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オズのビリーナ

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第二幕その四

「私がいない間留守を頼みたいけれど」
「ちょっと待って、ドロシーはこれから冒険に行くのよ」
 エリカがオズマに彼女の足元から言いました。
「だからね」
「そうなの」
「ええ、だからね」
「それは困ったわね」
「いえ、そうした事情なら」
 是非にとです、ドロシーから言いました。
「私は残るわ」
「そうするの」
「王宮にはいつも誰かがいないといけないから」
「特にお客さんが多い時はっていうのね」
「オズマがいないならね」 
 それならというのです。
「私が残るのが一番だから」
「それでなのね」
「私が残るわ」
「わかったわ、けれどね」
 エリカはドロシーのしっかりとした考えを受けて頷きました、ですがそれはそれでとさらに言うのでした。
「ビリーナのお国に一緒に行く娘は誰にするの?」
「そうだよね、僕はドロシーといつも一緒だからね」
 ここで言ったのはトトでした。
「僕も残るしね、王宮に」
「この娘達とビリーナ、私達二匹の猫だけだとね」
「不安があるよね」
「何かあった時オズに精通している人か大人がいないと」
「そうだよね」
「だから誰かいないかしら」
「それなら」
 すぐにです、オズマが答えました。
「トロットとキャプテン=ビルさんはどうかしら」
「その二人?」
「そう、二人とベッツイも王宮に残るけれど」
「二人ならっていうのね」
「最近冒険に出ていなかったから」
「いいっていうんだね」
「丁度冒険に行きたいって言ってたし」
 そのこともあってというのです。
「いいと思うわ」
「じゃあ二人を呼んで」
「この子達と一緒に冒険に行ってもらいましょう」
「オズの国の冒険は何があってもおかしくないから」
 何時何が起こるかわからない、それがオズの国なのです。
「だから付き添いが必要だしね」
「じゃあ二人に声をかけるわね」
「そうしてくれるのね」
「この子達の冒険は妨げてはいけないわ」
 オズマはこう言うのでした。
「冒険はオズの国では最も貴重なものの一つだからね」
「だからなんですね」
「僕達は今回も冒険に行っていいんですね」
「ドロシーさんに急用が出来ても」
「それでもなんですね」
「行ってもいいんですね」
「そうよ」
 にこりと笑っての返事でした。
「だから一緒に行くといいわ」
「トロットさん達とですね」
「トロットと一緒に冒険に行ったことはあったと思うけれど」
 オズマはナターシャにお話しました。
「あまり多くはなかったわね」
「そういえばそうですね」 
 ナターシャも言われて気付きました。
「私達トロットさんと一緒の冒険はそんなに多くなかったです」
「それなら余計によ」
「トロットさん、そしてキャプテンさんとですね」
「一緒に行くといいわ」
「わかりました、それじゃあ」
「すぐに二人も呼ぶわね」
 トロット、そしてキャプテンをというのです。 
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