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ウィッチ=クラッシュ!

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5部分:第四話


第四話

                    第四話   グループ名
「名前だよね」
「うん」
 これは今まで誰も考えていなかった。
「どうしよう」
「格好いい名前がいいけれど」
「ありきたりなのはね」
「うん、駄目よね」
 それだけはわかっていた。やはりやるからには目立ちたかった。
「魔女だからねえ」
「ウィッチーズとかじゃねえ」
「ああ、それなら誰だって思いつくわよ」
「そうよね」
「かといって」
「何にする?」
「何にするって言われても」
 誰もこれといったアイディアが思い浮かばない。
「いざ言われると」
「ちょっとねえ」
「思いつかないなあ。どうしよう」
「とにかく格好いい名前よ」
 これは絶対条件であった。華奈子が言う。
「それがまず第一」
「じゃあ何かあるの、華奈子ちゃん」
「格好よくて独創的な名前」
「あるかしら」
「それは」
「あっ」
 ここで美奈子の頭の中で何かが閃いた。
「あるの、美奈子ちゃん」
「クラインなんかどうかしら」
「クライン」
「そう、英語で言う王冠。皆の頭に王冠が輝くような凄いバンドになりたいから」
「クラインかあ」
「それいいかも」
 他の皆はそれに頷くものがあった。
「格好いいし」
「独創的っていえばそうだし」
「そうよね、それに」
「後は中身で勝負よ」
 華奈子が元気のいい声で言った。
「それでもう充分よ。じゃあ明日から早速」
「もう華奈子ちゃんたら」
「早速やる気になっちゃって」
「仕方ないなあ」
「何言ってるのよ、思い立ったが吉日よ」
 だが華奈子はやはり華奈子であった。
「だから。すぐ練習するわよ」
「それで夢は武道館でコンサートね」
「いえ、世界ツアーよ」
 六人の夢は膨らむ。何はともあれ六人の新しい活動がはじまったのであった。魔法と並行して。


第四話   完


                  2006・8・22



 
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