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ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
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ミゲルが落ちるぞぉー!→…

 
前書き
キングダムのカイネを元ネタにしてます。
まぁミゲルは傅抵ポジで、速攻忘れられます。 

 

 整備を手伝い、休憩をしていた時。警報が鳴り始めた。

 「コロニー全域に電波干渉。Nジャマー、数値増大!」

 「なんだと!」
 
 「チィ。やっぱこっちが出てくまで、待つ気はないか、あの野郎~」

ムウが愚痴を言っている時に、格納庫から通信が入る。
ヨハンからだ。

 「こっちも出るぞ。今更相手は壊す事など、なんとも思わないだろうしな」

 「そんな……」

 「楽だぜ?こっちは発砲できない、向こうは撃ち放題だ」

 「避難ブロックの無い場所に、デカい一撃を先制で撃て。壊れるのが遅いか早いかだ」

 「それは正しいのかもしれません。ですが、艦長は私です。よってそれは認められません」

 「了解だ」

その時格納庫に走りこんでくる音が。

 「ヨハンさん!」

 「キラか?どうした」

 「まだ漠然とだけど、友達を守るために…僕は戦います!」

 「わかった。なら早く乗り込め」

二人がそれぞれの機体に乗り込む。先に出撃するのはヨハンだ。

 「アスカローネ ヨハン出る」

 アスカローネはマウントポジションのまま、外に向かって飛びだし。
既に侵入しているジンに向かって、加速していく。

ミサイルを両手に持った、重爆撃装備の機体。
腰近くに装備していた、小型ミサイルでアスカローネを牽制しようとするが。

 「ふん。そんな攻撃は当たらんな」

粒子制御のされていない様な、単純なミサイルではヨハンには当たらない。
ツインビームライフルをロール回転しながら撃ち、ジンのコクピットブロックに当たり、敵は爆散する。

 それを見ていたのであろう、もう一機の同じ装備のジンが。
アークエンジェルに向け、4発のミサイルを発射する。

 「俺に攻撃するより、アークエンジェルを狙うか。だが!」

ミサイルは全て撃ち落とされる。
アークエンジェルの傍で爆発したものは、在ったにせよ直撃はない。

――――――――――――――――――――――


 何なんだ!目の前の機体は!
あり得ないぞこの機動性!

もはや打つ手なしのジンはビームサーベルで両断される。

 「くっ!アスラン、お前はあっちの機体をやれ!」

 「な、待てミゲル!」

アスランは何となく感じていた。
恐らく目の前の相手は、自分たちよりも格上の存在だと。

コーディネーターでも、あり得ない動きをしているのだ。
勝てるビジョンが湧かない。

ビームサーベルを互いに出し、すれ違い様に攻撃を繰り出すが躱された。
そしてその間に、ミゲルはストライクに落とされていた。

撃墜される間際に放ったビーム攻撃が、最後のアンカーを消飛ばし。
コロニーは崩壊していく。

 (まずい、この状況は不利だ!)

 アスランは今の崩壊中のコロニーの中。
相手が確実に行動できる技量があり、隙を晒したと思っていた。
だが、相手の機体はこちらを一瞥して。母艦に戻っていった。

一体何を思って、撃墜しなかったのか…
アスランにはまだわからなかった。


 ヨハンからすれば、アスランを殺す事は非常にリスキーである。
まずキラとザラ議長がどうなるか分からなくなるのだ。
だからこそ、バレ無い程度に手を抜き。どさくさに紛れ、帰還するつもりだったのだ。


 アークエンジェルでヘリオポリス崩壊を見ていた。学生組は言葉も出ない様子。
フラガもその後継を見てぼやく。

 「…こうまで簡単に…脆いとはな…」

 「X-105ストライク、アスカローネ!聞こえているなら応答しろ!」

 「あ、はい。…こちらストライク…キラです」

 「無事か?」

 「はい。ただヨハンさんは…」

 「俺がどうしたって?」

ストライクの後ろから、のそりとアスカローネが顔を見せる。

 「どわぁあ!!」

 「…速やかに帰投。こちらの位置は分かっているな」

 「問題ない」 「…はい」

その返事により通信は切れる。

 「キラ。わかっただろう?中立が絶対に平和という事ではない事が」

 「…そうですね。でも…」

 「後で話なら幾らでも付き合うさ。先に戻ってるぞ」

ヨハンは通信を切り、先に母艦へ戻った。
だがキラはその途中救命ポッドを見つける。

―――――――――――――――――――――

 「アスカローネ帰還しました」

 「こちらブリッジ、ナタル・バジルールだ。ヨハン至急ブリッジに来てほしい」

 「了解した」

アスカローネのエネルギー補給等をマードックに任せ、ヨハンはブリッジに向かう。
そしてこの後どう動くべきか意見を求められた。

 「成程、まずアルテミスはやめた方が賢明だ。少し調べれば出ると思うが補給は受けられないだろう。
 ならば、アルテミス方向にデコイを発射。デブリベルトに向かった方がいいな」

 「そんな、あそこには亡くなった人たちが…」

 「腫物の様に扱うのではなく、次代へ生かすために使うべきだ。
 それにムウの機体も直っていない。整備する時間は必要だ」

 「……」

 「ストライク帰投しました。ですが、救命ポッドを一隻保持してきています」

 「恐らく救助艦はしばらくこないな。ならば、入れた方がいい。
 軍人は市民を守るためにいるんだ。だろ、バジルール少尉?」

ヨハンの言葉に溜息を吐きながら、キラに了承する事を伝える。
アークエンジェルの正規軍人は、何となくだがヨハンが軍に精通した人間だと感じていた。
ナタルの場合で言えば、まるで現場を知る高位の軍人であり。
人間的に大きく感じる存在だと思っている。
一言でいえば、アークエンジェルのクルーの皆は知らずのうちに頼っているのがヨハンなのである。

 「わかりました。…ただデブリベルトの件は、人手が必要です。ヨハンさんから彼らに説明を」

 「問題ない。それぐらいはやるさ」



 「あー。実は一番近いアルテミスには、良識ある軍人はおらず。そこで補給や君たちの身柄を預ける事はできない」

 「…それって入ったら軟禁されるって事ですか?」

 「その通りだ。極秘建設のこの艦は、居ない事になってる。それにキラ君を認めるとも思えない」

 「…それじゃあ水なんかは?」

 「デブリベルトの残骸から貰う。勿論これは墓荒らしではなく、俺たちの糧にするためだ。
 より良い時代を彼らのためにも俺達は生きて作らなきゃいけないんだからな」

 「ちょっと何でコーディネーターなんかの物を!……」

フレイが叫ぶが、ヨハンは目を鋭くして彼女を見る。

 「どうした、続きを話せばいい。勿論働かざる者食うべからずとの言葉がある通り
 地面から食料や水が降ってくるわけではない。そんな中での発言だと考えての事だろうからな」

 「……」

ヨハンの言葉に黙るフレイ。そして気の毒そうな目をする学生組。

 「そ、そんなのお父さんが!」

 「君のお父さんなら知っている」

 「なら!」

 「穏健派を謳う、過激派ブルーコスモスの一員であることをな」

ヨハンの言葉に静まるその場。

 「浅はかな考えだな、自分で何もせず他力本願であまつさえ他人に何かを求めるなど。
 はっきり言おう、唾棄すべき汚物に等しいと。少しは状況を考えて物事に向き合え」

戦艦でセレブ気分で要られても困る事は事実。
そして彼女は何も生み出していない中、喚いているだけである。

 「さて君たちはどうする。この状況の中、自らの何かを売り込み、対価として飯を食べるか
 彼女のように、周りが必死に働く中。自分だけは違うと思い文句を言う。どちらにする?」

 「ヨハンさん…でも俺キラみたいに…」

 「カズイ君。キラは万能ではないよ?例えばパイロットとして出ている間。
 母艦にキラはいないんだ。母艦で君の持つ技術や経験は、生かせるとは思わないか?」

ヨハンの言葉は、カズイにとっては天啓に等しかった。
劣等感や自身の無力を嘆いていた彼は、確かにそうだ。と思えたのだ。
これは以前ヨハンに言われた、キラの帰る場所を守るという言葉も影響していた。
カズイは目を輝かせ、他の学生組も自主的に何かをしようと行動し始めたのだ。

 キラは自分の友達が自分を支えようとしている事を見て。
勇気づけられた気持ちになった。

 「さて、フレイ嬢。その腐った性根は正さねばな、行くぞ」

 「あ、ちょっと…キラぁーー!!」

 「あはは……」

キラ。苦笑いである。
ヨハンの片目が憤怒の光を帯び、鬼の目をしていたのを見て触れない事にしたのである。
フレイはムウ監修の元。軍隊式訓練を行い、まずは体力を作る作業になった。
恐らくは整備班に配属されるだろう。
  
 

 
後書き
キラの友達ええ奴や~!
本作では、キラの周りは良い状態です。

ヨハンから滲み出るオーラ。
軍のトップっぽい感じするわ~ってのがクルーの気持ちです。
ナタルはヨハンに好印象を抱いており、敬意を払ってます。

フレイに関しては、何もせうベッドに入るなんて許しません。
働け馬鹿者!マードックさんの荷物運びからだ!

 
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