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ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
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自分なりの美意識

 
前書き
ヨハンの大総統スタイル。
 

 
 


「どうやら些か、うるさい奴がいる様だ」

「はぁ…?」

「MSを2つ失う程の事があったとなれば…」
「そのままにはしておけん」

 クルーゼはブリッジを離れMSに乗り込む。

 ――――――――――――――――

「あの…腰の物は?」

「あぁこれか。何武器だよ」

 軍刀を少し抜いて見せる。
 息を飲む声と、少し警戒されてしまった。

「あぁこれは、あくまで自営の物だよ。生憎身を守るためには必要でね」

「それは何故…?」

「戸籍がないからだよ。身分が不確かな身なのさ、あぁ名前はヨハン、と呼んでくれ」

 俺の言葉で幾分落ち着き、それぞれが自己紹介をしようとした時。
 少年の乗っていたコクピットから声が。

「あ!コクピットに負傷してる人が」

「自己紹介の前に、取りあえず怪我人を下して手当しよう」

「そうですね。カズイ下すぞ」
「わかったよ」

「あ、あたしミリアリアです。ミリアリア・ハウ」 「俺はトールです。トール・ケーニヒ」

 二人と握手をして怪我人が降りてくるのを待つ。

「この人です!」

 若い女性士官…名は確かマリュー・ラミアスか。

「弾が掠めただけだな。これなら普通の治療で大丈夫だ」

 まぁ直撃していたら、腕はしばらく使えないからな。

「ふぅ~。あ、自分はサイ・アーガイルです」

「キラ・ヤマトです」 「カズイ・バスカーク」

「さて…。君たちはこの後どうなると思う?」

 俺の質問にそれぞれが顔を見合わせ。

「それは救助が来るんじゃ。オーブは中立なんだし」

 やはりか…。中立という甘い言葉の表面上に騙されているな。

「それはないと断言しよう」

「「えぇ!!」」

「恐らくキラ君が乗った機体は機密の塊だ。その存在を知ってしまった君たちは、既に【ただの民間人】ではないだろう」

「そんな!僕たちは中立のオーブですよ?!」

「君たちは何をもって中立か考えたことは?」

「そりゃ戦争に関わらないって」

「2つの陣営の戦争。だが【これ】を見て、わかるように中立の維持は難しい。
 国家間のバランス。国家の維持。そして戦争に無関係な訳ではない事は、身をもって知っただろう?」

 目の前のストライクガンダム。そして彼ら自身が体験した、中立は絶対ではないという証。
 これらの現実が、彼らを否応なしに理解させられてしまう。

「まぁ暗い話は一旦終わろう。あの女性を起きるのを待とう」


 寝かせていた女性が少し呻き、覚醒する。

「うぁあ……」

「あ!気が付きました?」

 男連中は考え込んでいる。
 キラ君にはこっそり話をし、彼がこれから負う責任。有人からの期待。
 本人はまだ納得はしていなかったが、直にわかるだろう。


「キラ!」

「あぁ。まだ動かない方がいいですよ、応急処置だけなので」

「…すみませんでした。なんか僕…むちゃやっちゃって」

「お水…要ります?」

 ミリアリアがペットボトルの水を持ち、ラミアスに渡す。

「ありがとう…」

 キラの助けで、体を起こし水を飲む。
 だが他の4人。サイ、カズイ、トール、俺はストライクの傍に座ったり寄りかかっている。

 それを見たラミアスは、銃で威嚇しようとしていたが。

「いきなり銃を構えるとは物騒だな」

 瞬き程の間に接近し、銃を両断する。
 近くにいたサイ達は、俺の元々いた場所と俺を交互に見ている。
 キラも目を見開き驚いている様だ。

「あなた。もしかしてコーディネーター?!」

「いや?遺伝子を操作された覚えはないな」

 まぁクローンに近いが嘘はいっていない。
 刀を納め。目の前のラミアスに続きを促す。

「…どうやら普通の民間人ではないようですね」

「彼らにも言ったが。身分が存在しなくてな、生きるための必須技能と言った所だ」

「…傭兵という事ですか?」

「まぁ近い存在だ。それよりこの後どうする」

 彼女が見ているのは俺のMSアスカローネ。この世界に存在しないオンリーワンの機体。
 そして唯一無事な、ストライクガンダムだ。

「…わかりました。私は地球連合軍、将校。マリュー・ラミアス大尉です
 申し訳ないけれど、貴方たちをこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

 ラミアスの言葉に驚くよりも、やっぱりといった感情が多い。
 それに疑問を抱くラミアス。仕方がない、俺から告げておくか。

「少年たちには、既に。そう言われるだろう事を教えておいた。
 ただ忘れて欲しくないのは、あのMSを満足に動かせず。少年の力を借りなければいけなかった事だ」

 軍人としては、それは致命的なまでに最悪だ。
 自らが満足に戦えず…少年に戦ってもらう。それは、守るべき市民を守れていないという事なのだから。

「…忠告感謝します。一人づつ名前を…それとパイロットの君は通信が可能かどうかを」

「サイ・アーガイル」
「トール・ケーニヒ」
「ミリアリア・ハウ」
「カズイ・バスカーク…」

 そしてコクピットに上ったキラに、ラミアスは視線を向ける。

「キラ・ヤマトです」

 それぞれ名前を述べた後。
 サイ・トール・カズイが、指示されたトレーラーを動かしストライクの傍に止める。
 俺はアスカローネの操縦席に座り、万が一に備える事になった。

 (殺人道具を持つ事。それに今まで触れていなかったキラには辛いな)

 なまじコーディネーターだから期待されてしまう。彼らは力があるから大丈夫だろうと。
 だが心まで強くできる訳ではない。彼らは近視眼的状態になっているのだろう。

 そんな事を考えながら思考を巡らせていた。
 その時。俺の感覚が強い殺気を感じ、何かの来訪を告げる。

「キラ!フェイズシフトを付けろ!敵が来るぞ!」

「なんだって!そんな?!」

 頭上のダクト管のような物からMSとMAが出てくる。

 シグーが最初に出現し、メビウス・ゼロも後に続く形で侵入してきた。

 (シグー、ラウ・ル・クルーゼか!)

「装備をつけて!早く!」

 近くで機関銃なんかたまったもんじゃない。
 俺はアスカローネでシグーに接近戦を仕掛ける。

 まぁ無論実体剣ではなく、ビームサーベルだが。
 構えていた機関銃ごと右腕をすれ違い様に奪う。

「くそ、とんだ邪魔者がいた様だ!」

「残念だったな」

 ツインビームライフル。ビームハンドガンが使えないせいで、追い込みが!
 そんな状態の中。大きな戦艦が出てくる。
 アークエンジェルが出てきたか…。

 戦艦を確認したシグーは、重斬刀を捨て機関銃を取り艦に攻撃を仕掛けていく。

「君はあとにしておこう」

「逃がすか!チッ…!」

 知らない機体である、これを見たメビウスが接近してくる。
 このままでは…。
 そんな事を考えている間に、やはりキラがアグニでコロニーに大ダメージを与えてしまう。

 そして空いた穴からシグーは逃げ出して、俺達は母艦の先端部分に着陸する。

 (さて。この後が最初の山場だな)

 ある程度の自由度のある立場にはいたいからな。
 
 

 
後書き
ヨハンの目は、某大総統の様な超人を可能とします。
またもう一つのすり抜けは、時空間とこの目があってこそできる芸当です。

ただ、相手に間接的に触れていなければならず。
某うちはの方の様な自由度はありません。MSの操縦席で発動しても、機体は普通に攻撃くらいます。
まぁ間接的に触れる方法例は、自身と融合しているELSが対象に触れていたら可能です。

今回キラ達には、少なからず考えるきっかけはできたと思います。
原作だと目に見える能力ばかりに目が行き、内面は考慮されてないですからね。

え、フレイどうするって?海軍式訓練とFF式訓練どちらをご所望ですか? 
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