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提督はBarにいる。

作者:ごません
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仲良き事は善き事かな


 前回載せそびれたブランデーケーキの作り方を、ここに纏めておこうと思う。今回はブランデーベースのパイナップル酒を使っているが、普段作るときは普通のブランデーで構わない。

《家庭で作れる!ブランデーケーキ》※パウンド型1つ分

・無塩バター:110g

・砂糖:90g

・全卵:2個

・ブランデー(練り込み用):大さじ4

・ブランデー(仕上げ用):大さじ5

・薄力粉:110g

・ベーキングパウダー:小さじ1/2

・塩:一つまみ

・アーモンドプードル:20g

 まずは下準備。予め無塩バターと卵を常温に戻しておく。これをしておかないとバターは固くて練りにくいし、卵は冷えているとバター等と混ぜた時に分離してダマになってしまう。ちょっとした事だが、『食材の温度を合わせる』というのは大事なポイントだ。バターを常温に戻す時間がない場合は、湯煎で暖めても構わないが、溶けすぎないように注意な。溶かしバターではパウンドケーキ系は作れない。

 卵を完全に溶き、練る用のブランデー大さじ4を混ぜる。更に薄力粉、ベーキングパウダー、塩をふるいにかけて合わせておく(卵液とは混ぜないぞ)。ここまで来たらパウンド型にクッキングシートをセットし、オーブンを170℃に余熱。

 ここから生地の仕上げ。常温に戻して柔らかくなったバターを、空気を含んで膨張してクリーム状になる位まで練る。キレイにクリーム状に練り上げる事でこの後卵液をを合わせた時に分離しにくくなる。練ったバターに砂糖を3~4回に分けて更に練り上げる。ボテッとした感じで伝わるかな?砂糖を加える前よりも感触も重たくなるから解ると思うが、ここの練りが足らないと上手く焼き上がらない。練れたらそこに卵液を5~6回に分けて混ぜながら加えていく。分離しないようにしっかりと混ぜてな。しっかりと混ざったらふるった粉とアーモンドプードルを3回に分けて加えて混ぜる。アーモンドプードルはその名の通りアーモンドの粉末で、クッキーに加えれば香ばしさを、ケーキ生地に加えればしっとりとさせてくれる便利な製菓材料だ。最近の流行りものだとマカロンなんかにも使われてるな。しっかりと混ざったら生地は完成。

 パウンド型に生地を流し込む。隙間が出来ないように、パウンド型のそこを叩きながら生地を入れ、隙間なく入ったらトッピングだ。ブランデーケーキだけでなくパウンドケーキ全般だが、レーズンやナッツ、ドライフルーツ等は相性がいい。今回は上に果実酒の漬け込みに使ったパイナップルを輪切りの半分にして並べた。ドライフルーツ等は上に散らしてもいいし、型に流し込む前に生地に練り込んでもOKだ。



 さて、いよいよ焼成だ。余熱したオーブンに生地を入れ、45~50分焼く。焼き色を見ながら、焦げそうならアルミ箔を被せて焼く。ムラなく焼きたいなら、焼き上がりの15分前位に向きを変えると良い。焼き上がりのチェックは串を刺して何も付いてこなければOK。焼き上がったら熱い内に仕上げ用のブランデーを半分塗る。冷めたら残りの半分を塗る。これで完成ではあるのだが、美味しく食べるには寝かせた方がいい。型から外してラップで包み、ビニール袋などに入れて口を縛り、冷蔵庫で寝かせる。最低でも1週間位は寝かせた方が仕上げに塗ったブランデーが生地に馴染んで更にしっとりとして美味くなる。今回は2週間近く寝かせたものを大和と鳳翔さんに出している。

「ん~っ、しっとりしてて美味しい!」

「そうね、ブランデーの香りがとても良いアクセントね。」

 二人は顔を綻ばせながら美味しそうにブランデーケーキを食べている。と、

「おぉ、やはりここじゃったか。武蔵ぃ、おったぞ‼」

 何やら扉の方から喧しい声が。

「提督よ、邪魔するぞ。」




 やって来たのは利根と武蔵、それに筑摩。先程大和を置き去り(?)にして飲みに行ったという二人が、もう一人を引き連れてやって来たのだ。

「いや~、武蔵と街に出て飲んでいたのだがな?飲み足りないという事で鳳翔さんの店で飲み直そうと思ったのじゃ。」

 かっかっか、と笑いながら語る利根。座るなりブルーベリー酒をソーダ割で頼み、ジュースのようにゴクゴクと飲んでいる。

「私は一人だったので鳳翔さんのお店でお夕飯にしようと伺ったのですが、もう閉まっていて、どうしようかと思っていたら利根姉さんと武蔵さんに出くわしたんです。」

 照れ臭そうに笑う筑摩はみかん酒をロックでチビチビと嘗めながら、鳳翔さんが持ってきていたお総菜をつまんでいる。

「それで、『どうせならば大和も誘おうぞ!』と利根が言うんでな。探していたのだが……迷惑だったか?」

 武蔵が申し訳なさそうに頬をポリポリと掻きながら大和に尋ねている。

「べっ、別に?迷惑って事もない事も……ない…けど。」

 大和はそっぽを向いたまま、ブツブツと言いながらミルクティーを啜っている。さっきまで寂しがっていたクセに、素直じゃねぇなぁ。見ると鳳翔さんも肩を震わせてクスクスと笑っている。結局その日は明け方近くまで5人の話に華が咲いて飲み明かしていた。翌日、珍しく寝坊して赤面していた鳳翔さんを見た、と艦載機の妖精さんから聞いたが、俺は知らんと誤魔化しておいた。
 
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