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ドリトル先生の名監督

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第十一幕その三

「はじめてです」
「そうなのですか」
「よく勝て勝てと言う人はいます」
 お相撲でもというのです。
「ですがその三つを勝敗よりも大事という方はです」
「少ないのですね」
「本当に、実際のところは」
「理想論でしょうか」
「そうかも知れないですが正論ですね」 
 親方もこう言うのでした。
「やっぱりその三つがないとです」
「お相撲をしてもですね」
「何の意味もないですね」
「ましてや暴力はです」
 先生はこのことについては特に言うのでした。
「あってはなりません」
「絶対にですね」
「僕はそう考えています」
「昔から相撲部屋では指導としてです」
「よくですね」
「竹刀で殴る等の行き過ぎた指導がありまして」
 そうしたことがあったというのです。
「死んだ話もありました」
「その話は僕も聞いています」
「それが問題になっていまして」
「ではそちらでも」
「戒めていますが」
 親方は難しいお顔になっています、そうして先生にお話するのでした。
「しかし」
「それでもですか」
「そうしたお話がどうしてもありまして」
「角界でも、ですか」
「どうにかしなければというお話になっています」
「暴力は何も生み出さないですからね」
 先生はご自身お考えを言うのでした。
「本当に」
「全くですね」
「はい、暴力では何も解決しません」
 また言う先生でした。
「むしろ逆です」
「問題が起こるだけですね」
「そうです、ですから」
「先生もですね」
「僕は絶対にそれはしません」
「そうなのですか」
「殴られたら痛いですね」
 先生は強い声で言いました、このことは。
「それこそ」
「はい、本当に」
「自分が痛いならです」
 それならとです、先生はさらに言います。
「最初からするべきではないので」
「その通りですね」
「はい、しないです」
「先生の様な人が角界に多ければ」
 親方は遠いお顔になって先生に言いました。
「角界もよくなるでしょうね」
「いえ、僕はそんな」
「一人一人の力は小さくても」
 それでもというのです。
「多くの人が集まれば」
「そういうことですね」
「はい、ですから多ければ」
 本当に先生の様な人が多ければというのです。
「角界もよくなっています」
「より、ですか」
「はい」
 こうお話するのでした、そしてです。
 試合がはじまりました、それは結構以上にです。
 激しいものでした、その練習を見てでした。先生と一緒にいる動物の皆もかなり真面目に言います。まずはオシツオサレツが言います。 
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