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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  剣 ~クローバーの出会い~


キャオオオオオオオオオオオオ!!!
ギチチチチチチチチチチ・・・・・


「なにこのカオス。バケモンだらけじゃん」


この世界に来て、蒔風が現れたのはビルの屋上だ。

あたり一帯から聞こえる甲高い叫び声にも似た群れの声。
そいつらが動くたびに、耳障りな音が周囲に響く。


屋上から見える光景はひどかった。

街の至る所に黒い姿の化け物「ダークローチ」の群れが出現していた。
真っ黒なそいつらが、街だけで無く、空まで覆い尽くして暴れている。

通った後には破壊の跡のみ。





なぜこの世界はこんなことになってしまったのか。

この惨状の成り立ち。
まずはその説明から入ろう。


この世界において―――

53体のアンデットが太古の昔、バトルロワイヤルを繰り広げた。
それは最後に残った一体の種族が地球上に繁栄するルール。

52体は必死に戦った。
なにせ自分の種族の未来が、繁栄がかかっているのだから当然だ。


そしてその時勝利したのが人間の始祖たるヒューマンアンデット。
こうして人類は地球上に繁栄し、地に満ちた。


そして現代。
アンデットが復活し、バトルファイトが再び始まった。
不死身である彼等を倒すには再びカードに封印するしかない。

人間はアンデッドを封印したその「ラウズカード」の力を引き出す「ライダーシステム」を作りだし、アンデットをカードに封印していきました。



現代におけるバトルファイト。
その戦いの果てに残ったのは52体のうち、そのいずれかでもなかった。

いかなる生物の始祖でもないアンデット「ジョーカー」
バトルファイトにおけるイレギュラー。53体目のアンデッド。

それが今回の勝者だった。
いずれの生物の始祖でもないものが勝者となったとき、では本来手にするはずの繁栄はどうなるのか。


答えは真逆に至る。
そう、ジョーカーがバトルファイトに勝利したとき、地球上の生物は根絶やしにされる。

それを執行するのが統率者・モノリス。
それは捻れた石版で、次々に怪物・ダークローチを生み出していく。



そして今、仮面ライダーは戦っている。
この世界を救うために。





「・・・・・・・・・ん、なるほどな・・・・・・あれは・・・・」

蒔風が情報を知り、下を見ると、一台のバイクがダークローチに突っ込み、薙ぎ倒していった。




「変身!!」


《open up》


バイクに乗っていた青年がベルトのバックルを開く。
すると人間大の大きさをしたホログラムのカードが出てきて、青年がそれをくぐってトランプのクラブをモチーフにしたライダー、仮面ライダーレンゲルに変身した。



「行くぞ!!オオオッッッ!!」


レンゲルが尺杖型の武器、醒杖・レンゲルラウザーを振るってダークローチたちを次々と消滅させていく。

戦闘力や耐久力が高くなく、不死でもないダークローチを倒すことは簡単だ。
だが数が多すぎる。

黒い絨毯に緑の点がポツンとある。
そんな感じだ。

だがそれでもレンゲルは、そのビル群にいたダークローチの半数を倒していた。



「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・き、キリがない・・・・・」




体力に限界が来たレンゲルの膝が落ちる。
餌を見つけたゴキブリのように、そこに一斉に襲いかかるダークローチ。

レンゲルがラウザーを構え、振り上げた、その瞬間。



シュカン!!!ボッ!!ドドドドドドドドドドッドン!!!!!!!



周囲のダークローチが一瞬で上半身と下半身に分かれ、爆発した。




「大丈夫かい?」


刀を肩に担ぎ、レンゲルに手を伸ばすのは蒔風だ。
その姿にレンゲルが唖然とする。


「あ、あなたは!?それにあいつらを一瞬で・・・・・」

「なに、気にするなよ。君には訊きたいこともある。とりあえず!!!!」


蒔風がその手をかざし、振り下ろす。
すると土惺の力で浮かび上がらせておいた何枚もの「地面」がダークローチ達を踏みつぶした。


「こんなものでどうかい?」


「・・・・・・あ・・・・・え?」


レンゲルは唖然とするだけだ。
だがこの周囲を一掃したものの、ビルの陰から次々とわき出てくるダークローチ。


「キリがないなホント。一旦逃げんぞ」

「ちょ、待って!!!あなた一体何者ですか!?」


レンゲルが蒔風の肩を掴んで話を聞こうとする。
だが蒔風はその肩をはずしてダークローチを指さして言った。


「ここ一帯の避難は終わったろ?はやくいかねぇと、飲み込まれるぞ、あれに」


ウジャウジャとしているダークローチはまるでそういうシステムであるかのように街を練り歩き、破壊を繰り返していく。

「気持ち悪いだろ?あれ。早く行こう。話はそれからだ」







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公園のベンチに座る二人の男。

蒔風と、レンゲルに変身していた青年、上城睦月だ。


「・・・・・って話しなんだけどさ」

「信じられません」

「じゃあオレさんの力はどうする?」

「それは・・・・でも・・・・・・」

「ま、いいさ。とにかくブレイド、確か、剣崎一真・・・・・だっけ?に会おう」

「・・・・・・・わかりました。案内します」


「ありがと~~~!!!ムツキング!!!」

「なんですかその呼び名は!?」



そういって案内してくれた睦月の後をついて行った蒔風。
着いた先は荒野の一軒家だ。結構ボロい。



「ここ?」

「ボク達に協力してくれる人の家です。橘さん、いますか?」


扉を開けながら睦月が中に声をかける。
すると一人の男が玄関の廊下の隣の部屋から腕を組んで出てきた。


「睦月、こいつか?変な話を振ってきた男とは」

「はい。でも、僕を助けてもくれました」

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「橘さん?」

「いや、すまない。どうやら君の眼に嘘偽りはないようだな。詳しい話を訊きたい。入ってくれ」



そう言って男、橘朔也が中に案内する。

案内された先のリビングには、何やらモニターやらとにらめっこしている男女がいた。


「あれ?お客さん!?困ったなぁ、いきなり連れてこられちゃ・・・・・」

「橘さん、この人は一体?」

「えっと・・・・BOARD(ボード)の人かな?この家の持ち主、白井虎太郎です」

「違うでしょ?この人会ったこと無いもの。元BOARD研究員、広瀬栞です。えっと・・・橘さんの知り合い・・・・・ですか?」


栞と虎太郎となのる二人が自己紹介する。

ちなみにBOARDとはアンデットを研究し、ライダーシステムを作った組織だ。
組織自体は復活したアンデットに壊滅させられたが、こうして研究員の何名かが集まっているのだ。



「違う。だが、睦月が言うには面白い話が聞けるそうだぞ?」

「それがこう・・・・突拍子もなくて・・・・それで橘さんにはあらかじめ連絡しておいたんですけど・・・・」



「そりゃそうだろ。いきなり世界だとかブレイドが殺されるなんて言ったら・・・・」




「剣崎くんが!?」

「こここ、殺される!?」

「詳しい話が訊きたいな」

「はいはい。待ってね、今お教えしましょうかな・・・・・・」






~~蒔風、説明タイム~~







「本当に・・・・・?」

「おっ!?その疑り深い目!!・・・・まあ今まで通りだけどねー。ま、そうやって何事も鵜呑みにしない警戒心はいいと思うけど」

「でも・・・・真実なんだよね?」

「うん。剣崎一真が「奴」に狙われているのは確かだ。だがそれよりもまず、やらなきゃならないことがある」


「え?」


「この世界はなぜこうなっている?バトルファイトの最初の方でジョーカーを倒せばよかったじゃないか」


その発言に橘や睦月をはじめ、全員が黙りこむ。


「それは・・・・・ですね・・・・」

「・・・・オレが話そう。そうだな・・・どこから話そうか・・・・・」



頭の中で話すべきことを整理する橘。
そして決まったのか、口を開いて話し始めた。





「ジョーカー・・・・相川始は・・・・・・「人間」なんだ・・・・・」






to be continued
 
 

 
後書き
上城睦月(上城睦月):登場人物
仮面ライダーレンゲルに変身する高校生。
レンゲルシステムはブレイドやギャレンのものよりもバージョンアップされており、強化変身はないものの決して見劣りはしないだけの能力を持ったライダーである。
ちなみに彼女あり。リア充。


橘朔也(たちばなさくや):登場人物
仮面ライダーギャレンに変身する青年。
この世界における最初の仮面ライダーで、実はブレイドは主人公ながらも2号ライダーなのだ。
勘違いや思い込みで敵の罠やドツボにどんどんはまっていく様子からして「この人がいなければもっとスムーズになったのでは?」と思われることもあるものの、彼自身は間違いなく善人で、頼れる先輩ライダーなのだ。
事実、ブレイドに変身する剣崎も、レンゲルに変身する睦月も、いざとなるとき頼りになるのは彼であると思っている。






この世界の時系列も最終回近くですね。

アリス
「やっぱりですか。劇場版でも本編でも、なんだかさみしい終わりでしたもんね」

確かに皆、救われた。
だがそこには確かな犠牲があった。
それじゃいかんのです!!!



アリス
「頑張れ蒔風。次回、キングフォームの呪い?」

ではまた次回












オンドゥルラギッタンディスカーー!!!!!! 
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