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オズのビリーナ

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第二幕その三

「いい場所よね」
「そういえば何度か案内したわね」
「そうよね」
「それでその都度楽しく過ごしたわね」
「ええ、とてもね」
 にこりと笑って答えるドロシーでした。
「いい時間だったわ」
「だから今回も」
「楽しく過ごさせてくれるのね」
「そうするわ」
 こう笑顔で答えてでした、ドロシーは。
 皆と一緒に朝御飯を楽しく食べてでした、それから。
 食べ終わった皆にです、満面の笑顔で言いました。
「じゃあこれからね」
「はい、出発ですね」
「いよいよですね」
「そうしましょう、途中ジンジャー将軍のお家や王立大学にも寄れたら」
 その時はというのです。
「寄りましょう」
「王立大学ですか」
 王立大学の名前を聞いてです、ナターシャはふと言いました。
「ジンジャー将軍のお家にお邪魔したこともありますけれど」
「貴女達あそこにも行ったわね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「懐かしいですね」
「そうよね」
「あそこで皆で遊んで」
 そしてというのです。
「一緒にいたボタン=ブライトが急にいなくなって」
「あの子はいつもそうなのよね」
「そうですよね」
「いつも急に出て来てね」
「急にいなくなりますね」
「そうした子なのよ」
 このことはドロシーもとてもよく知っていますy。
「不思議な子よね」
「オズの国の人達の中でも」
「そう、けれどね」
 それでもというのです。
「それがいいのよね」
「神出鬼没なところも」
「寝ていながら」
「そう、寝ている間に動いている子なのよ」
 ボタンは全然動いていないけれどです。
「だから今もね」
「寝ながらですね」
「オズの国の何処かにいるわ」
 寝ながら移動してです。
「そうしているわ」
「そうですね、じゃあひょっとしたら今回も」
「あの子に会うかも知れないわね」
 全くのイレギュラーにしても、というのです。そうしたことをお話しながらいざ出発しようとするとです。
 皆のところにです、オズマが来てでした。
 ドロシーの姿を見付けるとです、早速彼女に声をかけました。
「あっ、ここにいたのね」
「あらオズマ、どうしたの?」
「実はウィンキーの国で大変なことが起こってね」
「大変なこと?」
「ちょっと竜巻が起こって」
 それでというのです。
「田畑を元に戻すのに私が行くことになって」
「木樵さんやかかしさんのお手伝いで」
「私は魔法が使えるから」
 だからというのです。
「魔法で元に戻せるでしょ」
「ええ、そうね」
「それで私が行って魔法使いさんにも連絡をしたから」
「二人でなのね」
「ウィンキーの国に行くけれど」
 それで、というのです。
「その間王宮に暫くお客さんが一杯来るから」
「その応対になの」
「こうしたことは貴女が一番得意だから」
 オズの国で最もお友達が多いドロシーがです。 
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