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HUNTER×HUNTER 六つの食作法

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024話

「クラピカ入手できたカードは?」
「マリモッチ2枚にリモコンラットが3枚だ。それ以外の奴にはまだ遭遇出来ていない」
「俺と似た感じだな、マリモッチが3枚だけだなクラピカとの違い」

岩石地帯にてモンスターカードの収集に入ったシャネル達、一旦二手に分かれて収集に入ったが中々新しいモンスターに遭遇出来ずに同じモンスターカードが重複してしまっている。正直新しいモンスターと戦ってみたいものだ。

「そういえばキルアとゴンは?」
「私は知らないな。二人はなにかと頑張っているようだが……」
「俺の円の射程外に居るみたいだな……あの二人だったら一応大丈夫だと思うけど……少し心配になってきたな」
「探してみよう」

基本的に共に行動しているシャネルとクラピカ、元々師弟と言う事も合ってかそれとも別の意味があるのか。但し二人を探すにあたって使用するのはクラピカの能力、約55メートル程の円を持つシャネルだがそこから出られてしまっては探すのには時間が掛かる。それにもしも二人が倒せないレベルのモンスターに遭遇し怪我をしていた場合も考えられるので急ぐ。導く薬指の鎖を出し二人の場所を探る。

「……解った、彼方の方向だ」
「解った、急ごうか」

円を念の為に広げたままでクラピカの案内で其方へと歩き出す、円を広げ続けるのは精神的にシンドい部分がある。常に自分が触れて確認出来るという感覚を広げている為である、歩を進める度にそれは増えて行ったり消えて行ったりする、それだけでも疲労は溜まっていく。

「見つけた、がもう一人誰かいるな」
「誰かって……ああビスケちゃんか」

発見した二人だがなにやらビスケに説教されているような感じであった、しかもその直後にキルアはぶん殴られてぶっ飛ばされていた。

「……おいおい如何いう状況だよゴン」
「あっシャネル!いやなんというか……」
「ってぇ……ああシャネル!!おい俺たちはこのシャネルに念を教わってんだ!お前なんかお呼びじゃねえんだよ!!」
「いや、だから状況の説明を……」

いきなり自分を指さしてこいつ師匠だからお前の教えなんかいらないと言われても困ってしまう。まあ確かに師匠なのは間違いないが……まだ本格的な修行は一つもつけていないが。

「師匠っつってもまだまともに修行付けた覚えねえけどな。本当の意味じゃ、本当の師匠は前任のウイングさんとやらじゃねえのか?」

シャネルがそういうとビスケはやや首を傾げた。

「ウイングって眼鏡をかけた寝癖坊や?幾ら言っても服の着方が直らない?」
「そなの?」
「うん正にウイングさんの癖とか見た目的中だよ、知ってるの!?」
「そりゃ知ってるわさ、私の教え子よウイングは」

自分の前任のウイング氏とやらの師匠、っという事はこの少女は一体幾つになるんだと思わず思考してしまう。しかし女性に年齢を聞くのは失礼にあたる行為、聞くのは火事場にガソリン被って突撃するようなもの。

「あんたらにしたら今の師匠の前の師匠の師匠、つまり大師匠って事になるんだから教わるのに不服はないでしょ?」
「なんか言葉にしたらややこしいな……てかあんんでシャネルとクラピカには言わねえんだよ!?」
「だってこの二人は別格だもん、貴方達ってモンスターカード何枚集めた?」
「マリモッチ2枚にリモコンラットが3枚」
「マリモッチ3枚にリモコンラットが3枚、後はメラニントカゲだな」

ほらねと言いたげな目線を向けるビスケ。

「あんたらはマリモッチすらまともにゲット出来てない、指定ポケットでもないランクDのカードをね。あんたらがゲット出来てないのが問題じゃなくてこのカードを簡単にゲットできる奴らがこの島にゴロゴロいるのが問題なのよ、そこんところ理解できる?シャネルさんとクラピカさんだっけ。二人は大したもんよ、修行時は実戦形式が多かったんじゃない?」

その言葉に二人は迷う事無く肯定した。六式の修行も勿論、念能力を覚えた後も行ってきたのは実戦形式による修行が大多数を占めていた。理由としてはクラピカの目標が蜘蛛という実力者ばかりの盗賊を打倒するという物だからだ。その為には兎に角実力を付ける必要があった為実戦形式で総合的な戦闘力の向上をメインに据えていた。

「まあ、9月に合流って約束があったから応用技の修行がまだ不十分だけどな」
「しかし実戦で使うものはしっかり習ったが」
「あれはしっかりって言えない。まだみっちりやらないとキツいよ」

実戦で使う物と言われて真っ先に挙げられる応用技と言えば凝、硬、堅、流の4つ、クラピカにはこれを重点に叩き込んでいるがそれもまだ不十分。このグリードアイランドなら色んな修業が出来ると思いどうしようかと思った時、円に反応があった。

「……何かいるな」
「モンスター?」
「いや人だな……敵だな。いただきます、ぉぅら!」

素早く合掌をして左腕をある岩山へと伸ばし念弾を飛ばす、飛ばす際に念弾を"隠"で見えにくくしたステルスフォークは岩山に炸裂すると一人の人間を遠くのほうへと吹き飛ばした。

「ふぅ……さてとビスケちゃん否ビスケさんと呼ぶべきかな?」
「堅苦しいのは苦手だからビスケでいいわよ、シャネルさん♪」
「いや急に猫撫で声にされても……あんた何者だ?俺の円に入ったのを気づいたのとほぼ同じ時、いや一歩早く気づいてたよな」
「ふ~んいうなれば直感と相手がほんの僅か、漏らした殺気。恐らく陰で見えたのが子供だけだったから漏れちゃったのね、直ぐに諫めてたけど」

凄いとしかシャネルは言い表せなかった、彼女は自分よりも高みに居る存在だと解る。

「ああこいつ念覚えて40年のババアなんだっドアアアアア!!」
「4、40年!?」
「と、とてもそうには見えないが……まだ幼い少女にしか私の目には映らないぞ!?」
「まあ若さの秘訣とか色々あってねぇ~♪」
「ゴン、キルア。お前たち、この人に念を教わった方が良い」

真っ先に、そうした方が良いと直感出来た。キルアは驚きつつ声を荒げてどうしてと向かってくる。

「まず一つ、俺よりも彼女の方がレベルが高い事。念を覚えて40年って念能力者と俺とじゃレベルが違いすぎる。二つ、正直俺が師匠としてあまり向いてないって事だな、それだったら彼女の方が良いだろうし」

素直に自分が劣っている点を語っているシャネルにビスケは感心した、自分が劣っている点や欠点を素直に認め肯定出来る人間は強くなれるからだ。認められない人間は意固地になって逆に欠点を大きくしてしまう場合が多い。

「じゃ、じゃあクラピカはどうするの?」
「クラピカには既に半年以上も修行付けてるから責任をもって最後まで教える。それが俺の責任だ、それにお前ら解ってんだろ。このままじゃいけないって」
「……うん、近くまで敵が来てたなんて解りもしなかった……」
「俺も……殺気にも全く気づけなかった」
「んじゃ決まりだわね」

ビスケット=クルーガー。57歳、シャネルに代わってゴンとキルアの師となる。 
 

 
後書き
マリモッチ №673 D-80
:超高速で移動するボール状の生き物。固さはゴムボール程度で攻撃されてもダメージはないが顔面に直撃の体当たりを食らうとかなりムカつく。

リモコンネズミ №711 H-600
:念能力でものを操って身を守る操作系ネズミ。とても臆病でいきなり他の生物と出会うだけで気絶してしまう。繁殖力旺盛で島中どこでも見かける事が出来る。 
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