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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  剣 ~キングの剣(つるぎ)~


モノリスを破壊し、戦いの運命を断ち切った次の日
全員目を覚ます頃には蒔風の眠気もなく、昨日聞いた話を反芻した。



「剣崎を殺す?」

「おう。だから気をつけないとなんだよ」

「世界とかそういう話は信じにくい。だが俺達は蒔風の力を目の当たりにしている」

「え?みんなわかった?オレ全然わかんなかった・・・・」

「馬鹿」
「馬鹿じゃなくてアホだろ」
「わからないのか?」
「剣崎さん・・・・」


「ウェェ!?ナ、ナズェスォンヌァメデミルンディスカ!?」

「日本語を話せ」


とりあえず剣崎には自分が狙われている旨を教えた。


「ヴェ!?」

「だから変になるな」




------------------------------------------------------------



「にしてもだ、モノリス壊しちゃって大丈夫だったのかな?」


そう問い掛けるのは蒔風だ。
いま五人は虎太郎の家の前の庭・・・・と言うよりも牧場や草原と言った方がいいか。
そこで「奴」が来るのを待っていた。


「統率者はバトルファイトの管理意外にもなにかをしていたかもしれないな」

「相川さん・・・・それマジ?」


「大丈夫だって!!そん時は俺達で打ち破ってやる!!なぁ?みんな!!」


「そうだな」

「だけど剣崎さんのキングフォームは使えないんですよね?」

「いや、今は体が徐々に人間に戻っていっている。一気に長時間、休みなく使用すると危険だが、普通に戦闘する分には大丈夫だと思う」

「そっか」

「「奴」との戦いには使わないでね?まだ体が万全じゃないだろ?」

「蒔風の身体もかなり酷い怪我があったみたいだけど?」

「オレさんは大丈夫なの。気にするな、よっと」


「ハッ!!」


「「サボテン!!」」


「お前らなにやってんだ?」

「「組体操」」

「の、呑気ですね・・・・」

「ホレホレ、睦月も一緒に・・・・」


「「「扇」」」


「睦月、お前まで・・・・」

「いや、橘さん。これ結構身体鍛えられますよ?」

「なに?身体が?」


「橘さんも一緒に」


「「「「四段サボテン!!」」」」


「(一番下)うをォォォ・・・・・おにーさん膝にキテマスキテマス!!」

「(二段目)た、確かにキツイな!!」

「(三段)睦月!バランス崩すなよ?」

「(最上部)は、はい!!うわあっ!!蒔風さん、揺らさないで!!」

「なにやってんだお前ら(スパァン)」


「うあっ!?バッ!相川さ、ムギュア!!」

「うぐっ」
「うお!」
「うわっ!」


「呑気だなホントに」

「お前ら重い~~~」

「始もやらないか!?」

「やらん」

「重い・・・・・」

「は、早く下りましょうよ」

「んあ?そうだな」

「重かった・・・・・」




「お前らホントになにやってんだ?」




「「「「!?」」」」


「来たか・・・・・いつから見ていた!!」

「サボテンから」


「恥ずかしさで・・・・・死んでしまいたいッッ・・・・!!!」


「「「恥ずかしかったのかよ!?」」」



「奴」がいた。
いつの間にか現れ、切り株に腰をかけていた。


「面白かった!んじゃま、始めますか?」

「終わらせてやんよ!!行くぞ!!」


蒔風が叫び、全員が戦闘体勢に入る。
バックルを腰に当て、ベルトが巻き付き、装着する。


「「「「変し・・・」」」」


バァン!!


「奴」がその瞬間両手を叩いた。
するとその両手から衝撃波が扇状に広がり、バックルを腰から弾き飛ばした。


「あっ、ぐ!!」

「バックルが!!」

「早く回収にいけ!!時間を稼ぐ!!変身!!」


《Kamen Ride DEEND!》


蒔風が力を借り、仮面ライダーディエンドに変身する。
「奴」がその姿にニヤリと笑い、魔導八天を二刀に振り分けて片方を下ろし、片方を肩に担いだ。


「どんなライダーを出すんだい?楽しみだよ」

「ライダー?なにを言っているんだ?ディエンドが巡ったのはライダー世界。だったらオレが使ったらどうなるかな?」

「な!?」


ガシュウ!ガシュウ!ガシュウ!

《Servan Ride---SABER!!ARTHER!!RANSER!!》


バァン!!
シュンシュンシュンシュン・・・・・・パァン!!


三人の姿がホログラム状に現れ、それが実体を成して現れる。


「聖杯戦争の三騎士の登場だ。楽しんでくれたまえ」

蒔風がディエンドライバーで「奴」を撃つ仕種をしながらそう言うと同時に三騎士が走り出して「奴」に向かう。


「っち・・・・・オラァ!」

ガガァン!!バガガガガガガッ!!!!!
ドギャン!ギャリリリリッッ!!


「奴」が三人の攻撃を弾きながら同時に攻撃を加えていく。
だがそこはディエンドの召喚だけあって、攻撃にのけ反ることはあっても、一切引くことがない。


「ウザっ・・・たい!!散れェェ!!」


「奴」が剣を振るい、三騎士を吹き飛ばす。
アーチャーとランサーの姿が消え去り、セイバーが庇われる形で残った。


「さて・・・・・」

[Attack Ride---CROSS ATTACK!]


ゴォウ!!!


セイバーの剣に光が凝縮され、それが振り下ろされると同時に放たれる!!!

「はぁぁぁあああああああ!!!!!エクス、カリバーーッッ!!!!!!」


アタックライド、クロスアタックの効果で放たれたセイバーの必殺技が「奴」に向かって突き抜ける。
だがこの手の攻撃を「奴」は受け止めたことがある。


バギィ!!!!


魔導八天の横薙ぎにその光が打ち消され、セイバーの姿が用は済んだと消えていく。



「この程度か!!なんか拍子抜けだな!!!」

「いったろ(バシュウ)・・・・時間稼ぎだってよ。行くぞ!!!」



「「「「変身!!!」」」」


《《turn up》》

《change》

《open up》



元の姿に戻った蒔風の背後で、バックルを拾った四人のライダーが変身しブレイド、ギャレン、カリス、レンゲルが並び立つ。



「ハァッ!!!」


ドドドドドドドドドッ!!!!


カリスが弓状の武器、醒弓カリスアローから高熱のエネルギー矢・フォースアローを、ギャレンが銃、醒銃ギャレンラウザーで銃弾を撃ち、その弾幕の中をブレイドとレンゲルが突き進む。


「ゥウェア!!!!」

「ハァア!!!」


ドガッ!!!!



ブレイドの剣とレンゲルの杖を剣と腕で受け止めた「奴」に、蒔風が真っ直ぐに「火」を振り下ろしてたたっ切ろうとする。
そこから二人を弾き、蒔風の剣を白刃どって蹴り飛ばす「奴」

蒔風とブレイド、レンゲルが地面に転がり、その直後にギャレンの必殺技が炸裂する。



《DROP-FIRE-GEMINI---BARNING DIVID》


ギャレンがギャレンラウザーにカードを読みとらせ、その力を開放する。
ジャンプして宙返りし、空中で分身しながら相手の頭上に炎の力を込めた二段つま先蹴りを打ち込む!!!



ガゴォッ!!!!ドォン!!!!



命中し、爆発する。
だが、「奴」にまともなダメージは通っていない。

「二体に分身するってんならよ、腕は二本あるんだ。一人ずつ掴めば必ずいける」


「奴」が片手でギャレンの足を掴み、地面に叩きつけようと振り上げて下す。
だが地面とギャレンの間に蒔風が滑り込み、その衝撃を緩和させ、ギャレンを引きずってその場から離れる。



「おおおおおお!!!」

《ブリザード》


レンゲルがカードを読み取り、強烈な冷気を噴出し、「奴」の下半身を凍らせる。




「はあああああ!!!」
「うぇああああ!!!」


そこにブレイドの電撃をまとったキック、ライトニングソニックと、カリスの竜巻をまとったキック、スピニングダンスが放たれる。
そんな二人のキックを見、「奴」が首をフルフルと振りながらため息をつく。


バキン!!ドゴゴガッ!!!!



「奴」は、いとも簡単に下半身の氷結を砕き、右足の後回し蹴り一発で二人のキックを粉砕、爆発させて吹き飛ばす。
その圧倒的戦闘力に、蒔風に引きずられたギャレンが驚愕する。


「オレたちは・・・・すべてのアンデットと戦い、勝利してきた・・・・だが・・・・あれはいったいなんだ!!!??まるで歯が立たん・・・・勝ち目は・・・・・」

「バカなこと言うな・・・・・・っぐ、まだ負けねえよ」

蒔風が顔をしかめながらギャレンの肩にポン、と手を当てて前に出る。


「お前の身体も限界だろ蒔風!!死ぬぜェ?」

「・・・・そんな言葉じゃオレは止められないよ」


ニヤリ、と皮肉った笑みを浮かべ、「奴」の方へと走る蒔風。
ギャレンもその後を追って走り出す。


四人があらゆるカード、あらゆる技を繰り出しても、「奴」は次々と打ち破り、蒔風が攻撃に入るも五分と言ったところのダメージ量。
このままではジリ貧である。

ゴリ押しされればおしまいだ。


「ガバッ・・・・・ゴッ、ハ・・・・プッ、ざっけんじゃねえぞ!!!!!」


蒔風が雷旺を「奴」に放ち、その電撃の中を突き進んでいく。
「奴」はそれを弾き、雷旺内の蒔風の首を掴み取った。


「ふん・・・・」

そのまま蒔風の首を捩じり切ろうとする。
だが、蒔風のだらりと下がった手に、圧水の力が集結する!!!


ドッパッ!!!!バシャアアアアアッ!!!!!



蒔風と「奴」の身体が吹き飛び、倒れる。
蒔風の身体がべシャリと落ちて、「奴」がのそりと立ち上がった。



「ぐっつ・・・・・ゲほっ・・・・おい!!ジョーカー!!!お前、人間として生きたくはないのか!!!」

「なに?」


「奴」の言葉に、動きが止まる。
皆、地面に膝をつくか倒れ伏しているかの状態である。
蒔風も右足を引きずりながらなんとか立ち上がっており、ブレイドを立ち上がらせようと肩を貸していた。


「オレが世界を再構築すれば、お前は人間としての生が得られる!!!もちろん、この場の全員が存在する世界をだ!!!それが欲しくないか!!!!」


「奴」の提案を訊き、カリスが周りの皆を見る。
そして最後にブレイドを見据え、静かに立つ。


「そうだ!!!お前の本能を、ここで爆発させろ!!!そうすれば、世界は素晴らしくなる!!皆が笑顔で、欠けることのない未来を得られるんだ!!!」



「奴」が吼える。
その言葉に、カリス・相川始が答えた。



「断わる」

「・・・・お前は人間として生きたいんじゃなかったのか?お前はそんなんでいいのかよ!!」

「たしかに、オレはアンデットだ。だが、人でなくても、人として生きることはできる。それを、教えてもらったんだ。それに・・・・」


相川が蒔風、剣崎の方に向き、こう言った。


「もう十分救われた。この世界に救いは無い、なんてことはない。どんな世界にだって、必ず救いは存在する」

「この世界はお前が生きるにはつらい世界だぞ?・・・お前の居場所は酷く脆い!!そんな世界で、生きていけるのか!!!」


「「「生きていけるさ!!!!」」」


「奴」の言葉に相川だけでなく剣崎、蒔風も叫んだ。



「オレの帰りを待っていると言ってくれた子がいるんだ。その子のために、俺は帰る。その子がいる場が、オレの居場所だ!!」

「始は人として生き、そしてそれを成し遂げようと必死に運命と戦った!!!そんな「奴」に、世界が居場所を与えないなんて嘘だ!!!」

「確かに・・・彼は人ではない。受け入れてくれない人も多いかもしれない。だが・・・・それはお前が決めつけていいことじゃない!!」



「「「自分の居場所は自分で決める。自分の運命も、自ら切り開く!!!」」」



「行くぞ剣崎、準備はいいか!!!!」

「ああ!!!!」



【KAMEN RIDER BLADE】-WORLD LINK- ~WEPON~!!




四人のライダーの全カードが宙を舞い、それがブレイドの全身に張り付いていく。
装甲が黄金に輝き、巨大な剣がその手に握られ、重々しいその姿はまさに王者の風格。


仮面ライダーブレイド、キングフォーム。
さらにそれを越えた存在として、今ここに立つ!!!!


ブォァアアアッ!!!!


装甲からオーラが噴き出し、周囲を圧倒する。
そして一歩一歩、静かに「奴」へと歩を勧めた。


「くっそ・・・・アンデットになられるとこっちも迷惑なんだよッ!!!!」


ドッ!!!ガギィ!!!!


「奴」が魔導八天を振るい、それをブレイドが腕で掴んで止めた。
胴体の開けた「奴」に向かって、黄金の剣ではない、ブレイラウザーを「奴」の腹部に突き刺した!!!!



ドブッ!!ブシャァアアアアアアアッ!!!!!



「奴」を串刺しにし、掲げてから地面に突き立て、縫いとめるブレイド。
その圧倒的な力に「奴」が苦痛の声を上げる。


「がああああっ!?・・・は・・・それでアンデットになっちまったら・・・ガボッ・・・・お前も・・・おしまい、だな!!!!」

「アンデットにはならないさ」

蒔風の言葉に「奴」の目が見開かれる。


「これはWORLD LINKだぞ?そんな負担、かかるわけねぇだろうが」

「この力はみんなの願いがオレに宿ったものだ。それがオレの身体を蝕むはずか無い!!!!」



【KAMEN RIDER BLADE】-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~!!



《SPADE TEN-JACK-QUEEN-KING-ACE》


ブレイドが一足飛びで「奴」と距離をとる。
そして巨大な大剣、キングラウザーに、五枚のカードが装填され、それはコンボとなり、相乗効果で、邪神ですらも砕く威力を誇る絶対の剣となる!!!!


《LOYAL STRAIGHT FLASH!》


音声と共に、「奴」とブレイドの間にホログラム状のカードが出現する。
だが、五枚だけではない。

全アンデットのカード52枚がすべてそこには揃っていた。



「オ、オ、オ、オオ、オオオオ、オオオオオ、オオオオオオオオォォォォォォォォォォッォオオオオオオオオッッッ!!!」


ブレイドが下段にキングラウザーを構え、カードに向かって跳ぶ。
そのすべてのカードを通過しながら、キングラウザーに途方も無い凄まじいエネルギーが蓄積されていく!!!!

「ぐっ!!この!!抜けろ・・・バカ力め・・・地面に食い込んで抜けねぇ!!!が、があ!!!ごあああああああああああああああああああああああ!!!!?????」



ドジュゥゥゥゥゥァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!!



ブレイドがもはや一つの光線と化し、「奴」を突き抜ける。
その膨大なエネルギーはその体を塵一つとして残さなかった。





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ドガン!!!

「もう行く!!行ってくる!!!」

「こら待てお前!!!きちんと治療しろ!!!」

「そんな暇無いってのよ!!!」

「抑えろ!!剣崎!!睦月!!」

「「おう!!」」

「うわっ!!うひょう!?あっぶねぇ!!お前ら怪我人になんてことしやがるんだ!!!」

「怪我人がそんな動きできるか!!!!」

「実はあの人アンデットなんじゃないのかな?・・・・・」


「せめて何か飯食ってけ!!!」

「ガリガリ君(ソーダ味)が食いたいです!!!」

「そんなもん食わせられるか!!!(ドンドンドン!!!)」


「うわっ!!!あの野郎!!本気で撃ってきやがった!?せい!!!」


[Gate Open---KAMEN RIDER BLADE]


「飛び込めオレの情熱!!!」

「タチュバラサン!!!」

「パンツハワタサン!!!」

「言葉おかしくなってんぞ!?じゃあな!!!元気でやれよ!!」


「喰らえ!!!(ブンッ!!)」

「(ゴスっ)あだぁ!!・・・・・・・」


バシュン!!!


以上が蒔風がこの世界から旅だった経緯である。
なんとまあ、慌ただしい去り際だろうか。



「あんのバカ・・・行きやがった・・・・」

「大丈夫だといいけどな」

「あいつなら平気だろ」


心配しながらも、一方で大丈夫であるとも信じて、剣崎たちは日常に戻っていった。





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かつて起こった破滅の現象。


黒騎士、赤い夜、そして魔女


それと戦い、打ち勝った少年少女のいる世界。
この世界で、再び戦いが始まる。




to be continued
 
 

 
後書き

アリス
「ディエンドの力、面白く使いましたね?」

蒔風があれ使ったらああなりますって、絶対。
ディケイドでも使いたいけど、そんな二度手間するなら一発で本人の力借りちゃえばいいからそっちは使いどころないんだよね。


【仮面ライダーブレイド】

構成:"ライクル"60%
   "LOND"30%
   "フォルス"10%

最主要人物:剣崎一真

-WORLD LINK- ~WEPON~:全アンデット融合キングフォーム(負担なし)

-WORLD LINK- ~FINAL ATTACK~:全カードを貫いてのロイヤルストレートフラッシュ

原典:キングフォーム





「次回、蒔風、どこから現る?」

ではまた次回






友と、明日のために!!
 
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