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オズのビリーナ

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第一幕その五

「僕はそれかな」
「さて、何がいいかしら」
「トウモコロシの食べ方もそれぞれだから」
 ナターシャと恵梨香の女の子二人はそれぞれのお顔を見合わせてそのうえで相談をしました。女のこ同士で。
「茹でても炒めても焼いてもいいけれど」
「どれがいいかしら」
「そこは難しいところね」
 ドロシーも言います。
「トウモロコシの食べ方も」
「どれも美味しいですから」
 ナターシャは考える目になっています、実際に。
「具体的に何を食べるかとなりますと」
「迷う時があるわね」
「はい、どうしても」
「私もよ。どの食べ方にしようかしら」
「考えますね」
「今実際にね」
 そうなっているというのです。
「さて、どうしようかしら」
「迷ったらその時はね」
 ビリーナは今度は左の羽根を挙げてです、皆に言いました。
「あれよ」
「あれ?」
「あれっていうと」
「サイコロを投げて決めればいいのよ」
 これがビリーナの解決案でした。
「そうすればいいのよ」
「サイコロを投げて、よね」
「その目で決めるのよ」
 そうしればいいというのです。
「それでね」
「そうね、それがいいわね」
 ドロシーはビリーナのその言葉に頷きました。
「こうした時は」
「そうでしょ」
「何か私達って迷った時はいつもこうね」
「サイコロかルーレットね」
「それで決めているわね」
「そうよね」
「決め方として妥当よ」
 そうだとです、ビリーナはドロシーに言いました。
「それもね」
「そうよね、ジュリアス=シーザーもそうだったし」
 ドロシーはこうも言いました。
「サイコロで決めていたわね」
「賽は投げられたね」
「ええ、だからね」
「決めるにあたってね」
 それでというのです。
「いいと思うわよ」
「私達は英雄じゃないけれど」
「それでもね」
「決めることはいいわね」
「じゃあね」
「ええ、サイコロかルーレットか」
「どっちかで決めればいいわね」
 トウモロコシの食べ方にしてもです。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「あっ、シーザーですけれど」
 神宝がここでドロシーに言います。
「カエサルさんのことですよね」
「ええ、そうよ」
 その通りとです、ドロシーも答えます。
「ユリウス=カエサルさんの英語読みよ」
「それぞれの言葉で読み方が変わるんですよね」
 ジョージも言います、ドロシーと同じアメリカ人で英語を喋るこの子も。
「英語とラテン語でも」
「うん、ブラジルはポルトガル語だけれど」
 カルロスもお国の言葉をここで思い出します。
「その呼び方に近いね」
「カエサルさんに?」
 恵梨香はカルロスのその言葉に応えました。 
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