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オズのビリーナ

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第二幕その八

「そんな感じかな」
「そうだよね、オズの国には色々な国があるけれど」
 カルロスも考えつつ言います。
「そうした国々と一緒かな」
「ええ、カドリングに多いけれど」
 恵梨香も考えつつ言います。
「そうした国と一緒かしら」
「大体そうだな」
 キャプテンが五人に答えてくれました、一行は今は黄色い煉瓦の道を進んでいますがキャプテンの義足は何も問題もなく進んでいます。
「あの国も」
「やっぱりですね」
「狐さんの国とかと一緒ですね」
「オズの国の他の国と」
「それぞれの小さな国とですね」
「同じって思えばいいんですね」
「大体な、そう思ってくれると簡単だね」 
 キャプテンは五人にわかりやすくお話します。
「君達にとっても」
「まあそうね」
「言われてみればそんな感じね」
 ガラスの猫とエリカも言います。
「ビリーナの国もね」
「そうした国よね」
「鶏だけの国だから」
「そんな感じね」
「あら、違うわよ」
 ビリーナはキャプテンや猫達のお話に心外だといったお顔で返しました。
「それは」
「違うの?」
「そうだっていうの?」
「そうよ、私の国を他の国と一緒にしてもらったら心外だわ」
 こう言うのです。
「もっともっといい国なのよ」
「あら、じゃあどういった国なの?」
 ガラスの猫はビリーナの横に来て彼女自身に聞きました。
「私から見れば他のオズの国の中の国と一緒だけれど」
「鶏の鶏による鶏の為の国なのよ」
 だからという返事でした。
「それでよ」
「最高の国だっていうの」
「全てが鶏のことを考えて建国されてね」
「鶏が生きるのに相応しい国なの」
「そう、だからね」
「これ以上はなくなの」
「素晴らしい国なのよ」
 こう胸を張って言うのでした。
「私が知る限りで一番の国よ」
「成程ね」
「だからこうして自信を以て言うのよ」
「あんたいつも自信満々だけれどね」 
 こう言ったのはエリカでした。
「今はいつも以上ね」
「その自信の根拠がわかるでしょ」
「そう言われるとね」
 実際にと答えたエリカでした。
「あんたの国のお話だから」
「そうでしょ、じゃあいいわね」
「あんたの国はいい国」
「最高の国ね」
「だからっていうのね」
「来訪を楽しみにしていなさいってことね」
「そうよ、実際に私は楽しみにしているわ」
 胸を堂々と張ったままの言葉です。
「帰国にね」
「その途中にジンジャーさんのお家があるから」
 ここでトロットが皆に言いました。
「そこにも寄る?」
「あっ、ビリーナの国に行くまでにですか」
「あの人のお家もあるんですね」
「あの人のお家はマンチキンの西の方ですけれど」
「途中ですか」
「あの人のお家にも寄れますか」
「そうなの」 
 実際にとです、トロットはナターシャ達に答えました。 
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