赤城も気にはなるんだなw

「で、でもやっぱりカッコカリとは言え提督とケッコンしている身ですし……」

「何だ、俺の事気遣ってたのか?気にすんな、それこそ『カッコカリ』なんだから、旦那の練習台くらいで調度いいんだよ俺は。」

 ケッコンカッコカリの指輪はそもそも、艦娘の錬度の限界を引き上げる為の装身具だ。提督との強い絆は必要だが、それは必ずしも『愛』である必要はない。上司と部下としての『信頼』、戦いの中で芽生える『友情』、『敬愛』。心の繋がりは1つではない。第一、女の提督もいるんだから愛だけではケッコンカッコカリが出来ない事になってしまう。

「別に俺と霧島の繋がりは愛だけじゃねぇ……だろ?だから俺に操立てする必要無ぇんだよ。戦争が終わればその後の生活があるんだからな。」

「ハイ、ありがとう……ございます。」

 霧島の目に光る物が見えたのは、気のせいではないだろう。とその時、オーブントースターからチン♪と音が。

コッペパンにフランクフルトを挟んでサルサソースのっけて、サルサドッグも完成だ。

「お待ちどう。『ピザトースト』と『サルサドッグ』だ。」

「ん~♪チーズトロトロ~!美味ー!」

「サルサソースのピリ辛とソーセージの肉汁がいい感じです♪」

 おぅ、美味そうに食うなぁお前ら。幸せそうで何よりだよ。

「さて、と。赤城、不知火任せても良いか?俺はまだ店もあるし。」

「良いですよ、任されました。」

 赤城が不知火を背負うと、

「んん……しれぇ…お慕いしてますぅ……。」

「あらあら、ライバル出現ですね♪」

 そう笑いながらもしっかりと背負って送り届けてくれた。照れちゃうね、しかし。

 翌日、不知火が真っ赤になって執務室に怒鳴り込んできたが知らぬ存ぜぬを貫き通した。どこに仕掛けてあったのか、青葉の盗撮ムービーが出回って危うく憲兵さんに捕まりかけたのはまた別の話。 
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