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ソードアート・オンライン∼the Resurrection Lightning∼

作者:村雲恭夜
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第二刀:森の秘薬

「……んで、何で俺らはこんなとこで«森の秘薬»クエうけてんだ?」

ホルンカの森の幹に持たれ掛かりながら俺はダークに問う。

「それはなぁ……」

ダークは隣の少女に目をそらすと、少女は口を開いた。

「……«アニールブレード»はフル強化すれば約四層付近まで使(つかえる)。取っておいて損は(ない)。」

「……成る程、ね」

少女の答えに一応の納得をして、«スモールブレード»を抜く。

「一応信頼はするが、俺はまだ君を信頼した訳じゃ、無い」

「おい、ライト!」

ダークが肩を付かんで叫ぶ。

「……ダーク。お前の言いたい事は分かってる。暫くは見極めに徹させて貰うだけだ」

ダークはその答えを聞くと、肩から手を離す。

「さて、行くぞ。こう言うのは数とリアルラックの両方の要素が必要だ」

「おう!」

「……(わかった)





さて、ここでだが«リトルネペント»の説明をしておこう。
レベル三の植物型Mobであり、この階層では多彩な攻撃を持つ。それ故に数で来られると厄介な部類でもある。特にこのクエストの標的である«花付き»とは別の«実付き»は実を破壊してしまうと特有の臭いを放ち、周囲の«リトルネペント»が寄ってくる。
故に、このときは真っ先に本体を叩くしかないのだが。

「おーい、何体倒したー?」

開始から約一時間。かなりの数を狩って行ったと思うが、未だに«花付き»は出現しない。狩れば狩るほど出現率は上がるはずだが。

「……320」

「マジか……俺は315」

「因みに俺は299だ……」

総計で900は狩っている計算だ。相変わらず少女は不思議なのだが、それに付いていくダークもしょうもなく凄い。

「索敵に反応はねぇな……。底尽きたかねぇ」

「殆ど私達が狩ったから当然……」

「そりゃそうか」

ダークが気楽そうに言う。……あ、コイツもしかして。

「お前……ドロップしたろ、胚種」

ギクッ、と顔をひくつかせる。わっかりやすー……。

「……ダークは確かに(だしてた)

「あ、お前!」

「お前じゃない、ミヤビ」

……何だろう、このやり取り前に見たことある気がする。
しかし、思い出す間もなく索敵に一人プレイヤーが引っ掛かる。
ホルンカの村で買ったピックを抜くとソードスキル«シングルシュート»を放つ。目標より少し反らす程度に放ったが果たして。

「……止まったか」

俺はその方向を見ると、プレイヤーが右手を振ってこちらに来る。

「やぁ、君達も«森の秘薬»クエやってるんだろ」

「その通りだ」

プレイヤーを警戒するが、そのプレイヤーは手を振って言う。

「警戒しないでよ。僕の名前はコペル。君らは?」

「ダークだ」

「私はミヤビ」

二人が答えたので、俺も答えなければ礼に欠ける。

「……ライトだ」

「ダークにミヤビにライト、だね。所で胚種はドロップしたかい?」

「……ダーク以外ドロップしていない」

「それなら四人でやらないか?その方が早く出るだろ?」

俺は、ダークとミヤビを見て、それを了承した。






それから一時間が更に経過し、ミヤビ、俺のがドロップし、後はコペルの分だけとなった。

「総計で何体狩ったんだ俺ら……」

「大体約三千ってとこか?」

ケロッとしてるダークが答える。

「何でダークとミヤビは疲労してないの……?」

「これくらいなら楽勝」

「「馬鹿げてるよね(な)!?」」

コペルと同時に突っ込む。化け物かコイツら……。
そして、俺達の目の前に現れた«リトルネペント»はと言うと……。

「«実付き»……」

「面倒、だけどチャンス」

「……いやいやいや、実を割る気?」

「……死ぬより過労死する心配しとけ」

「それもそれで心配する順番違う気がしない!?」

コペルに突っ込まれる。突っ込み役って大変だな。

「さて、ミヤビ。割って良いぞ」

「了解」

「「ちょ、ま____!」」

ダークとミヤビが独断で実付きを破壊し、周囲に鼻に付く臭いが立ち込める。

「……索敵反応、(あり)

「さぁて、一丁踊るか!」

索敵に反応があるのは約十五体程度。
……これ、死ぬんじゃね?

「……コペル、死ぬときはあいつら道連れにしようぜ」

「……そだね」

俺達は重たいと感じるようになった剣を握りながら、ダークとミヤビの隣に立つ。

「It`DanceTime」

「さぁ、ノーダメージでクリアしてやんぜ!」

ミヤビとダークの言葉を皮切りに、俺達は«リトルネペント»の群れへ突っ込んだ。









「……一生分の不幸を背負った気分だ」

ホルンカの宿屋で俺はダークとミヤビに言う。
あのあと、胚種を手に入れた俺達はお母さんに胚種を一人づつ渡し、«アニールブレード»を入手した。その後、ホルンカの宿屋で宿泊することになったのだ。

「良いじゃねぇか、スリルも。警戒しながらスリル楽しめるなんてなかなか無いぜ?」

「死にそうになったんだけど……」

「死にかけにならないように調整(ちょうせいした)

……コイツらのやり取り本当にどっかで見たこと在るんだよなぁ。本当に何処で見たんだろう。
すると、ミヤビがいう。

「そろそろ(ねる)。お(やすみ)

そういって、ミヤビは個室に戻っていった。

「……何だろうね、彼女。不思議だけど、何処か普通じゃないみたい」

コペルがミヤビを見て、そう言った。
俺はダークを見て、そして先程ミヤビが消えた階段へと目を向けた。






ミヤビSide

部屋と戻ると、ストレージに入っていた在るものを実体化させる。
それは、ペンダントと黒い鞘に入った、白い刀だった。

「……」

ペンダントを開くと、古ぼけた写真が入っていた。
それに触れると、不意に呟いた。

「必ず、貴方も、貴方の仲間の未来も、救って見せる……」

その時だけは、口調が普通の人と同じようになった。
それが、あの人の……彼が残してくれた『思い』だから。
私はペンダントを閉め、刀をストレージに仕舞うと、装備を解除して布団に潜った。一つの決意を心うちにして。 
 

 
後書き
展開ががが。
ライト「おーまーえー?」
書いてるときにはどうしても……!気を付けては居るんだ!居るんだよ!
ダーク「……それよりミヤビのアレは今後の伏線なのか?」
回収予定。張っただけで使われないってよくある話もあるし。
……まぁ、非公開にした狩人の方に少しだけ関係はしてるんだけどね。
ライト「あの刀よりペンダントの方が気になるんだが……」
ダーク「大体の人はこれ察せる伏線のような気がする……」
さ、さぁどーだろうねぇ(白目)
ライト「それじゃ、次回も俺たちの活躍、見てくれよな!」 
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