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オズのビリーナ

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第五幕その十

「最近悪戯はしていないね」
「だって最近ずっと眠くてね」 
 カミーユは自分のひいひいお祖父ちゃんである王様に答えました。
「寝てばかりなんだ」
「それでなんだ」
「お昼寝がとても気持ちよくて」
 それでというのです。
「悪戯とかしていないよ」
「それは何よりだね」
「うん、だから安心してね」
「全く、起きている間も静かにしてくれたら」
 王様はしみじみとした口調でこうしたことも言いました。
「有り難いけれどね」
「全くだよ、この子ときたら」
「本当に悪い子だから」
 カミーユのお父さんとお母さんも困ったお顔で言います。
「起きたら悪戯ばかりして」
「やんちゃだから」
「乱暴なことはしないけれど」
「悪い子よ」
「あらゆる悪戯をあらゆる方法でする」
 カミーユはこんなことも言いました。
「それが子供のお仕事っていうけれど」
「そんなことは言わないよ」
「誰がそんなことを言ったの?」
 ご両親はすぐにです、カミーユに問い返しました。
「また近所のリンチェンさんかい?」
「あの人なの?」
「うん、あの人に教えてもらったんだ」
 素直に答えたカミーユでした。
「子供がそれがお仕事だってね」
「全く、変なことばかり覚えて」
「あの人みたいになったらどうしようかしら」
「リンチェンさんっていうと」 
 ガラスの猫はつがいが出した名前を聞いてです、ビリーナと王様にすぐに聞きました。
「誰?」
「私達の娘婿のうちの一羽よ」
「ウィンキーの烏骨鶏だよ」
「遊び人で無類の悪戯好きで」
「カミーユが成長したみたいな子なんだ」
 こうガラスの猫にお話します。
「私から見れば娘婿で子供だけれど」
「この子達から見れば人生の先輩だね」
「そうなのね、それでそのリンチェンさんがなのね」
「カミーユはあの子を慕っていて」
「何かと教えてもらっているんだ」
 それでというのです。
「そういえばカミーユはリンチェンに似てきたね」
「性格がね」
「あの人のところにいつも行くから」
「すっかり悪戯好きになって」
 つがいも言います、困ったお顔になって。
「真面目な人を慕えばいいのに」
「何で国一番の悪戯者につくのかしら」
「リンチェンさん凄い人だよ」
 カミーユは鶏として言うのでした。
「もの知りで心の動きとかもよくわかってるから」
「けれどあの人の悪戯を考えると」
「お世辞にも褒められないわ」
「だからだよ」
「あの人のところには」
「あまり行かない」
「そうしなさい」
 こう言うのでした、カミーユに。
 ですがカミーユはご両親にです、平気な様子で言葉を返します。
「僕リンチェンさんみたいな凄い元気で頭のいい鶏になるんだ」
「リンチェンが元気で頭がいいことは事実だね」
 王様も認めることです。 
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