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ソードアートオンライン 孤独者と闇裂く対剣

作者:香月
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デスゲーム
第一章
  第一層攻略会議

「49人か……」
キリトが盛大な溜め息をつきながら、小さい声で呟いた。
でも、少ないとも思えない。みんな、自身の危険を知りながらこの場に集まったのだから。
「少なくないんじゃない?」
ユウキが妙に間延びした声で聞き返す。
「確かに、少なくはないのかもな……この状況、普通は逃げ出すとか他のやつらに任せるとかしそうなもんだけど。」
俺は本音で呟く。しかし、キリトは
「これが本当に自己犠牲精神の発露ならな。多分、ここに来てるプレイヤーのほとんどが、最前線から遅れるのが怖いんだよ。」
「なんで、ですか?」
黙りこくっていたランが口を開く。
キリトは簡潔に答えた。
「確かに、死ぬのは怖いかもしれない。けど、どこかでボスが攻略されてるって言うのも怖い、っておもってるんだ。」
僅かに沈黙が流れる。が、会議の開始によってそれは打ち消された。
「はーい!それじゃあ始めさせて貰いまーす!俺の名前はディアベル!気持ち的にナイトやってます!」

おどけたような自己紹介に場の雰囲気がわずかになごみ、それに対するヤジもうまれる。
しかし、ボスの情報交流となると全員の表情は真面目そのものとなり、ボスの対策をあーでもないこーでもない、どうするんだ、といいながら作戦を組み立てて行く。
おおよそすべてのパターンへの対策を立て、パーティーを組むように指示がでた、その瞬間______

「ちぃと待たんかい!」
誰だ、今の声。ざわざわと、喧騒が広がり始める。
声の主はたたたっと階段をかけおり、中央広場に降り立つ。
「ワイはキバオウっちゅうモンや。ひとつ言わせてもらいたいことがある!ここにおるβ上がりのグズども!出てこいや!2000人殺しといてパーティーだけ入れてくださいなんてムシが良すぎるやろ!今!ここで!情報と金、レア装備を全部吐き出せ!そうでもせんとお前らの事は信用できんし、命を預けられん!」

ブチッ、となにかが切れるような音と同時に、光芒がキバオウの横を通りすぎた。
「は……?な、なんや!今の!誰がやったんや!出てこいや!」
キバオウは狼狽え、辺りを散策し始める。
気づいてないのか?なら……
ヒュオッと空気を裂き、なにかがキバオウの寸前まで迫っていった。キバオウは見えない<何か>に押されたかのように倒れる。
目線が俺をとらえていたときにやったため、糾弾は俺へ向けられた。
「何しとんじゃ己ェ!」
キバオウが片手剣を抜き放ち、俺と正対する。俺はジャンプでキバオウの目の前へ着地し、腕をとる。
キバオウは抵抗すらせずに、睨み付けるだけ。なんだ、所詮雑魚か。
「おぉ、怖い怖い。今は攻略会議に集中しましょうよ。せっかく元βテスターさん製作の攻略本があるんですし。」
ぱっ、と手を離し、おどけて見せる。それがキバオウには逆効果だったらしい。今度はキバオウが俺の胸ぐらを掴んだ。
「赤目のクソガキ……なめとんのかぁ!?」
おいおい、力量の差位わかれよ。
「なめてんのはてめぇだろ。」
俺は腕を振り払い、キバオウの後ろに回り込む。同時に腕と頭部を掴み、地面へと叩き付けた。
「ひとつ忠告だ。俺はあんたが使えない、邪魔だ、と判断したら即座に消すから。」
俺はそれだけ告げると元の場所まで戻っていった。
キバオウは鼻をふんっ、とならし、最前列まで堂々と歩いていった。
「じ、じゃあ、気を取り直して、続けていこう!まず、パーティーを組んでくれ!」
辺りが次々にパーティーを組むなか、俺一人が取り残された。ユウキたちが誘ってくれたのだが、ソロでいい。
と断り、攻略自体もソロで行うことになった。
その後は特に何も起こらず、攻略会議は幕を下ろした。 
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